田村バイオマス訴訟支援の会ニュース第7号

第四回裁判  HEPAフィルタ:被告は「国内最高レベルの安全対策」との説明を「安心対策」にすり替え

田村バイオマス訴訟支援の会―ニュース第7号

1.裁判報告
 6月2日(火)福島地裁にて第四回目の裁判が開かれました。原告からは前回の裁判長の求めに応じて、HEPAフィルタが虚偽であることの根拠を分かりやすく整理した形の準備書面を提出しました。田村バイオマスエナジーはいまだに一切の資料提出を拒否したまま、「HEPAフィルタは安心のために設置するものであり個別の集じん性能を数値化※するものでない」
などと、居直ったような主張をしています。
 しかしこの日、裁判長は「被告側は安心のためHEPAフィルタを設置したと主張している。放射性物質の検査やバグフィルタの機能的欠陥があるかどうかが詐欺の要件に当たるかどうかに関わってくる」とし、すでにこれまで原告側が批判してきた汚染木材の検査方法やバグフィルタの問題点についてさらに説明を求め、被告側の論理に引きずられたかのような印象がありました。
※「安心」というのは人の主観に基づくもので数値化できません。「安全」というのは危険の程度を客観的な数字で示さなければなりません。被告側が「安心のため」とすり変えているのは、まさにHEPAが偽物であり集じん率を数字で示せない(示したくない)ことを表しています。
裁判の論争の分かりやすい解説はちくりん舎HP http://chikurin.org/wp/?p=5747 をご覧下さい。

2.田村市への寄附金
 大越町の環境を守る会が田村市へ情報開示請求を行い、過去5年間の田村市への寄附金を調べたところ、田村市と田村BEが土地賃貸借契約を締結した直後の2019年度に5百万円~5千万円の大口寄附金17件(寄附者は非開示)が集中して寄せられていることが明らかとなりました。不透明な使途につながっていないかどうか、市議会議員が調査権を使って明らかにする必要があるのではないでしょうか。

3.飯舘村蕨平仮設焼却炉跡地利用計画
 飯舘村は蕨平で稼働する環境省の仮設焼却炉の今年10月での運転終了に合わせ、その後の跡地利用として木質バイオマス発電を計画していることを議会に伝えました。
 村内国有林を燃料とし、先行事例として田村バイオマス事業を参考とするとしています。
 放射性物質に汚染された森林を焼却すれば放射性物質の再拡散となり、呼吸によって肺の奥へ取り込まれた放射性物質は長く体内にとどまり、全身のさまざまな疾患をひき起こすことが指摘されています。特に子どもたちへの影響ははかり知れません。
  

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南相馬20ミリ裁判原告の方の尿検査結果最終報告

ちくりん舎では南相馬20ミリ裁判原告の皆さんの尿検査による内部被ばく調査結果行ってきました。このたび最終結果をまとめました。
 
原告の方については2018年始め頃から、比較調査のためのグリーンコープ会員有志の方には
2019年4月頃からご協力いただきました。
 

南相馬在住者の尿中セシウム濃度分布

 

西日本在住者の尿中セシウム濃度分布

 
南相馬20ミリ裁判原告の皆さんの尿検査結果はこちらからダウンロードできます。
 
 
改めてデータを見てみると、南相馬原町区での生活が内部被ばくリスクを抱えている
ことが分かります。
データをその都度返送することや、原告団学習会で2回程度、結果についてで直接お話した
ことで大分低下した事例もあります。
 
しかし、一方で時間が経つと警戒が緩んでしまうことはコロナ対策と同様です。
引き続き、秋のキノコや獣肉の季節、春の山菜シーズンなどで定期的に継続した
方が良いのではないかと考えております
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田村バイオマス訴訟第4回法廷が開かれました

6月2日、福島地方裁判所において田村バイオマス訴訟の第4回法廷が開かれました。コロナ感染拡大防止で傍聴者の人数制限もあるため、主に福島県内の方に傍聴参加を呼びかけました。13:10分からの法廷には原告および支援者が約15名集まりました。

