日の出の森・支える会の主催による講演会です。
10月13日は都心でも大規模な行動がありますが、こちらへのご参加もぜひご検討ください。

9月22日(日)に第1回ちくりん舎シンポジウムが開催されました。
午前中の見学会には30名以上の方々が参加し、午後のシンポジウムは約100名の参加で盛況なものとなりました。ご参加された皆さまありがとうございました。
青梅駅午前10時半集合ということで参加者が十分集まるのか不安な面がありましたが、ほぼ予定とおりの申し込みがありました。
青梅駅から車でちくりん舎まで移動して見学会が行われました。ちくりん舎の居室は一杯でしたので、2グループに分かれて、測定器や測定作業の実際などについての説明と質疑を行いました。
質疑ではゲルマニウム半導体測定器の検出限界についてや、校正の方法など専門的な質問もでました。
約40分程度の見学の後、一行はちくりん舎の周辺の竹林や豊かな自然を少しだけ楽しんで、車で午後のシンポジウム会場に向かいました。
午後のシンポジウムは、ちくりん舎見学組に加えて、直接シンポジウム会場に訪れた人々を加えて約100名の参加となりました。
浜田理事長のあいさつ、青木副理事長からちくりん舎の設立経緯等についての紹介の後、島薗進氏による「いのちを切り捨てる科学からいのちを守る科学へ」と題した記念講演が行われました。
島薗氏は祖父も父も医者で、東大入学時には医学部を目指していましたが、東大医学部紛争が起こり医学部の体質が問題となるなかで、いろいろ悩み文学部に進み宗教学を学んだことを話されました。
福島原発事故後、学術会議や政府、いわゆる「御用学者」達の見解が偏ったものであり、人々から信頼を失う状況を見て、なぜそのようになるかを網羅的に研究された中身をお話されました。
いわゆる「御用学者」は日本国内だけでなく、国際的にもICRPやIAEA、WHOなどで主要な地位を占めている国際的「御用学者」がいて、それらが非常に親密な関係にあることを話されました。
特に氏が強調されていたのは、90年代頃からの大学の独立法人化により、研究者が自ら研究費を確保しなければならなくなった状況のもとで、研究がカネにより支配される傾向が強まったことを強調されていました。
記念講演の後、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)の青木、たまあじさいの会の中西氏からそれぞれの活動についてのプレゼンがあり、その後、フロアからの質問やプレゼンター、島薗氏からのコメントがあり活発な議論が行われました。
シンポジウム終了後も茶話会が開かれ、日本の独特のゴミの焼却処分の問題点、官製談合で進められるゴミ焼却場建設が原発と同じような構造であること、焼却場建設から地元をどのようにして守るかなど、突っ込んだ話も行われました。
文責:aoki
9月24日(火)にベルギー公共放送VRT-Newsのラジオとインターネットニュースの取材を受けました。取材に来られたのはVeerle de Vos記者です。
記者は中国駐在のようですが、3・11以降は日本取材が増え、今回で3回目だそうです。
ちくりん舎が設立されたいきさつ、ちくりん舎の特徴などを聞かれました。
どんなものを測定しているのか、という質問もあり、福島やホットスポットの土壌、汚染コイの免疫調査の一環で汚染コイの測定、子どもの尿検査などの話をしました。東京周辺や千葉でも土壌汚染があること、静岡県伊東市の子どもの尿からもセシウムが検出されたことなどを話しました。
後半はIOCでの安倍首相の発言をどう思うか、福島原発は安定していると思うかなどの話になりました。
もちろん、「コントロールされている」「ブロックされている」などがウソで実際には大変危機的な状況であることを話しました。こちらの説明を聞くまでもなく十分事情は分かっている様子でした。海外メディアの方がIOCでの安倍発言やオリンピック誘致に大変批判的に見ていることを改めて分かりました。
VRTはベルギー公共放送だそうです。日本でいえばNHKのようなものです。
人々は、事故の危険性をどう感じているのか、オリンピックをどう受け止めているのか、というような質問もありました。大手メディアがオリンピック関連報道一色で危機感を感じていることを話しました。さてさて、どのような報道になるのでしょうか。
