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※拡散歓迎※
直前になってしまいましたが公開学習会のお知らせです。
韓国のシンポジウムへの参加報告(1)の続きです。
[「熱い」ものを持っている韓国の人々]
ハン・サリム生協、韓国YWCAは脱核運動(日本語では脱原発のこと)を大変熱心にやっているところで、特に韓国YWCAは福島原発事故以降、脱核運動をメインの課題として取り組んでいるそうです。隔週でソウルの繁華街の南大門(ナンデムン)市場周辺で踊りやスピーチ、チラシ配りなどのキャンペーン活動をやっているとのことで、韓国国内で報道されたニュースのビデオを見せてくれました。特に女性陣の歌と踊りでアピールするやり方は大変楽しげで参考になりました。3カ所での参加者は基本的に女性でした。平日の昼間から夕方の時間設定はお母さん方の参加しやすさを考慮しているとのことです。
どこでも大歓迎で、それぞれでお土産までいただき帰りが重くて大変でした。(実は初日の夕方、そこしかとれない2時間のフリータイムに南大門市場でお土産用キムチを買っていましたので、それもあって重くて一苦労でした)。
2日目の夕方、食事をとりながら懇談したカン・オス君とカン・ユン君はとても親切でさわやかな青年たちでした。2人とも独身だそうです。2人との会話の一部分を紹介しましょう。ちなみにユン君は小学生の時と高校生の時に合わせて5年間日本にいて日本語ぺらぺらです。オス君とは英語で会話です。
・・
私)韓国は徴兵制ですよね。あなた方も徴兵されたのですか?(実は2人ともとてもやさしい青年だったので軍服姿の2人を想像できなかったのです)
ユン)私は2年間、憲兵として従軍、オスは2年半陸軍にいた。憲兵で従事していた間、拳銃の安全レバーは常に外していつでも撃てる状態にしていた。36発も実弾を持っていた。
私)オスさんは戦車に乗っていた?
オス)戦車ではなく歩兵でひたすら歩いていた。青木さん、なんで徴兵のことなんかに興味あるの?
私)私は若いころから反核運動や平和運動をしていた。日本では憲法9条があり戦争はできないことになっているがそれが変えられてしまいそうだ。
ユン)知っている。日本人は憲法9条を変えるのか?
木野)憲法9条を変えられる政治家はいないんじゃないか。それより解釈を変えるだろう。
ユン)韓国で徴兵を逃れるすべはない。だいたい大学3年生頃徴兵され2年か2年半で大学に戻る。徴兵拒否は1年半くらい刑務所へ入らなければならない。その後も前科者として一生まともな仕事につけない。政治的なパフォーマンスであえてそうする人もいるが。
・・
ユン)在特会はまだ騒いでいるのか?橋本、石原、小泉などはどうしているのか?
青木)ヘイトスピーチをやるやつらがいるが、それに対してカウンター行動をとっている人達もいる。ただ日本と韓国では随分政治的雰囲気が違うように感ずる。若い人たちの運動が強い。日本の官邸まえの金曜日デモなどは60台以上の人達が多い。
ユン)韓国の人は熱いものを持っていると思う。最近は大分薄れて来たけど、少し前までは5月と言えば光州民主化闘争を思い出して気持ちがそっちへ行く季節だった。光州民主化闘争(1980年)で亡くなった人達を祀ったお墓が光州にある。つい最近、パク・クネの選挙疑惑や資金疑惑に抗議して焼身自殺した人がいた。周囲が両親を説得してこの人は烈士として光州烈士の墓に埋葬された。30代はこうした熱いものを持っていて選挙でも60%ぐらいは民主党(第1野党で80年代の民主化闘争あがりの政治家も多いが経済的には新自由主義的なところがあるようだ)に投票する。20代は格差拡大で経済的な条件が悪くなるなかで逆に権力にすがる方向で保守的になっている。40代、50代と年齢が高くなるにしたがって保守的になる。
・・
韓国でも新自由主義的政策で格差拡大が進んでいるということは良く聞きます。宿泊したホテルの隣のビルは韓国金融センターでした。そのビルの玄関前にテントを張り、昼でも零下の厳寒の中で1日中座り込みを続ける数十人の労働者たちがいました。解雇された労働者たちの座り込みだそうです。地下道にはコンクリートの上に段ボールと毛布で野宿するホームレスがビッシリでした。
日本の状況と近いか、その先を行っているようにも感じました。格差拡大の中で20代が逆に保守化しているというユン君の話はとても気になるところです。ひょっとしたら日本もその後を追っているのか。やや暗い気持ちになります。ただユン君、オス君のような人々がいること。韓国YWCAで参加した女性たちと記念写真を取った時に、イチ、ニのサンでとるポーズはピースサインではなく、右手のこぶしを握って肩のところまで突きあげる「闘争ガンバロー」のポーズでした。こうした韓国の人々と連帯できることに希望を感じました。
2014年12月2日、韓国市民放射能監視センターのシンポジウムが開催されました。韓国市民放射能監視センターは2013年4月に設立総会が行われ、私もご招待されてお話をしました。
今回はセンター稼働1周年での記念シンポということで再びご招待がありました。参加報告記を書きましたので2回に分けてご紹介します。
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韓国市民放射能監視センターのシンポジウム参加報告
2014/12/4 ちくりん舎 理事 青木一政
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韓国市民放射能監視センターが稼働を始めて1年を機にシンポジウムを行いました。福島原発事故や健康被害の状況、汚染実態などを知りたいとのことで、私とフリージャーナリストの木野龍逸(キノリュウ)氏が招かれて訪韓しました。
