ちくりん舎にて高木基金「放射能測定研究交流会」が開かれました

7月7日にちくりん舎にて、高木仁三郎市民科学基金による「放射能測定活動に関する『研究交流会』」が開催されました。この研究会は北は札幌から西は岡山まで、全国の市民測定所が参加する交流会です。2012年から、各測定所を会場にして開かれ、今回で4回目となります。今回は一般測定を公開して間もないちくりん舎を会場として、ちくりん舎のお披露目も兼ねて行われました。

(1)ちくりん舎の見学

午前11時から約1時間、ちくりん舎の見学会が行われました。参加者は総勢で30名ほどになり、ちくりん舎の建物は一杯になりました。

参加者であふれるちくりん舎

参加者であふれるちくりん舎

 

 

 

 

 

 

 

全国の市民測定所の方々、高木基金関係者のみなさんも、ゲルマニウム半導体測定器については直接触れる機会もあまりないようで、3人の説明者それぞれが質問ぜめで1時間があっという間にすぎました。

(2) 研究交流会

午後は、ちくりん舎の近くの公民館に会場を移して、研究交流会が行われました。参加者の自己紹介が行われましたが、さすがに4回目ともなると顔見知りも多く、スムーズに進みました。今回は、フランスのACROの理事長のディビッド・ボワイエ氏も来日しており、交流会に参加していただきました。

会場で交流会前の様子

会場で交流会前の様子

 

 

 

 

 

 

 

(3) ちくりん舎についての紹介

自己紹介の後、副理事長の青木から「ちくりん舎の現況と課題」と題して、ちくりん舎の紹介、設立の経緯、今後の課題、立ち上げ時の技術的トピックス等が紹介されました。

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(4)ACRO理事長ディビッド・ボワイエ氏からの報告

続いてディビッド氏から、ACROの歴史や活動紹介、日本支援の経緯、ちくりん舎への期待などが報告されました。ディビッド氏の話の結論は、「ACROとちくりん舎で既に5台のゲルマがある。起こりうる将来の事故に備えよう」というものでした。考えたくはありませんが、氏の冷静な判断はやはり正しいものだと思います。

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(5) みんなのデータサイト紹介

事務局からは「みんなのデータサイト」の準備状況や内容について紹介があり、今後の進め方についての意見交換がありました。

(6)活発な意見交換・交流会

プレゼンが一通り終わった後で意見交換が行われました。その中で特に話題になったのは放射能監視についてのフランスでの実態です。フランスでは全国の原発、再処理工場などで地元首長、議員、電力会社、政府関係者、労組、市民代表、測定所などのNGOなどが入った審議会があり、最低でも年2回の会議を行っていることが紹介されました。また、フランス政府主導で各省や電力会社、市民測定所などが独自に測定したデータを一括して見ることができるウエブサイトが既にあることが紹介されました。日本では市民測定所中心の「みんなのデータサイト」計画が進んでいますが、フランスでは政府主導で行われていることに参加者一同驚きの声が上がりました。

また、ACROによるベラルーシへの支援に関連して「エートス」の活動の実態や、福島事故後の日本における「エートス」活動についても議論が行われました。

交流会は会を追うごとにより深い議論ができているように思いました。

また、ちくりん舎の状況を実際に見ていただくことで、研究者の方から新たな測定プロジェクトの協力依頼や、市民測定所からの精密測定のための要望などが出されるなど、ちくりん舎にとっても大きな意義のある交流会となりました。

※会場準備や受付、説明などで協力していただいたちくりん舎のスタッフの皆さん、ご協力ありがとうございました。

 

 

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