インターネットニュース報道したら連絡をくれるそうです。
汚染水の流出が続いています。魚の汚染(生物濃縮)が気になるところです。各自治体が中心となって魚の調査が行われていますが、個別にデータが報告されるだけでまとまった分析になっていません。
探していたところ大変わかりやすいレポートが見つかりました。9月13日に原子力規制庁で開かれた「第1回海洋モニタリングに関する検討会」で水産庁の森田委員が紹介した資料です。
※第1回海洋モニタリングに関する検討会はこちらhttp://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/kaiyou_monitoring/20130913.html
レポートが長いのでエキスを抜粋したものをつくりました。
これをみると福島県でも、それ以外の地域でもメバル、カレイ、ヒラメ、マダラなどは要注意です。中層魚のスズキも要注意です。これは現時点までの調査なのでマグロ、カツオなど大型魚などへの影響は今後も注意してゆく必要があります。
それにしても、なぜ国も水産庁もメディアもこうした貴重な分析を広く公開しないのでしょうか。個々のデータの羅列で「公開した」と言っても意味がありません。こうした分析結果をきちんと国民の目に届くようにすべきです。
水産庁の森田氏のプレゼンは貴重です。是非オリジナルを見てください。
ファイルが大きいのでリンクを貼http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/kaiyou_monitoring/data/0001_12.pdfっておきます。
第1回ちくりん舎シンポジウムを9月22日(日)に下記の要領で開催致します。奮ってご参加ください。
第1回ちくりん舎シンポジウム(案内) (pdfファイル)
フクロウの会とFoEジャヤパン、伊達市の地元のお母さん方が協力して、伊達市内の特に子どもの生活環境の空間線量、土壌分析などを行いました。
その調査結果をアップしましたのでお知らせします。
「測定・分析結果」のページをご覧ください。
会員登録時メールアドレスを記入された方には、新規の投稿およびコメントがアップされた時その案内メールを配信するサービスを追加しました。(配信不要の方はその旨問い合わせページを利用してお知らせください)
測定を申し込まれるときに、気になるのが検出下限値です。時間をかけて測れば測定下限値は下がります。また検体量が多いほど測定下限値は下がります。
これまで多くの方からお問い合わせがありました。今回実績データをもとに、測定下限値と測定時間の目安を作成しました。
測定時間、検体量だけでなく、検体の密度やその他の条件によっても変わりますので、あくまでも目安ということでご利用下さい。
http://chikurin.org/?page_id=15
7月7日にちくりん舎にて、高木仁三郎市民科学基金による「放射能測定活動に関する『研究交流会』」が開催されました。この研究会は北は札幌から西は岡山まで、全国の市民測定所が参加する交流会です。2012年から、各測定所を会場にして開かれ、今回で4回目となります。今回は一般測定を公開して間もないちくりん舎を会場として、ちくりん舎のお披露目も兼ねて行われました。
(1)ちくりん舎の見学
午前11時から約1時間、ちくりん舎の見学会が行われました。参加者は総勢で30名ほどになり、ちくりん舎の建物は一杯になりました。
全国の市民測定所の方々、高木基金関係者のみなさんも、ゲルマニウム半導体測定器については直接触れる機会もあまりないようで、3人の説明者それぞれが質問ぜめで1時間があっという間にすぎました。
(2) 研究交流会
午後は、ちくりん舎の近くの公民館に会場を移して、研究交流会が行われました。参加者の自己紹介が行われましたが、さすがに4回目ともなると顔見知りも多く、スムーズに進みました。今回は、フランスのACROの理事長のディビッド・ボワイエ氏も来日しており、交流会に参加していただきました。
(3) ちくりん舎についての紹介
自己紹介の後、副理事長の青木から「ちくりん舎の現況と課題」と題して、ちくりん舎の紹介、設立の経緯、今後の課題、立ち上げ時の技術的トピックス等が紹介されました。