[ハード・スケジュール]
前回2013年4月に韓国市民放射能監視センター(以下韓国監視センター)の設立総会にご招待されて今回は2回目。前回は1泊しかできなかったが今回は2泊ということで少しは余裕があるかと思いきや、前回以上にハード・スケジュールでした。
12月1日夕方にソウルへ入り、韓国監視センター代表のキム・ヘジョンさんと通訳兼今回のコーディネータのカン・ヘジョンさんと食事をしながら今回のシンポや一連の交流会の内容についての打合せです。韓国では昨年7月に発表されたフクイチからの汚染水流出問題で世論が沸騰し福島周辺7県からの魚の全面禁輸をしています。しかし韓国政府は日本側の要請(圧力?)によりこの禁輸措置を解除しようとしているとのこと。韓国側の参加者は魚の汚染状況に関心がとても高い。私もキノリュウさんも魚の汚染状況をメインに話す準備はしていないので若干とまどいました。また、韓国側の参加者は日本の状況を細かくウオッチしていて福島の現状について一般的な話は知っている、具体的ななまなましい話が知りたいとの厳しい注文でした。まあこのことについては(確認はしませんでしたが)キノリュウさんも十分自信はあったと思います。私も自分のデータがあるので何とかなるだろうと。
2日の午前10時から昼食も休憩もなしに13時40分まで延長してのシンポジウム。遅い昼食と休憩をとって、ハン・サリム生協に場所を移して、16時~18時過ぎまでそこの環境委員会の人達を前にプレゼンと懇談会。その後、ハン・サリム生協の環境問題活動家のカン・ユン氏と韓国監視センターのキャンペイナーのカン・オス氏と夕食を取りながらこれまた3時間程度懇談。2人とも30代前半の若者(男性)でとてもすがすがしい印象を持ちました。
翌日3日もまた朝10時~12時まで韓国YWCAの反核グループの皆さんの前でプレゼンと懇談。ということで夕方の飛行機に乗るまでびっしりのスケジュールでした。
[原発事故後変わってしまった日本人の感覚]
1日のシンポジウムは、韓国監視センター所長のイム・ユングン氏から監視センターで行ってきた魚の汚染状況についての報告、キム・ヘジョンさんからの韓国における食品放射能政策についての報告のあと、私とキノリュウ氏が報告を行いました。その後全体討論という流れです。参加者は約100名ぐらいです。
イム・ユングン氏の報告は韓国の市販の魚の放射能汚染調査結果についてのものでした。日本からは禁輸なので魚はロシア産、韓国産などの魚、150検体の測定結果です。韓国ではタラやサバなどが良く食べられるので、そうしたものを中心に調べたそうです。その結果では7%程度の検体から0.3~0.8ベクレル/Kgのレベルでセシウム137が検出されました。ロシア産のもの、大型スーパー販売のもので検出される比率が高いとの報告でした。0.3~0.8というとちくりん舎で測定している尿から検出されるレベルより少し高いぐらいです。「その精度で調べたら、そりゃ7%ぐらいはでるだろうな、日本の魚もそのくらいの物はざらにあるんではないだろうか」「日本で野菜やコメなどもこの精度で調べたら軒並み出そうだ」というのが第1印象でした。福島原発事故後私たちの感覚がずれてしまっています。5ベクレルか1ベクレルくらいの検出限界で出なければ「まあ良しとするか」という感覚がありますが、本当は検出されること自体が問題です。いつの間にか日本人の生活は放射性セシウムと共存しているような状況だということを改めて感じた次第です。
キム・ヘジョンさんのプレゼンは韓国の食品放射能政策についての批判でした。韓国政府は日本からの魚の禁輸措置の解除を検討している。日本政府は韓国の禁輸措置をWTOに提訴することをちらつかせて、解除の圧力をかけているということです。輸入再開反対、他国並みの放射能汚染検査の要求、放射能検査基準強化、子ども・妊婦へのガイドライン制定、汚染水排出の総量規制をすべき、韓国原発周辺での疫学調査の継続などの主張でした。
私は「政府の汚染実態の隠ぺいと市民による監視」というテーマで、前半は最近の「除染から帰還へ」の方針転換、「放射能被害は大したことない」という新たな安全神話など日本政府の汚染実態の隠ぺいの話をし、後半はちくりん舎の活動として尿検査やリネン布による大気中粉塵の放射能調査の話をしました。
キノリュウ氏はフクイチの汚染水流出の実態と東電による隠ぺい状況、甲状腺がんの多発状況とそれをスクリーニングによるものと固執する学者たちの見解とそれに対する疫学者からの批判、憲法の居住の自由を持ちだして、「20ミリ以下で一人でも帰還したい人がいれば解除する」と避難指定解除に走る政府の実態の紹介などでした。ジャーナリストらしく双方の見解を取材しての事実を紹介する中で「福島原発事故を無かったことにする」かのような現状が良く分かるものでした。
質疑の中で「今回のようなことが起こったら暴動が起きる。福島の人達は何故おとなしいのか。福島県知事選がどうしてあのような結果になるのか」という問いがありました。これにはキノリュウ氏も私もその答えに窮してしまいました。
投稿from個人会員(チャイるのネット辻さん)
子ども支援WEEK 第3回チラシのダウンロード
第3回 子ども支援W E E K
2014.9月20日~30日
★期間中に「協力店」(裏面)へ行って、お買い物やお食事をすれば、その売り上げの一部がこのプロジェクトに寄付されます。また、お店には募金箱も置いてあります。
フクシマの子どもたちは、今、どうしているのでしょう?