報告集会の様子

【裁判長の発言に変化?】
法廷では原告側から準備書面(2)が提出されました。前回の裁判長の発言で、原告側の請求原因の整理をして欲しいとのことで、あらためて原告側の主張の整理と前回提出された被告側準備書面(1)(2)への反論が盛り込まれたものです。

田村市バイオマス発電事業住民訴訟・準備書面(2)

田村市バイオマス発電事業住民訴訟・証拠説明書(3)

法廷で裁判長から、「次回、あらためて原告側から燃料として放射性物質の付着したものが持ち込まれる可能性や事前検査についての問題点、およびバグフィルタでは放射性物質が捕捉が機能しないこと主張を整理して出して欲しい」との発言がありました。これに対して原告代理人からは「この裁判では被告が設置するとしているHEPAフィルタが本来の性能を果たせない虚偽のものであり詐欺であることが争点」「燃料への放射能の付着やバグフィルタの欠陥については今回の準備書面(2)でも触れている」との反論がありました。

それに対して裁判長の反応は、「被告側は安心のためHEPAフィルタを設置したと主張している。放射性物質の検査やバグフィルタの機能的欠陥があるかどうかが詐欺の要件に当たるかどうかに関わってくる」という旨の説明がありました。

これは従来の法廷での裁判長の一連の発言と随分異なるものです。裁判長は1回目法廷で「この裁判はHEPAフィルタが争点となる。どういうものか分からないので、その説明を含めて主張を整理してい欲しい」との発言がありました。2回目法廷では「HEPAフィルタの問題点について改めて原告側の主張を整理して欲しい」との発言がありました。原告側はそれらの発言に応えた準備資料や証拠書類を提出してきた経緯があります。

今回の裁判長の発言は、被告側の「HEPAフィルタは『安心のため設置』」との主張をそのまま引用するなど、被告側の論理に引きずられたかのような印象もあります。一方で原告・被告双方の主張を対応させて並列に引き出そうとも考えられます。次回の裁判は8月18日(火)14時~と決まりました。

【報告集会では今後の進め方について議論】
法廷終了後、近くの福島市民会館にて報告集会が開かれました。報告集会では司会の和田央子さんの挨拶のあと、ちくりん舎の青木からこれまでの法廷での論争のポイントの紹介がありました。

田村バイオマス訴訟の経緯と新たな展開はこちらからダウンロードできます

報告集会でこれまでの経緯を説明

その後、坂本弁護士から今回の法廷でのやり取りなどについて解説がありました。裁判長はこれまで本裁判がHEPAフィルタの虚偽性が争点になることを繰り返し発言してきた、今回はそれと異なっているという説明がありました。原告側の主張からすれば、たとえ仮にバグフィルタに欠陥がないとしても、HEPAフィルタが本来の性能を発揮しない虚偽のものであれば問題だとする立場だとの説明がありました。次回法廷に向けては、被告側が住民に向けてバグフィルタについてどれだけ説明してきたのか、も含めて、燃料の放射能汚染、検査の問題、バグフィルタの欠陥について準備書面を用意してゆくとの説明がありました。

原告代表の久住秀司さんからは、情報開示で田村市への寄付金の状況を調査した結果が報告されました。それによると500万円以上の大口寄付が、田村バイオマスが動き出す2018年に集中していることが報告されました。(寄付者は黒塗りのため不明)。田村市議会議員への裁判情況のレクチャー・学習会の計画などが必要との議論もありました。

飯館村からは佐藤八郎村議が参加されました。飯館村では蕨平の仮設焼却炉の跡地にバイオマス発電計画が予定されているようで、その計画について環境省からの説明会があった旨の報告がありました。この問題についても注目が必要で今後連携をして欲しいとの発言がありました。

 

 

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フクロウの会オンラインカフェでお話しました(田村バイオマス訴訟の経緯)

