南相馬の野菜栽培農家を訪問-ヒアリングと検体採取

10月20日、南相馬市原町区の野菜栽培農家さん6軒を訪問してヒアリングと検体採取をしてきました。

「新宿御苑への放射能汚染土持ち込みに反対する会」と「放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会」共催で福島の汚染土(除去土壌)中間貯蔵施設やイノベーションコースト構想施設を見学するツアーに参加。ツアー終了後、ちくりん舎からの参加者3名で南相馬へ1泊し、南相馬で放射能汚染を調査している小澤洋一さんの案内で実現したものです。

調査の目的は「高木基金22年度助成成果報告会」での発表で、南相馬住民の方の尿検査アンケートで「野菜自家栽培」と答えた方が、比較的高い値を示す傾向が見られたため、これが野菜摂取によるものか、農作業等によるセシウム粉塵の吸入によるものかを明らかにすることです。結果は、これからの分析を待たなければなりませんが、本報告では、訪問の様子を紹介します。ーー以下、FB記事をもとに若干の追加訂正をしたものですーー

イノベツアーで小高まで行ったので、ちくりん舎の3人と台湾から来たジェイさんは1泊延して南相馬へ。目的は尿検査で比較的高めの傾向を示した自家栽培野菜を食している農家さん6軒の訪問ヒアリングと畑の土、栽培野菜のサンプリング。

 

 

小澤洋一さんが同行してくれました。皆さん気さくに、親切に対応してくれました。こういうことが出来るのも、20ミリ基準撤回裁判で築いた人間関係、信頼感だと思います。汚染された土地で暮らさざるを得ず、眼の前の畑で野菜を作って食べる。尿検査でセシウムが出たからと言って、調べに来られたら、普通は心穏やかではないはず。


でもそれぞれの事情や最近の健康状態、お互いの変わり様(20ミリ裁判提訴から、かれこれ10年、お互いに歳をとりました)も含めて親戚を訪ねたような雰囲気。上がってお茶を飲んでいけとすすめられましたが6軒回るのでそれはさすがにできませんでした。

いろいろ話して吐き出したいこともきっとあったと思うと少し残念。このような関係が築けただけでも20ミリ裁判はムダではなかったと、つくづく思います。

詳細の結果は未だどちらとも断言できませんが、お一人だけ「野菜自家栽培」ではないのに、24時間尿からのセシウム排泄量が高い方がいらっしゃいました。その方は家の前に大きな花壇があり、花の世話で草むしりなど、ほとんど毎日2-3時間庭にいるとのことでした。その大きな庭の向こう側に道路があるのですが、ダンプトラックの往来が田舎道にしては激しいのです。聞いたところ、山に採石場があり、復興工事などで砕石場へ向かうダンプが多いとの話です。ダンプが通れば目に見えない細かい粉塵が舞い上がります。おそらくこれを日常的に吸い込んでいる結果に間違いありません。

やはり現地へ行ってみての調査の重要性を再認識しました。

 

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