除染が終わって、安全に暮らせるようになったのでしょうか……。
前回までの「子ども支援WEEK」寄付金により、福島の幼稚園で尿検査したところ(園児の兄弟を含む)、3割以上のお子さんからセシウムが検出されました。微量のセシウムがあると疑われる*お子さんを入れると7割にも達します。
子どもたちを守るために、今後も、きめ細かな検査が必要です。「子ども支援WEEK」の寄付金は、全額、検査費用にあてられます。
ぜひ、みなさんの思いを協力店に!!
(*下限値以下のため定量化できないが、波形でセシウムが確認できる場合)
●尿に含まれる放射性セシウムの量をゲルマニウム半導体検査機で測定します。福島県民健康調査では、甲状腺エコーとホールボディカウンターだけで、詳しい内部被ばくの実態がわかりません。尿検査をすれば実態が分かり、健康管理について対策が立てられます。
●測定は、「NPO法人ちくりん舎(市民放射能監視センター)」http://chikurin.org/でおこないます。検査費用は、一人につき、1~2万円かかります。
●期間中の売り上げの1%が検査費用として寄付されます。
●協力店を募集中です。募金箱を置くだけでもかまいません。詳しくは下記までお問い合わせください。
主催 チャイるのネット(放射能汚染から子どもを守るあきる野ネットワーク)子ども支援WEEKチーム
問合先 メール :akirunokodomo@yahoo.co.jp
T&F :042-559-6941 または、090-9386-1275 (辻まで) まで。
●最新情報はチャイるのネットのブログで。http://chirunonet.blog.fc2.com/
ちくりん舎の公開学習会のお知らせです。
この公開学習会はこれまでちくりん舎スタッフで行ってきた学習会を、より広く一般の方々にも参加していただけるように、という趣旨で始めたものです。
低線量被ばくの実態や健康リスク、被ばく最少化のための、知識レベルアップ、情報や課題の共有化などでおたがいの行動に活かしたいと思います。
どなたでも参加できます。お気軽にご参加ください。
会場はそれほど広くないので参加されるかたできれば事前にご連絡いただけると幸いです。
◆日時:9月12日(金)13:30~16:30頃(今回は平日となりました)。
◆場所:立川市 シビル JR立川駅南口から徒歩3分
http://space.geocities.jp/sudajuku_tachikawa/civil/toiawase.html
◆内容:
(1) チェルノブイリ法25年の軌跡とその現在、福島事故4年後の日本の状況
(2) 福島県甲状腺検査、その最新状況
ちくりん舎関係者の皆さま(拡散歓迎)
8月9日(土)にちくりん舎で内部被曝・低線量被ばくについての学習会をやります。どなたでも参加可能です。自主ゼミ形式で行いますのでお気軽に参加下さい。
■日時:8月9日(土) 14時~16時頃
■場所:立川シビル
JR立川駅南口から徒歩3分、多摩都市モノレール・立川南駅から徒歩1分
http://space.geocities.jp/sudajuku_tachikawa/civil/
■内容
(1)福島県甲状腺検査と甲状腺ガンの状況について
(2)チェルノブイリ事故による甲状腺ガン発生の状況について
(調査報告「チェルノブイリ被害の全貌」岩波書店 第6章を参照)
(3)福島周辺の大気中塵埃調査の状況について 他
※チューターはちくりん舎理事の青木が行います。ゼミ形式で行いますので関心のある方どなたでも参加可能です。特別な準備は要りません。
■開催の経緯:
NPO法人ちくりん舎第1回総会の場で、これまでスタッフ中心で行っていた学習会を公開で集まりやすい場所で行ったらどうかとの提案がありました。今回はその第1回目です。開催場所、形式、頻度などについても今後皆さまのご意見を取り入れながら実施してゆく予定です。
