12月2日大崎市放射能廃棄物焼却差し止め訴訟第10回期日が開かれました

12月2日、仙台高裁で開かれた大崎市放射能汚染廃棄物焼却差し止め訴訟(住民訴訟)第10回期日に急きょ傍聴参加してきました。

本訴訟では焼却による排ガスのセシウムが「不検出」のため問題ないとする被告側と、「不検出」はゼロということではなく内部被ばくの危険性があり住民の平穏生活権を脅かすとする原告側の主張が争点となっています。原告側はちくりん舎が行った試験焼却時のリネン吸着法による監視結果や県内各地のモニタリングポストの値が横ばいであること、焼却炉周辺土壌汚染の調査結果など様々な証拠資料を提出して、対象となる玉造クリーンセンターからの放射能粉じん漏れを立証してきました。

このような過程のなかで、裁判所としても環境省の定めた排ガス調査方法(公定法)にこだわらず、原告らの提案するやり方で焼却炉排ガス中のセシウム測定をしてみてはどうかと提案するにいたりました。

当日の法廷で被告側は焼却炉敷地内にリネンを設置する(煙突直下のため低い値となる)という姑息な提案をしてきました。原告は3つの測定方法を提案しています。①リネン布を煙突直上あるいは煙突内に設置して測定、②コールドトラップ法により排ガス中の微小粉塵を収集して測定する、③公定法の検出下限を下げて測定するというものです。

裁判所からの提案は公定法の延長である③をやってみてはどうかとの発言がありましたが、原告弁護団はそれぞれの方式に一長一短がある、調査時のトラブルなどの可能性もあり3つの方式を進めることを提案しました。説明に立った宇部弁護士の「三人寄れば文殊の知恵という言葉もある、裁判官の皆さんも三人ではないか」との説明は分かり易く説得力があり傍聴席からもどよめきがおこりました。

次回、進行協議で専門家・技術者を交えた具体的な方法についての検討をすること、その後、3月10日の法廷で内部被ばくの問題と進行協議の結果も踏まえた焼却炉現地での調査方法についての審議が行われることが決まりました。

法廷後、原告団、支援者、弁護団は近くの戦災復興記念館において報告集会を開き裁判詳細についての確認や今後の進め方などを確認しました。

※写真はいずれも日野正美さんによるものです。

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