(4)ACRO理事長ディビッド・ボワイエ氏からの報告
続いてディビッド氏から、ACROの歴史や活動紹介、日本支援の経緯、ちくりん舎への期待などが報告されました。ディビッド氏の話の結論は、「ACROとちくりん舎で既に5台のゲルマがある。起こりうる将来の事故に備えよう」というものでした。考えたくはありませんが、氏の冷静な判断はやはり正しいものだと思います。
(5) みんなのデータサイト紹介
事務局からは「みんなのデータサイト」の準備状況や内容について紹介があり、今後の進め方についての意見交換がありました。
(6)活発な意見交換・交流会
プレゼンが一通り終わった後で意見交換が行われました。その中で特に話題になったのは放射能監視についてのフランスでの実態です。フランスでは全国の原発、再処理工場などで地元首長、議員、電力会社、政府関係者、労組、市民代表、測定所などのNGOなどが入った審議会があり、最低でも年2回の会議を行っていることが紹介されました。また、フランス政府主導で各省や電力会社、市民測定所などが独自に測定したデータを一括して見ることができるウエブサイトが既にあることが紹介されました。日本では市民測定所中心の「みんなのデータサイト」計画が進んでいますが、フランスでは政府主導で行われていることに参加者一同驚きの声が上がりました。
また、ACROによるベラルーシへの支援に関連して「エートス」の活動の実態や、福島事故後の日本における「エートス」活動についても議論が行われました。
交流会は会を追うごとにより深い議論ができているように思いました。
また、ちくりん舎の状況を実際に見ていただくことで、研究者の方から新たな測定プロジェクトの協力依頼や、市民測定所からの精密測定のための要望などが出されるなど、ちくりん舎にとっても大きな意義のある交流会となりました。
※会場準備や受付、説明などで協力していただいたちくりん舎のスタッフの皆さん、ご協力ありがとうございました。
ちくりん舎が一般測定受付を開始してもうすぐ1カ月です。
いきなり急上昇ではなく、安定離陸・上昇中といったところでしょうか。
ところで、ちくりん舎を見学してみたいという声がちらほらあります。
少し先になりますが、9月22日(日)に第1回のちくりん舎シンポジウム(仮称)を開催します。
午前中の見学会と午後のシンポジウムに参加されて見てはどうでしょうか。
詳細は未定ですが、概略は下記のようになります(変更の可能性もありますのでご注意
下さい)。
シンポジウム記念講演には島薗進先生(元東大教授、現上智大学教授)をお招きしてお話を
うかがう予定です。
10:30頃 青梅駅集合
11:00~13:00頃ちくりん舎見学(希望者) シンポジウム会場へ移動
13:00~14:00会場(東青梅福祉センター)で弁当昼食
13:30~ 開場(シンポジウムのみの参加者は直接会場へお集まり下さい)
14:00~17:00 記念講演 + シンポジウム
17:00~18:30 懇親会(立食形式)
参加費など詳細は計画中について未定です。
8月頃には詳細を決定して宣伝を開始します。
団体・グループ等で何人かでまとまって見学したいという方には別途ご相談に応じます。直接ご連絡を
下さい。
lab.chikurin@gmail.com
[緑病院訪問と懇談会]
2日目は緑病院を訪問しました。緑病院には「緑病院労働環境健康研究所」が併設されており、研究所が今回の監視センターの構成委員になっています。ゲルマニウム半導体測定器はこの研究所に設置されており、監視センターの重要な拠点となっています。 ソウル市外の下町の雰囲気の中にある400床も抱えた大きな病院です。
労働環境健康研究所での懇談会(向こう側右から2人目が所長のイム・サンユック氏、手前が研究員のイム・ユング氏。
労働環境研究所長イム・サンユック氏の緑病院設立経緯の話から始ました。1987年独裁政権が倒れ民主化運動が高揚したが、同時に労働者の健康問題が発生しました。