5月25日に立川市アイムにてNPO法人としての第1回総会が開かれました。総会の中で報告・承認された議案のうち、「ちくりん舎2013年度活動状況と今後の課題」についてアップします。
皆さまのご支援・ご協力のおかげで、ちくりん舎の活動も着実に前進しています。少し硬い文書ですが、ちくりん舎の状況がお分かりいただけると思いますので広くご紹介いたします。
6月17日、ちくりん舎で韓国CBS(基督教放送)のTVチームの取材を受けました。韓国ではpm2.5問題や福島原発事故による放射能影響などで環境汚染問題や食の安全について関心が高まっているようです。
日本での市民の側からの放射線測定や放射能分析について取材したいとのことでした。フクロウの会の尿検査やちくりん舎での放射能分析の実態についてお話しました。
取材クルーはちくりん舎取材の後、田村市都路地区やいわき市、南相馬市などを回るようです。
韓国でもパク大統領はサウジなどへ原発輸出セールスをしているようで、御用学者も一杯いて、放射能影響は問題ないと宣伝するなど事情は日本と同じようです。
どうして私たちを取材することになったのか聴いてみたところ、韓国の市民放射能監視センターを取材していて日本のちくりん舎を紹介されたとのことでした。
韓国の市民放射能監視センターについてはこちらの記事にあります。
これまでちくりん舎の広報誌「ちくりん舎ニュース」は会員向けに郵送、HPユーザーにのみ公開していましたが、広くちくりん舎の活動を知って頂くため最新号を除くバックナンバーをHPで一般公開することに致しました。ぜひご一読ください。
公開ページ:「ちくりん舎ニュース」
フクロウ・FoEチャンネルで「たまあじさいの会」の活動紹介をしました。
「放射能による二次汚染を問う―エコセメント工場運転差し止め裁判」
http://www.youtube.com/watch?v=QzNpCiy8iGw
「たまあじさいの会」はフクロウの会とともにちくりん舎を運営する重要なパートナーです。
今回は「たまあじさいの会」のエコセメント工場運転差し止め裁判と、ちくりん舎がそれにいかに重要な役割を果たしたか、「たまあじさいの会」の中西四七男さんにお話を聞きます。
ちくりん舎でコイや溜池の底泥の測定を行いました。鈴木譲氏(元東京大学水産実験所)が報告をされます。ふるってご参加ください。
飯館村酪農家・長谷川健一写真展「飯館村」も併催されます。
日時:2014年5月10日(土)13:00~18:00
場所:國學院大學渋谷キャンパス 常盤松ホール
〒150-8440 東京都渋谷区東4-10-28 学術メディアセンター内
参加費:無料
チラシはこちらから:tokyo2014_flyer
フクロウの会の最新記事をお知らせ(転載)します。
【FFチャンネル】放射線被ばく管理「場の線量から人の線量へ」論の問題点
3月13日、フクロウFoEチャンネルで「場の線量から人の線量へ」論の問題点について解説しました。
政府は「除染から帰還へ」と方向転換し、避難指定地域の解除、早期帰還をすすめようとしています。その論拠となっているのが「場の線量から人の線量へ」論です。この論拠を批判したものです。是非ご覧ください。
アーカイブはこちらから
パワーポイント資料はこちらから(ファイルを分割しています)「banosenryou_hihan-01.pdf」をダウンロード
「banosenryou_hihan-02.pdf」をダウンロード
「banosenryou_hihan-03.pdf」をダウンロード
「banosenryou_hihan-04.pdf」をダウンロード
お知らせ:第2回目の「原発事故被災地子ども支援WEEK」を、3月11日~21日までおこないます。
(主催:チャイるのネット(放射能汚染から子どもを守るあきる野ネットワーク))
・第1回目の子ども支援WEEKで集まった寄付金161,702円は、福島県伊達市の幼稚園の
お子さんの検査に使われることになりました。
・第1回目のお知らせ記事:あなたの買い物や食事が被災地の子どもたちの支援に!
