1月25日13時10分から田村バイオマス訴訟の判決言い渡しがあった(小川理佳裁判長)。
田村バイオマス訴訟の中心の争点は、本田仁一前田村市長が「住民の放射能不安が強いので、バグフィルタの後段に高性能HEPAフィルタを設置し更に安全性を高める」として設置した、HEPAフィルタがその本来の機能を果たさないものであり、議会と住民を騙して補助金を支出したのは詐欺または過誤によるものであるから、田村市長はその補助金支出を取り消し、田村バイオマスに返還請求をせよ、というものである。
裁判の過程で、原告側は田村バイオマスが設置したHEPAフィルタがその本来の機能を果たさないという根拠としてJIS Z 4812「放射性エアロゾル排気用高性能フィルタ」にのっとっていないことこを具体的に主張した。被告はなんと答弁したか・・田村BEのHEPAフィルタはJIS Z 8122に基づくと答弁したのである。しかし、この8122は排ガス用ではなく、クリーンルーム用のHEPAフィルタの規格である。おまけに適用範囲には「放射能の問題は含まない」と但し書きまで書いてある。
当然、我々原告側は、この点を反論した。「被告側は排ガス用でもなく、放射能用でもないHEPAフィルタを住民の放射能不安対策に用いた」と。これに対して被告側の再反論はなんであったか。「原告は本件木質バイオマス発電を原発と同様な放射能取り扱い施設と勘違いしている」として、延々と炉基法などを引用して弁明。完全な論点そらしである。
さてそこで本題に戻る、今回の判決はどう書いてあるか。
「そもそもHEPAフィルタは、JISにも規格が設けられた性能を有するエアフィルタであり放射性廃棄物の減容化施設でも用いられているものであり、・・放射性物質を捕捉できないものであるとは認められない。」
おいおい・・被告が「放射能の問題は含まない」というJISを根拠にしているのに、裁判所はそれを超えて「放射性物質を捕捉」できると主張するのか?!
いったいいつから裁判官はJIS規格の適用範囲を自ら変えることができるようになったのか。「放射能対策ではない」「排ガス用でも放射能対策用でもない」HEPAフィルタを、裁判所が勝手に放射能対策の排ガス用として使えると判断できるのか。
これではJIS違反の検査手抜きが大企業で出てくるのも当然だ。驚きの判決文。
非道い裁判官の解釈。それならHEPAでなくとも竹笊でさへも、放射性物質を補足できないことはない。そんな理屈ならば、本当に警察はいらない!となりますね。バイオマス発電所の操業による空間線量、放射性物質の高まりの事実をみんなで観測して突き詰める。やってみましょう