88年7月に15歳の労働者が水銀中毒でなくなった。昼間働き、夜間学校へ通う生活だったが入社1カ月で死亡しました。この死をめぐって大きな闘いが起こったそうです。 そのすぐ後に、ウオンジン・レーヨン(日本で言えばユニチカや東洋レーヨンのような会社)でニ硫化炭素で100名が死亡し1000名が発症する事故が起こりました。労働者の闘いが高揚して(日本からも支援があったらしい)勝利し政府から賠償を勝ち取りその基金で「緑の病院」を作ったのです。99年にクリ市(ウオンジンレーヨンがあった市)に病院ができ、その後2003年にソウル市内の現在の場所に移って来ました。
緑病院労働環境研究所の体制は18名の研究員、医者3人(専門医)。化学物質調査3名、分析3名、筋骨格障害研究3名、教育センター4名です。 研究事業や社会問題のサポートを行っているそうです。研究は多岐に渡り、爆発事故等多いとのこと。 イム・ユング先生が放射能分析を担当する。放射能分析で日本からサポートを期待したいとのお話。
ちくりん舎の準備状況、ACROとの関係、ACROでのトレーニングで学んだことなどの紹介。分析装置の取り扱いそのものよりも、サンプルの処理・前準備、コンタミ防止などの作業管理が大事であることを話しました。
測定サンプル手順の話や研究者とオペレーターの関係、役割り分担、測定作業票の話、 国家標準の話、クロスチェックの話など実務的な突っ込んだ懇談になりました。
今回のシンポジウム参加や、懇談会で今後のお互いの交流の基礎ができたように思います。今後も継続して連携、交流をしてゆきたいと考えています。
2013年4月15日に「韓国市民放射能監視センター」設立総会と記念シンポジウムに「ちくりん舎」副理事長として招待され、参加してきました。
少し遅くなりましたがその報告を2回に分けてアップします。
FoEの満田さんと2人での訪問です。 「韓国市民放射能監視センター」はちくりん舎の正式名称「市民放射能監視センター」と全く同じ名前です。韓国の環境団体、生協、弁護士グループ、カトリックグループなど7団体*で構成し、寄付により1000万以上の資金を集め、ゲルマニウム半導体測定器を設置した監視センターを設立したのです。
*1緑病院労働環境健康研究所、ドレ生協連合会、女性ミヌ会生協連合会、エコ生協、チャイルドセイブ、ハンサリム連合会、環境運動連合
日程としては以下のものでした。
4/15朝:羽田発で韓国金浦空港へ
4/15午後:設立総会でのスピーチ、記念シンポジウムでのプレゼンと討論
4/15夜:懇親会
4/16午前:ソウル市内の緑病院へ。緑病院労働環境研究所で所長のイム・サンユック氏、研究員のイム・ユング氏、ロ・ダル氏、韓国環境運動連合のキム・ヘジョンさんらと、お互いの活動についての計画や実情、課題などについての交流会議。 4/16 昼:緑病院院長のヤン・セオン氏を含めて昼食と懇談会。
わずか2日間の交流でしたが、大変濃密で意義深いものでした。
[韓国市民放射能監視センター設立式]
先ず感じたのは、若いお母さんが多く、中には赤ちゃんを抱いたお母さんもいました。会場は100人程度のところでしょうか、立ち見ができて120人くらいいたように思います。大勢が参加しているにもかかわらず、ステージに集中して、とても熱い熱気を感じました。韓国メディアもテレビが4社くらい来ていました。
さっそく、設立式セレモニーで日本の「放射能監視センター」代表としての挨拶をしました。福島原発の収束などウソで、大変深刻な状況であること、市民からの放射能監視は原子力ムラの原発推進の監視につながることを話しました。フクイチの深刻な実態はほとんど伝わっていないようです。
[記念シンポジウムプレゼン]
ヘレン・カルディコットさんが基調講演をしました。被曝影響の基本的な話、日本からの輸入食品の危険性の話、チェルノブイリでの奇形児発生の話などでした。
私は「福島原発事故後の市民の放射能測定と被曝最小限化の取り組み」と題して、福島原発事故後の、放射能測定プロジェクト、20ミリ問題、尿検査、ちくりん舎の設立にいたる過程などを話ました。若いお母さん方が中心ですので大変、熱心に聞いてくれました。
満田さんは「福島原発事故後の日本政府の避難政策と健康問題について」という題で、日本政府の避難地域指定の状況と自主避難者の状況、「避難の権利」運動、甲状腺ガンの発生状況、福島健康管理調査の問題点などをスピーチして、こちらも、参加者は熱心に聞いていました。