フクロウの会で継続している子どもたちの尿検査やそれを通して見えてきた内部被ばくをめぐる問題についてまとめたものです。
http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2014/02/-vol4-a354.html
前編に引き続き、新たに検査した約90件近くの尿検査データに加え、継続調査しているハウスダスト分析の他、今回あらたに衣類の汚染状況やその評価なども含んでいます。また福島県健康管理調査の問題点や課題、「除染から帰還」の動きが進む中で、福島周辺の汚染状況の実態をどうとらえれば良いかなど関連の報告を含んでいます。
シリーズ - 子どもたちの尿検査から見えて来たもの Vol.4 低線量被ばくによる健康被害を防ぐために 予防原則にたった健康管理体制の充実を 2014年1月31日発行 福島老朽原発を考える会(フクロウの会)発行 A4版 全39ぺージ カンパ500円
※入手ご希望の方には1部500円+送料実費でお送りします。
パンフレット(第4編)希望と書いて、冊数、送付先(郵便番号、住所)、氏名をこちらまでメールして下さい。代金は振り込み用紙を同封しますので受け取り後振り込んで下さい。
私たちの尿検査の目的、続けるなかで新たに判明したことなどの全体像を理解するうえでは初編(2011年11月発行)、続編(2012年4月)、第3編(2013年1月)を合わせてお読みいただくことを薦めます。ご希望の方はそれぞれ「続編」「初編」「第3編」と書いて同様に申し込んで下さい。
********** 「はじめに」より抜粋 ***********
一連のパンフレットを見ていただければ判るように、これらのパンフレットは測定結果やデータを並べたものではありません。私達が行ってきたさまざまな測定活動は、人々、特に子どもたちの被ばくを最少化するための取り組みの一環です。測ることは実態を知るための手段です。被ばくを最少化し健康被害を予防するための手段なのです。このパンフレットは被ばく被害を最少化するための私達の活動報告となっています。
・・・
政府、行政の施策を監視するために、住民の被ばく最少化の視点で市民自らが測定をすること、測定することで生まれた疑問に応えるために調査し研究すること、調査研究をもとに政府や行政に要請や交渉を行うこと、これらは政府や行政が目先の経済的利益や利権のための施策ではなく住民の健康被害防止のための施策をとらせるための、私達の活動の重要なサイクルとなっています。 このパンフレットが福島原発事故による健康被害を最少化し将来の健康被害を最少化する一助になること、そして再びこうした深刻な事故を引き起こさせないため、すべての原発を廃炉にする取り組みの一助になることを願っています。
================ 目 次 =============== はじめに 第1章 福島県「県民健康管理調査」の現状と課題 第2章 「特定避難勧奨地点指定」を外された伊達市の実態 コラム「衣服の汚染状況を調査する」 第3章 吸入による内部被ばくに注意-各地のハウスダスト汚染の実態 第4章 長期にわたる放射能汚染と向き合うために-尿検査の重要性
資料-1 注目に値する津田敏秀岡山大学教授の警告 資料-2 各地のハウスダスト測定結果 資料-3 衣服の汚染による外部被ばく線量の推計 資料―4 尿検査結果一覧表(2013年1月~12月)
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■初編 「福島の子どもたちの尿検査から見えてきたもの」(2011年11月発行)の紹介ページはこちら
■続編 「続・子どもたちの尿検査から見えてきたもの」(2012年4月発行)の紹介ページはこちら
■第3編「シリーズ-子どもたちの尿検査から見えて来たものVol.3」(2013年1月発行)の紹介ページはこちら
お知らせ:原発事故被災地子ども支援WEEKで「あなたの買い物や食事が被災地の子どもたちの支援に!」活動を行います。 (主催:チャイるのネット(放射能汚染から子どもを守るあきる野ネットワーク))
★期間中に「協力店」へ行って、お買い物やお食事をすれば、その売り上げの一部がこのプロジェクトに寄付されます。また、お店には募金箱も置いてあります。
同じ日本でありながら、子どもたちの住む場所によって、放射線量が5倍、10倍と大きく異なります。
「少しぐらいの被ばくは大丈夫」と言われ、十分な健康調査もおこなわれていないため、不安を抱えながら暮らしている子どもたちがたくさんいます。
詳しい検査をすれば、内部被ばくの実態が分かり、これからの健康管理や暮らしについて、考えることができます。*
そのための検査費用を、少しでも支援したい……そんな思いで、このプロジェクトを始めました。そして、たくさんのお店が「協力店」として、名乗りをあげて下さいました。**
*尿に含まれる放射性セシウムの量をゲルマニウム半導体検査機で測定します。福島県民健康調査では、甲状腺エコーとホールボディカウンターだけで、詳しい内部被ばくの実態がわかりません。測定は、「NPO法人市民放射能監視センター(ちくりん舎)」http://chikurin.org/でおこないます。検査費用は、一人につき、1~2万円かかります。
**期間中の売り上げの1%が検査費用として寄付されます。
★少しでも多くの子どもたちが検査を受けられるように、みなさんの温かいご支援をお願いします。
子ども支援WEEK協力店(売上寄付+募金箱設置 協力店)
店名 |
ジャンル |
電話番号 |
所在地 |
HP.ブログ |
ラ・フーガス |
