[緑病院訪問と懇談会]
2日目は緑病院を訪問しました。緑病院には「緑病院労働環境健康研究所」が併設されており、研究所が今回の監視センターの構成委員になっています。ゲルマニウム半導体測定器はこの研究所に設置されており、監視センターの重要な拠点となっています。 ソウル市外の下町の雰囲気の中にある400床も抱えた大きな病院です。
労働環境健康研究所での懇談会(向こう側右から2人目が所長のイム・サンユック氏、手前が研究員のイム・ユング氏。
労働環境研究所長イム・サンユック氏の緑病院設立経緯の話から始ました。1987年独裁政権が倒れ民主化運動が高揚したが、同時に労働者の健康問題が発生しました。
88年7月に15歳の労働者が水銀中毒でなくなった。昼間働き、夜間学校へ通う生活だったが入社1カ月で死亡しました。この死をめぐって大きな闘いが起こったそうです。 そのすぐ後に、ウオンジン・レーヨン(日本で言えばユニチカや東洋レーヨンのような会社)でニ硫化炭素で100名が死亡し1000名が発症する事故が起こりました。労働者の闘いが高揚して(日本からも支援があったらしい)勝利し政府から賠償を勝ち取りその基金で「緑の病院」を作ったのです。99年にクリ市(ウオンジンレーヨンがあった市)に病院ができ、その後2003年にソウル市内の現在の場所に移って来ました。
緑病院労働環境研究所の体制は18名の研究員、医者3人(専門医)。化学物質調査3名、分析3名、筋骨格障害研究3名、教育センター4名です。 研究事業や社会問題のサポートを行っているそうです。研究は多岐に渡り、爆発事故等多いとのこと。 イム・ユング先生が放射能分析を担当する。放射能分析で日本からサポートを期待したいとのお話。
ちくりん舎の準備状況、ACROとの関係、ACROでのトレーニングで学んだことなどの紹介。分析装置の取り扱いそのものよりも、サンプルの処理・前準備、コンタミ防止などの作業管理が大事であることを話しました。
測定サンプル手順の話や研究者とオペレーターの関係、役割り分担、測定作業票の話、 国家標準の話、クロスチェックの話など実務的な突っ込んだ懇談になりました。
今回のシンポジウム参加や、懇談会で今後のお互いの交流の基礎ができたように思います。今後も継続して連携、交流をしてゆきたいと考えています。
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