4月14日に長野県東御市で木質バイオマス発電の問題点について講演をしてきました。東御市は長野県上田市と小諸市の間にあります。この東御市羽毛山(はけやま)に清水建設の100%出資の子会社信州ウッドパワーが木質バイオマス発電所の建設が昨年12月より始まっています。
東御市の住民はこの計画をほとんど知らされておらず、昨年の12月1日の新聞報道で初めて知ったそうです。地元のお母さん方がこの計画を知り、放射能汚染木材が燃料として使われるのではないかとの懸念から、「木質バイオマス発電を学ぶ会」を立ち上げ、今回の学習会を企画したものです。
講演に先立ち、信州ウッドパワーの建設予定地を案内してもらいました。
現場は東御市の南側を流れる千曲川沿いの小高い丘の上の工業団地の一角です。千曲川を挟んで北側に東御市の中心部が広がります。川を挟んで400メートルくらいのところには幼稚園があります。その先にかなり密集した住宅街が広がります。建設中の木質バイオマス発電所は1990kWと主流の5000~7000kWクラスと比較すると小規模ですが、このように住宅地に近くの小高い丘の上に作られるとなれば、住民の方が懸念されるのは当然です。
午後、現場から1.2kmくらいのところにある中央公民館で講演会が行われました。周辺地域の住民の方が約60名ほど参加されました。
私のほうから「木質バイオマス発電について考える」と題して約1時間30分お話しました。住宅地域のすぐそばにできることからか、とても熱心に聞いていただきその危機感がひしひしと伝わってきました。
当日のプレゼン資料が必要な方はちくりん舎までご連絡ください。お送りいたします。
講演後の質疑・意見交換では、毎日100*トンものチップを間伐材などで集めるのは無理だ、放射能汚染木材が使われるのではないかという懸念や、毎日300トン以上いになる地下水のくみ上げによる水位低下など環境への不安が多く出されました。また市の役人や市長、市議会議員も何も知らない中で進めている、というような計画の進め方への不満も多く出されました。
*記載ミスがありましたので訂正しました(2019.4.19)
すでに住民の方が情報開示請求で燃料調達計画を入手していましたが、黒塗り状態です。燃料調達の問題、地下水低下の問題は長野県飯山市でも同じように問題になりました。講演会に参加された皆さんは今回の講演会を出発点として、信州ウッドパワーの計画が住民や環境に対して悪影響を出させないようにするための取り組みを立ち上げてゆくことになり、さっそく次回の会議の日程を決めるなど活発に動き出しています。
今後、長野県飯山市で木質バイオマス発電計画を中止させた方たちとの連携も早速始まりました。ちくりん舎としても地元の皆さんの支援をしてゆきたいと考えています。
convert this post to pdf.