パン屋 |
042-569-6369 |
あきる野市草花3492-183 |
有 |
すず |
パン屋 |
042-559-1516 |
あきる野市二宮1156-19 |
|
たつみ |
茶房 |
042-559-1617 |
あきる野市二宮東3-3-44 |
有 |
楓(ふう) |
カフェ |
042-558-8936 |
あきる野市牛沼111 |
|
シルク |
クリーニング屋 |
042-558-4346 |
あきる野市秋川5-11-5 |
有 |
木を植えるレストラン・オーロラ |
カフェ |
042-539-4139 |
福生市福生二宮2477 |
有 |
Boot(ブート) |
自然食品店 |
042-555-4440 |
羽村市五ノ神4-2-21 |
有 |
のんびりカフェ 水車小屋 |
カフェ |
042-555-9514 |
羽村市羽中4-17-6 |
(FB) |
繭蔵(まゆぐら) |
カフェ |
0428-21-7291 |
青梅市西分町3-127 |
有 |
グルースゴット |
パン屋 |
0428-23-7838 |
青梅市師岡町4-7-40 |
有 |
オシドリ良品店 |
クラフト |
0428-74-9158 |
青梅市成木8-33-2古書ワルツ内 |
有 |
きりん館 |
カフェ、木工品 |
042-597-6256 |
日の出町大久野大久野1157 |
|
De La Frontera |
美容院 |
042-635-1822 |
八王子市北野台1-12-5 |
|
るあん |
豆腐屋、カフェ |
0739-79-0637 |
和歌山県龍神村小又川259 |
(募金箱設置 協力店)
店名 |
ジャンル |
電話番号 |
所在地 |
HP.ブログ |
おりーぶ |
カフェ |
042-569-7420 |
あきる野市草花3417-10 |
有 |
(株)近藤醸造 キッコーゴ醤油 |
醤油醸造店 |
042-595-1212 |
あきる野市山田733-1 |
有 |
香(シャン) |
ラーメン店 |
042-532-3595 |
あきる野市草花1488 |
|
中島屋 ルピア店 |
和菓子屋 |
042-550-4577 |
あきる野市秋川1-8 ルピア1F |
|
アジア堂 |
カフェ&アジア雑貨 |
042-550-7877 |
あきる野市秋川1-8 ルピア1F |
有 |
リーフレット |
花屋 |
042-550-0756 |
あきる野市秋川1-8 ルピア1F |
有 |
山猫堂 |
文具店 |
042-550-4588 |
あきる野市秋川1-8 ルピア2F |
有 |
(2013年12月1日現在)
★協力店を募集中です。詳しくは下記連絡先までお問い合わせください
★最新情報はチャイるのネットのブログをご覧ください。 http://chirunonet.blog.fc2.com/
主催 チャイるのネット(放射能汚染から子どもを守るあきる野ネットワーク)子ども支援WEEKチーム
問合先メール:akirunokodomo@yahoo.co.jp
TEL&FAX:042-559-6941 または、090-9386-1275 (辻まで)
セント・ローレンス大学名誉教授ポール・コネット氏による講演を開催いたします。
略歴:ローレンス大学環境化学名誉教授。
「ゼロ・ウェイスト・ソリューション:捨てな い地球一つの共同体」の主著者。
ケンブリッジ大学卒、化学で博士号取得。23 年間、セント・ローレンス大学
で環境化学、 毒性化学の研究を進め、2006 年退職した。
こ の間、49 のアメリカの大学と 50 ヶ国から招聘 を受け、ごみ問題につい
て、2000 回におよぶ 講演を行った。
焼却から抜けられない日本のごみ政策
日本では、1400 基もの焼却炉 が、年間 5000 万トンという大量 の家庭ごみを燃やし、焼却灰が埋 め立てられています。そのため に、私たちは,年間 2 兆円もの負 担を強いられているのです!
多摩地域では,400 万人のごみが 燃やされ、その焼却灰は「日の出 町の最終処分場」に運ばれ、再資 源化の名の下、エコセメントの原 材料になっています。こうして埋 め立て場の延命化が図られていま すが、この施設は「日の出町周 辺」の新たな汚染源になっていま す。15 年前、ポールさんは、青梅 市での講演で、環境に配慮しない 多摩地域のごみ処理について、き びしく批判されました。
他方、世界の自治体は,ごみの 削減と資源化に本腰を入れていま す。人口 80 万人のサンフランシス コ市は、2009 年にゼロ・ウェイス ト(ごみゼロ)宣言を発し、ごみ リサイクル 80%を達成していま す。また人口 800 万人のニューヨ ーク市では、2070 年までに、生ご みの堆肥化を中心として,リサイ クル率 70%の目標を掲げました。 同様に,欧州、南アメリカの多く の都市もごみの循環を目標にして おり、アフリカのルワンダは、空 港からの入国時、ごみになるポリ 袋は全て没収するなど徹底してご みゼロに頑張っています。またお 隣の韓国も、首都ソウルをはじ め、多くの都市で、生ごみ 100% 堆肥化を実現しつつあります。
このように、世界の国々が、 次々にごみゼロを目指した活動を 展開しているのですが、残念なが ら、日本では、国の方針で「ごみ は焼やせばよい」という産業界と 官僚が癒着した旧態然とした構造 から脱皮することができません。
世界のゼロ・ウェイスト(ごみ ゼロ)運動推進の第一人者、ポー ル・コネットさんのお話は、日本 のごみ政策を今一度考え、改革す る上で、多くのヒントをあたえて くれるでしょう。