キム・ヘジュンさん(この企画の中心人物)は、これまでの韓国内での、市民による測定活動の話を中心にしました。事故後、韓国内でも市民が測定器を持っていろいろなところを測定したようです。その結果、アスファルト道路の一部で線量の高いところがあり、市当局に要請してアスファルト撤去工事をさせた実績(原因は不明だがアスファルト生産の過程で核廃棄物が紛れ込んだのか)、壁紙から放射線を検出(原材料に自然放射性物質を使っていた)、粉ミルクで0.6ベクレル/Kgが2回検出され、公表したらメーカーから告訴され裁判になっている話などが出た。
[シンポジウム]
政府の原子力安全委員会、食品医薬品安全庁の課長クラスが出席してパネラーとして発言、他のパネラーと混じって発言していたのには驚いた。言っていたことは、「福島からの放射能は韓国には飛んできていない」、「魚からの放射能の検出減っている」など日本と似たようなものだが、会場から追求するような形ではなく、言いたいことを言い合うという雰囲気には驚きました。
海洋汚染が心配というフロアからの質問に、食品医薬品安全庁の課長は「海洋の水で薄められるから影響でない」と発言。これには、会場のお母さん方から大きな失笑が巻き起こった。政府側は「笑われると真剣に話せないとの」弁明。なんだかのんびりしたムードもあった。
シンポの発言者として官僚がしっかり発言するところに、日本との違いがあるように感じました。官僚的なノラリクラリではなくしっかり言い切るところは国民性でしょうか。
(その2へ続く)
ちくりん舎のゲルマニウム半導体測定器を立ち上げに来た、ACROのミレーン研究所長とオリビエさんが帰ってから、連休を挟んで、ちくりんの立ち上げで怒涛のような日々でした。
6人のボランティアスタッフで、測定トレーニング、誰でも仕事が同じようにできるように、ファイルの置き場や受付、測定記録用紙の整備、データ入力用のシステム整備などを進めました。
何とか、皆さん一人で仕事ができるようになり、だんだんおちついて来ました。
福島の井戸水、福島の子どもたちの尿なども測りました。検出限界が0.25ベクレルまで行ったのは感動ものでした。
眼鏡なしで手探りで見ていたのが、はっきり見える眼鏡をかけたような感じ!ゲルマ測定器はすごいです。
6月頃から一般の測定受付ができそうです。
4月16日から23日までの1週間、ACROからミレーン研究所長とオリビエ氏が来日して、立ち上げ・校正とトレーニングを実施しました。
22日にディユワー瓶とゲルマを固定するアダプターの亀裂で液体窒素が予想外に減ってしまうというトラブルがありました。ちくりん舎メンバーがそれぞれの持ち味を活かして、見事な連携でリカバリしました。
計画通り下記の項目が終わりました。
・各サイズの容器で標準線源での校正。
・システム全体の構成、機能や取扱の注意点のトレーニング。
・福島から持ち帰ったコケや土を使っての測定実習。
・シャットダウンのテスト。アナライザ復元時のチェックと校正方法の実習。
・液体窒素切れのときの状況と復元(←これはトラブル対応で学んだことです)。
土日の福島でのサンプル採取を含めて大変充実した1週間でした。ミレーン研究所長、オリビエ氏も、ちくりん舎のメンバーの温かくかつ熱心な対応に大変感激したようです。
また福島での、セミナーへの参加や、サンプル採取ツアーで地元の人たちの話を直接聞くことも大変参考になったようでした。ミレーンさんはベラルーシにも何回か行ったことがあるそうです。ベラルーシでも医者や金持ちは移住してしまって、避難ができるかどうかは、経済的な問題が関係している、と言っていたのが印象的でした。
今後は、実サンプルを使って運用実習と運用の仕組みの完成があります。実務を担う人中心に、トライアル作業を進めながら完成させて行きたいと思います。
昨日8日にゲルマニウム半導体検出部、アナライザなどが無事、ちくりん舎に到着しました。既に、現地で組み込みは終わっています。
来週、ACROからフランス人研究者が2名、ちくりん舎を訪れて立ち上げ・調整を行います。もちろん、ちくりん舎スタッフも一緒に参加し、調整方法や校正方法を学びます。
今回やってくるのは、ACRO研究所長のMylène Jossetさんと、そのパートナーのOlivierさんです。
以下がそのスケジュールです。
4月16日:午後、成田着、そのままちくりん舎へ
4月17日~19日:ちくりん舎で立ち上げ・調整、教育
4月20日:伊達市でぽかぽかセミナー・避難・保養相談会見学
