放射能汚染木を燃やす田村バイオマス発電訴訟控訴審で驚きの展開になったことは前回報告しました。しかし・・・驚きの展開は実はそれだけではありませんでした。
控訴審第1回法廷の当日、被告側の補助参加人(裁判の一方の側に利害関係を持つものが補助として参加すること)である田村バイオマスエナジ―(田村BE)が、HEPAフィルタ設備についての見積仕様書を「所持していない」という理由で提出を拒否する意見書を提出していました。
驚愕するような対応です。数千万円かひょっとすると数億円にもなる設備について、発注者である田村BEは、設備建設メーカから見積もり仕様書もとらず、ハイよッと気前よく支払ったのでしょうか。家を建てる時でも、車を買うときでも、(発注者、受注者どちらが作るかはともかく)見積仕様書が無ければ物は発注できませんよね。風呂場はこの場所にこの広さでとか、1300㏄のセダンで色は白、カーナビ付けてとか、いろいろあるでしょう。タケエイと田村BEは、数千万、数億円かかるかもしれない設備を、何の仕様書もなく、請求書だけではいよっ!て払うのでしょうか。随分気前の良いというか杜撰な会社ですね。
そもそも、HEPAフィルタ設備についての見積もり仕様書は、原告側が控訴に当たって事実を明らかにすべく、裁判所に対して「文書提出申立書」として請求していたものです。これを「所持していない」というのであれば、考えられるのは、①田村BEがおそろしく気前の良い会社でありまたHEPAフィルタの性能に関して全く関心がない(どちらも極めて杜撰な経営ともいえる)、②本田仁一市長が「HEPAを付ける」と言っちゃったので、「形だけそれらしいものを付けて」と口約束で頼んだ、の2点が考えられます。
それ以外にも設計図について、「プラントは複雑で設計図も数百ページにおよぶ、該当部分だけ抜き出すことはできない」などと理屈にならない理由で提出を拒否しています。HEPAフィルタはバグフィルタダクトと煙突の間に挟まった形で接続した独立した設備です。設計者は前後の接続部分の情報をもとに、HEPAフィルタの設計図を書きます。前後の情報のことを技術者は「取り合い」という言葉で言います。どうしても設計図を出したくない子供だましの言い訳をしているとしか考えらえません。
はてさて、この田村BEの対応を裁判長はどう受け止めるか。次の期日までに、何か資料を出してくるのか、注目されるところです。
やっぱり、HEPAフィルタはラグビーボールのような奇妙な形のダクトだけで、中はガランドウだとの確信が強まった一件でした。
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