以下、たまあじさいの会、ちくりん舎からの案内です。(pdf:ここをクリックしてください)
2011年3月の東京電力福島第1原子力発電所の爆発により放出された放射能汚染物質の影響は関東一円にも及び、三多摩各地のごみ焼却灰も放射能で汚染されました。
放射性核種が河川生態系、さらには東京湾沿岸生態系に取り込まれて一定の生物濃縮などのメカニズムを経て、その一部はやがて私たちの体に戻ってきます。半減期を考慮すれば、私たちは、今後100年間はその挙動を監視しなければならないでしょう。
こうした観点から、今回は多摩川流域における放射性セシウムの動態の一部を把握するために、多摩川の底質および氾濫原沈殿泥の放射性セシウム存在量、また生物等に及ぼす影響を計画的に調査・監視することで、汚染の実態を把握し、安全な多摩川を後世に残すべく努力するために、多摩川の流域調査計画を立ち上げることになりました。
今後、調査は対象となる多摩川流域の市民参加によって継続的に進め、研究者や専門家の助言や指導を受けながら取り組む計画です。調査結果は1年ごとに検証し、報告書として発表し、関連地域・機関に広報することを目指します。
調査を始めるにあたり今回、環境調査の専門家である大沼淳一氏をお招きして「調査場所の見つけ方」、「土壌の採取の仕方」などの調査の基本を学ぶ市民参加のワークショップを開くことにしました。 多摩川流域の放射性セシウム動態調査に関心興味のある方はぜひご参加ください。
「多摩川の水と底質調査ネットワーク」準備チーム
ちょうふ市民放射能測定室 担当 藤川 泰志
たまあじさいの会 担当 森本 弘文
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【日時】2013年 12月 1日 (日曜日) 10:00~15:00
【場所】多摩川水道橋の堰付近の河川 (最寄:小田急線「和泉多摩川」駅)
【集合】小田急線「和泉多摩川」駅改札 10:00
【企画】「多摩川の水と底質調査ネットワーク」準備チーム
(たまあじさいの会、ちょうふ市民放射能測定室、ちくりん舎、他)
【講師】大沼淳一氏
【内容】●土壌(検体)の採取場所の選び方。採取方法
●調査の基礎知識、準備、装備などについて
●分析と分析結果に関する基礎知識
●採取の実習
※ 注意:申込み者以外の当日参加者も考えられるため、団体保険は掛けられません。 事故等のないように参加者各自十分ご注意下さい。
【予定】10:00 集合(小田急線「和泉多摩川」駅改札)
10:30 ~ 座学(狛江市の和泉多摩川地区センター)
12:00 ~ 昼食(各自ご持参ください)
13:00 ~ *多摩川河川へ移動。直線距離で200メートルくらいです。
13:30 ~ 実習(多摩川)
15:00 現地解散
16:00 ~ 17:30 情報交換会(自由参加。駅周辺のお店)
【装備】動きやすい服装
【参加費】無料
*解散後「情報交換会」へご出席の方は各自飲食費のご負担をお願いします。
【参加申込/問合せ】
●ちょうふ市民放射能測定室(藤川)
misatoya@jca.apc.org 電話 090-6111-6450
●たまあじさいの会(森本)
hilojpn@hotmail.com 電話 090-1419-1902
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遅くなりましたが、2013年9月22日、青梅市福祉センターで行われました島薗進先生(上智大学教授・グリーフケア研究所所長)の講演録(要旨)を掲載いたします。
PDF資料:ここをクリックしてください
「いのちを切り捨てる科学からいのちを守る科学へ」
(主催者から島薗先生の紹介)
島薗先生は医学部のご出身であるが、宗教学、生命倫理、死生学の研究者である。そして現在の医学と医療の問題についても発言されている。特に3.11以降は低線量被爆の影響について、専門家の情報が偏ったものであることを鋭く批判されている。ご著書『つくられた放射線「安全」論』に詳しい
(講演要旨)
医療と宗教の関係をテーマに『科学』を見ると、1996年クローン羊、再生医療(山中教授)などは本当に人を助けるための医学であろうか?(金儲けになることは間違いないとしても)本当に人の福祉のためだろうか、との問題意識を抱くに至った。 それに『科学』の今日的問題に福島原発災害、生命科学、医学が繋がって見えてくる。
3.11直後の『直ちに影響はない!』とのキャンペーンにたいへん驚く。調べたらいろいろ見えてくる。被災された方々は何処に確かな情報があるのか判らなくて、悩んできた。 本来科学は信頼すべきものだが、科学が信頼できなくなって来た現状(大学の1980年台以降外部資金の問題に原因のひとつであると浮かび上がって来る。)
チェルノブイリ事故前後から日本では、LNT批判(低線量は安全であるとのキャンペーン)の強力な運動があり、その方向の研究が進んできていた。福島の事故に対しては理解できない、根拠に乏しい『安全論』が蔓延してきた。御用学者たちによって『科学』が『政治』によってゆらぐ、事実を歪める動き、理解しがたい動きがある。
欧州は原発批判が強く、原発推進派は困難に直面している。かたや日本は(政府の)お金を使って原発批判を封じ込めてきている。それは腐敗となって現れる。