4月21日:伊達市、福島市で線量測定、土壌サンプリングなど現地調査
4月22日~24日:ちくりん舎でトレーニング
※なんだか、連日ビッシリで申し訳ないです。公式スケジュール終了後にでも日本観光をしていただければ、と思います。
仏市民放射能監視NGO-ACROのウエブサイトでちくりん舎の様子が紹介されています。
ACROは2011年3月11日福島原発事故直後、日本の市民活動を全力で支援することを決めました。それ以降、土壌や水、野菜、米、尿などの放射能分析で協力していただいています。
ちくりん舎が開設できるようになった大きな力は、ACROがフランスやヨーロッパで呼び掛けた日本支援寄付によるものです。
今後もACROとは連携して市民の立場からの放射能汚染監視、分析を行っていきます。
http://www.acro.eu.org/projectJapan.html
関連記事
http://chikurin.org/?p=231
ちくりん舎の活動がFFTV(フクロウの会とFOEが共同運営しているインターネット放送局)の3月22日の番組「放射能・環境汚染監視と市民活動ー「ちくりん舎」設置の現場からー」の中でに紹介されました。(全体は約1時間3分ですがその最初の11分が’ちくりん舎’の紹介です。そのあと1998年から活動してきた’たまあじさいの会’による環境汚染に関する市民活動が紹介されています)
ちくりん舎現地での取材番組ですので是非アーカイブをご視聴ください。
(補足)
■たまあじさいの会について:
ちくりん舎をフクロウの会とともに設置した環境汚染に関する市民活動団体。
番組で紹介された内容の一部(論文)は測定・分析結果(会員向け)ページに掲載されています。
■FFTVについて:
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)とFoE Japan原発チームは、活動を通してみえてきたこと、原発、エネルギーに関する最新の動向を、市民の目線からわかりやすくお伝えするため、フクロウ・FoEチャンネル(FFTV)をはじめました。
ちくりん舎の会員総会を開きます。
会員の方々には別途、開催通知と委任状を送ります。参加できない方はご案内に従って委任状をお送りください。
◆日時:2013年4月26日(金) 18時~
◆場所:立川アイム5F 第1会議室
◆議事(予定)
(1)2012年度活動報告
(2)2012年度会計報告
(3)2013年度活動計画と予算
(4)役員(監事)選任、顧問紹介
(5)その他
ちくりん舎では現在、測定室の外装、内装工事が進んでいます。
3月5日の状況を写真にとりましたのでご紹介します。
真ん中に張り出した部分が新たに増設した測定室です。1.6トンもの鉛遮蔽体を置くので基礎も特別にしっかりしたものにしています。
アプローチの坂も整備して車が入りやすいよう、工事を進めています。
ちくりん舎の入口です。
入口をはいると右手が測定室。正面奥はキッチンと会議スペース。手前は作業室の予定。
測定室の壁は保温を考慮して断熱材を入れています。正面奥に見える青い筐体がゲルマ測定器用の鉛遮蔽体です。
ゲルマ測定器の右側にはNaI分析器(AT1320a:愛称オーレリー)を置く予定です。
6日には液体窒素メーカと打ち合わせです。中西さんよろしく。
2月20日、フランスから送られてきた鉛遮蔽体を組み立てました。
鉛遮蔽体は総重量1.6トンもあります。鉄枠に厚さ10cmの鉛のブロックを組み合わせた構造です。それほど大きくありませんが重さは大型乗用車並みです。
スキルのあるプロが組み立て作業を行いました。ちくりん舎のスタッフも梱包材片づけなどのお手伝いをしました。
ACROにも全く同じものが1セット導入済みです。
ACROのEricさんが作った組み立てマニュアルのおかげで順調に組み込み作業が進みました。
鉛のブロックの内側には、鉛本体に含まれる放射性物質からの放射線を防ぐ銅板を貼ります。
完成した鉛遮蔽体。 ホコリが入らないよう厳重にラッピング、養生したうえで、この後の建屋工事に備えました。大物工事が無事に済み、参加したちくりん舎スタッフもホットしています。
工事をされた技術者のみなさん、参加したちくりん舎スタッフのみなさんお疲れさまでした。