台湾訪問記(その5)

2日目午後)2日目午後は台湾核能研究所(INSR)を訪問した。
ネットで調べるとINSRは台湾の原子力開発の唯一の国立機関らしい。
日本で言えばJAEAにあたるところか。

ここの食品中の放射能検査をしている部門と放射性廃棄物の焼却炉
を見学した。

食品の放射能検査は3日目に訪問する放射線モニタリングセンター(RMC)
が主に検査を行っているが、その一部を抜き打ち検査している。
ゲルマニウム半導体測定器が4台ならんでいた。検出限界は飲料水が
5Bq/kg、その他が10Bq/kgでった。ちくりん舎や生協などが行っている
食品検査のレベル(0.5~1bq/kg程度)から比べると、まったく不十分。

焼却炉施設も見学した。低レベル放射性廃棄物の焼却炉でバグフィルター
とHEPAフィルターを設置していた。放射性物質として扱わないリサイクル
基準を質問したところ100Bq/kgということで日本と同等であった。

案内や質疑に答えてくれた職員はオープンで親切で好印象ではあった。
日本のJAEAへ行ったらこんな対応をするかどうかはなはだ疑問。
‥それ以前に、日本では一般市民に見学をさせないのではないか。

好印象だったので、調子に乗って意地悪く「日本では避難指定が
20ミリSv/年間で、20ミリSv/年間を下回ったら賠償が打ち切られ、
住民は帰還しなければならない。この実情に対してどう思うか」
と質問してみた。

すると、それまで和気あいあいとしていた先方が、突然答えが
なくなり、内輪でざわさわと話をしだして、明確な回答が無く
なった。後でどんな話をしていたのか通訳に聞くと「私たちの職場
での避難基準は年間50ミリSvだけど・・うんぬん」という
ようなことを話していたらしい。

しかし一般住民に対してどうかということは・・素直な反応は
やはり立場上できなかったということかもしれない。
そりゃそうだろうな。でもホンネで言ってほしかった。(続く)

 

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