日本の科学者の団体である『日本学術会議』の行動の迷走。三つの対策委員会をつくったものの、その一つである『放射線の健康への影響と防護分科会』の活動はオカシイ。学校再開の基準値20mSを決めるに当たって、如何に不当で、科学的ではない決定が行われたか。小佐古敏荘内閣官房参与の涙の辞任記者会見の記憶もあたらしい。同分科会の活動や原子力安全委員会、保安委員会の活動には問題がある。その特徴はたとえ委員長が決まっていなくても、活動をしているムラ社会である。つまりメンバーが相談しないでも仲間同士だから意思が一致する、『初めから結論ありき』なのである。『放射線を正しく恐れる』とのお題目は、つまり『低線量は危なくない』、ホルミシス論の低線量は却って体に良いなどと、そのような講演会をしている。その趣旨たるや、そもそも認識がおかしい。これは市民に正しい情報提供活動を怠る、科学者を代表する団体である日本学術会議としてあるまじき行動である。到底信頼を寄せることは出来なくなる。
ここでの『正しい情報』というのは市民の漠然とした不安を解消することが目的で、方便とさへ言える。これは社会欠如モデル(専門知識ある人が知識のない人、欠如している市民を教えて導くとする)を前提にしたものであり、双方向的コミュニケーションを否定している。つまり、ここでは判りやすく説明していない。多様な意見を認めてない。議論していない。まさしく科学的な態度ではないのである。
首相官邸原子力専門家グループ(8名)が結成され、被災者の非難、受入れの安全確保、長期的な医療、健康管理などに関して首相官邸に助言を行うことになった。さらに放射能対策分科会、原子力規制委員会(ムラから出た分科会)などは開かれた場として、市民の立場に立った放射線の問題について多様な意見を尽くすべきである。同時に科学技術はどのような利害関係で行われてきたかを明確にした上で、しっかり見ておく必要がある。
国連科学委員会、UNSCEAR(アンスケアー)は1950年代に大気圏核実験が頻繁に行われ、第五福竜丸の事件や、アイゼンハワー核の平和利用がなされた頃に、国際放射線防護委員会(ICRP)の組織とは対立する契機で生まれたが、両者とも本質的には『原子力の平和利用』を図る目的のものである。科学委員会という名ではあるが、COST BENEFIT, RISK BENEFIT つまり、費用とリスクによる利益を考え合わせた、政治的なかけひきがなされた上のものである。遺伝学者の警告があっても、それを排除した。被爆の歴史や放射線の健康影響を過小評価して、原発推進のための政治利用なのである。よって日本の代表も核実験の即時停止に反対していない。
放医研(放射線医学総合研究所)-科学技術省の管轄であるが、60年代、70年代までは必ずしも、やみくもには原発推進の立場ではなかった。しかしチェルノブイリ事故頃から国連科学委員会報告案にても放射線被曝の健康への影響に、直接の因果関係はないかのように変わり始めた。それに対しては当事者であるウクライナやベラルーシから大きな抗議がなされたくらいである。『安心するのは早計』であると中日新聞には批判記事が出ている。
福島の事故でも、国連機関のUNSCEARにて福島楽観論の暫定報告書が用意された。 この論旨は、原発事故で最も重要な健康影響は精神的、誰も証明したものではないとし、 1991年のIAEAの国際チェルノブイリ・プロジェクトが700人の被災者について 健康影響ない、不安、心配こそが問題だとした報告書である。これに対してもウクライナ・ベラルーシからは地元のデータが使われていないと不満が出た。これは、学術報告ではなく、政治的報告であると言える。
これらの一連の動き、傾向は、『調査する前から信念あり』の前提に立っていることである。これは宗教関係の研究で、ある考え方がどのようにして広がってくるかのテーマとも共通している。原発関連死や生活環境悪化の原因を、被災者に責任を負わせる、政治的ドグマとして力を持って来ている。
これらの運動を推進する、首相官邸HPや日本学術会議あるいは国連科学委員会の報告は 同じ信念を持った親しい仲間達により、科学的情報・文書は都合よく解釈、利用されていて、政治的意図を持たされたもの以外の何者でもない。そこでは多様な意見、開かれた討議はなされていない。チェルノブイリ以降に世界と日本の専門家が、ある意図を基に互いに利用しあう、密接な関係歴史的経緯を見る必要がある。
科学が、外部資金に依存することにより、そのコストに見合う、科学的成果を求める、科学者の精神の『貧困』が根底にあるのであろう。それは原発推進者は『健康影響は低いほうがよい。恐れることは無駄な費用』とするように、原発推進者は政治的力を持って来ている。基本的には日本では公開されていない。(情報公開によって可能なものもあるが)
日本では世界の科学的権威を利用して、原発推進者の既定方針がさらに加速する。国際的、政治的組織、いわゆる原子力ムラに科学者がかなり巻き込まれている。政治家、官僚は影響受けて、福祉のコスト掛けたくないというモチベーションに合致する。被災者にとっては何とも理不尽なこと。ひとつひとう事実と認識を科学者の行動の歴史をたどる科学をめぐる意思決定のあり方が適切であったかどうかを検証して行かねばならない。
それには市民の測定活動、市民科学は大きな意義と意味を持つ。 昔、ビキニの頃は、科学者と市民は近かった。それが近年は、大きな組織のための利益 が求められる、それに絡め取られる時代になっているのである。原子力市民委員会は、総合的に政府に対して脱原子力政策大綱を作成中。福島原発事故部会で提言して行きたい。
多様な意見、違った立場を尊重する。話し合って、決定する。科学と社会のあり方、楽観できない。科学が次第に大きな利益のために、ひとりひとりの人間のあり方を軽んじてきている。それは巧妙に国連権威を翳してくる。安心のために、『良心』を持った科学者は、どうしたらよいのだろうか。 (文責:古澤)