第6回田村バイオマス訴訟法廷が開かれました

10月27日に福島地裁において第6回田村バイオマス訴訟法廷が開かれました。次回の裁判期日は2021年1月12日13:30からと決まりました。被告側が今回提出した準備書面は、原告の主張である①燃料木材の放射能汚染の問題、②バグフィルタがセシウムを含む微小粒子を捕捉できない問題、それぞれに関する反論が主なものでした。こちらが本裁判の主な争点として主張している、HEPAフィルタが実際には機能しない虚偽設備であることについての反論は次回に持ち越されました。

裁判終了後、福島市市民会館において報告集会が開かれました。約20名の参加がありました。

報告集会ではちくりん舎の青木から、これまでの裁判経緯の説明がありました。報告の資料は下記からダウンロードできます。

第6回法廷:田村バイオマス訴訟の経緯(ウエブアップ用)

青木の説明の中では、第4回までの法廷でHEPAフィルタが機能を果たさない虚偽設備だということについて、原告側が優位に論戦を紹介していたとの説明がありました。ところが第4回法廷の場では、裁判長から「燃料木の放射能汚染と検査体制の問題」「バグフィルタによる放射能捕捉の問題」について原告側の主張を整理して提出するよう発言がありました。本裁判の主要な争点は、あくまでも田村BEと本田市長が説明する「国内最高レベルの安全対策としてのHEPAフィルタ設置」が虚偽だという問題です。これに対して、「バグフィルタで安全は担保されている」「HEPAフィルタは『安心対策』のためのもの」として争点をずらす被告側の主張に乗ったような裁判長の発言でした。第5回裁判ではこの裁判長に指示に従って、当方の主張を述べたものです。

今回の法廷の場でも、被告側弁護士に対して「次回、被告側として原告主張の重要ポイントと考えられる点について反論するように」との発言があったのです。青木からはこの点について、裁判の主要争点の設定を被告側の選択に任せるようなもので、被告側の争点ずらしに優位に作用するのではないか、との危惧が表明されました。

坂本弁護士からは、今回の被告側の準備書面内容についての更に詳しい解説がありました。バグフィルタの問題についても被告側は冷却水の取水場所やその内容などを一切明らかにしていないので、排煙が確実に冷却できるか不明のため、バグフィルタそのものが確実に稼働できるかどうかも疑わしいとの補足説明がありました。裁判長の発言については、単に被告側書面の理解のしやすさを考慮しての発言とも考えられるとの解説がありました。また、今後の裁判の見通しの説明がありました。

質疑、意見交換の中では、来年4月に予定されている田村市長選との関連で質問がありました。来る田村市長選で現職の本田仁一市長が落選した場合は被告は誰になるのか、という質問です。坂本弁護士からは、被告は田村市長としての本田仁一氏が被告となっているので、落選した場合は新市長が被告になる、という説明がありました。

来る市長選の行方がどうなるかが大変重要ですが、現職の田村市長が落選し新市長になったとしても、裁判はそれで決着がつくわけではありません。引き続き粘り強い運動が重要であることを一同確認した報告集会となりました。

 

 

 

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