田村バイオマス訴訟―第5回法廷が開かれました

8月18日、福島地方裁判所で田村バイオマス訴訟第5回法廷が開かれました。今回の法廷では原告の一人である吉川ヨウ子さんから意見陳述が行われました。

思いはただ一つ「子どもたちを放射能から守る」- 吉川さんの意見陳述

吉川さんは冒頭、田村バイオマスに反対するただ一つの理由が「子どもたちを放射能から守ること」にあることを明確に述べました。

その上で、田村バイオマスの問題点について
①本田仁一市長の説明がコロコロ変わり信頼を無くしたこと。
②今回のバイオマス計画が放射能再拡散の確信犯であること。
③行政の手続きが隠ぺい主義で非民主的であること。

の3点についてこれまでの経緯を含めて裁判所に訴えるものでした。吉川さんは陳述の最後に、反対署名運動で署名集めをしていたときの大変さと、その中でも多くの市民からの期待で地元大越町の有権者の過半数を集めぬいたことについて、実感のこもった陳述をされました。裁判官3名もしっかりと聞いていいたと思います。

吉川さんの陳述書をダウンロード

HEPAフィルタ問題への反論を引き延ばす被告側弁護士

今回の裁判では原告側から、燃料木材への放射能の付着と検査の問題点、バグフィルタが放射能を完全に捕捉できないことを丁寧に説明した準備書面が提出されました。

その後、裁判長は「今回の準備書面で、原告側の主張がそろった。燃料木材の問題とバグフィルタの問題、HEPAフィルタの問題の3点がある。被告側は次回、これら3点について反論を準備できますか」との発言がありました。

被告側弁護人はそれに対して、「前者2つは次回までに準備できる。HEPAフィルタについての反論は次々回にして欲しい」と発言して、裁判長もこれを了解しました。

これは、私たち原告にとって驚きの発言でした。というのも、私たち原告側のHEPAフィルタの問題点についての主張は既に、前回(第4回、6月2日)に提出済みです。本来なら2か月後の今回、反論の書面が出てきてもおかしくありません。それが今回は全く出されず、次回もできない、次々回に提出するというのです。原告側が提出してから、おおよそ6か月もかかるというのです。

田村バイオマスのHEPAフィルタは虚偽のもの―反論に苦慮する被告側弁護団

報告集会でこの点が話題になりました。おそらく、被告側は「HEPAフィルタが虚偽である」とする、前回までの原告側の主張への反論に大変苦慮していると想定できます。反論の引き延ばしを図って、田村バイオマスの稼働を既成事実化して、あらたな局面展開を模索しているのかもしれません。

報告集会でちくりん舎の青木がこれまでの裁判での論争の経緯と今回の準備書面の概要を説明しました。その後、坂本弁護士から、今回の準備書面内容について詳しく説明がありました。資料は以下からダウンロードできます。

第5回法廷:田村バイオマス訴訟の経緯と新たな展開(ウエブアップ用)

青木の説明でも明らかなように、これまでの法廷論争で、被告側は「オウンゴール」ともいうべき失敗をしています。それは、田村バイオマスに設置されるHEPAフィルタは、「JIS Z 8122による」と文書で説明したのです。ところがこのJIS Z 8122はクリーンルーム用の規定であり、また放射能対策用ではない、とはっきり明記されています。このことは、本田仁一市長が説明した、「市民の放射能への不安に対して国内最高レベルの安全対策をする」という説明と真っ向から矛盾します。要するに、被告側弁護団は原告の具体的な追及をかわそうとして、田村バイオマスが設置するHEPAフィルタが「放射能用でもなければ、排ガス用でもない」ということを自ら主張してしまったのです。

報告集会でこれまでの論争の経緯を説明

説明中のちくりん舎青木副理事長

次回法廷は10月27日(火)13時30分からと決まりました。

引き続きご支援をよろしくお願いします。

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