5月24日フクロウの会オンライン・カフェでお話をしました。コロナ感染拡大防止のため初のこころみのオンライン・カフェでした。ZOOMという会議用ソフトであらかじめ申し込んであれば簡単に入れました。オンラインということで、いつもは遠方でなかなか参加できない方から多く申し込みがあり総勢30名の参加となりました。福井、兵庫、福島、宮城など各地から普通ならなかなか一緒になれないような方が一同に集まることができました。

カフェでは以下の3つの報告と質疑が行われました。

・六ヶ所再処理工場審査・パブコメで止めよう(阪上 武)
・なぜ急ぐのか?トリチウム汚染水の海洋放出(満田夏花)
・福島県田村市バイオマス発電・裁判の新展開(青木一政)

田村バイオマス訴訟に関して、当日のプレゼン資料をアップしますのでご参考にしてください。この裁判の争点やこれまでの論争の経緯が分かります。

田村バイオマス訴訟の経緯と新たな展開(ウエブアップ用)

次回、第4回法廷は6月2日となります。13時50分福島地裁ロビー集合。裁判終了後近くの福島市民会館にて報告集会を行います。福島県内の方に参加を呼び掛けております。感染拡大防止のため他県からのご参加はご遠慮下さい。

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リネン吸着法で捕捉した空気中のセシウム粒子はほとんどが不溶解性

ちくりん舎ではリネン吸着法という方法を用いて空気中のホコリのセシウム濃度を調査しています。

最近では宮城県大崎市の一般ごみ焼却炉での放射能ごみ焼却に合わせて、周辺での空気中のほこりのセシウム濃度を測っています。これらの資料は地元住民の皆さんの焼却中止を求める裁判においても証拠資料として提出しています。

これらのリネンに付着したセシウムは大部分が水に溶けない、不溶解性の粒子であることが今回分かりました。微小粒子は肺の奥まで入り込むことが知られています。そしてこれらが不溶解性であるということは、いったんこれらの粒子を吸い込むと肺に長く留まり長期的な内部被ばくにつながります。あらためて放射能ごみ焼却の恐ろしさが再認識できます。

今回のテストは大崎市の焼却炉周辺でのリネン吸着法調査で使用したリネン布、また比較のために、南相馬市でエアダストサンプラーを用いて調査を行ったときのフィルタについても同様のテストを行いました。

報告書はこちらからダウンロードできます。
2020_0515リネンに吸着したセシウム溶解性調査結果.docx

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報告集「止めよう!放射能のばら撒き」第2弾発行しました

報告集「止めよう!放射能のばら撒き~ 除染ごみ焼却と木質バイオマス発電を考える~
第2弾」を発行しました。1部500円(他に郵送料実費が必要です)でお送りします。
必要な方は必要部数・送付先・氏名を書いて下記へご連絡ください。
メール:lab.chikurin@gmail.com Fax:042-519-9378
こちらからも直接メールできます。

目次
はじめに
<第 1 部 放射能ごみ焼却と環境破壊を考える>
●森林除染とバイオマス発電焼却灰のゆくえ 和田央子さん
(放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会)

●地球規模での森林破壊につながる大規模バイオマス発電 満田夏花さん
(国際環境 NGO FoE Japan 事務局長

<第2部 各地からの報告>
●福島県飯舘村~放射能汚染の現状・飯舘村の場合を中心に~  伊藤延由さん
(飯舘村小宮沼平)
●長野県東御市~着工直前まで隠された羽毛山工業団地 木質バイオマス発電所計画~ 
川端眞由美さん(木質バイオマス発電チェック市民会議)
●宮城県大崎市~大崎・放射性廃棄物焼却をめぐる動き~  芳川良一さん
( 船形山のブナを守る会)
●福島県田村市~田村バイオマス反対と訴訟への取り組み~ 久住秀司さん
( 大越町の環境を守る会)
●ちくりん舎~リネン吸着法で可視化される焼却炉からのセシウム拡散~ 青木一政さん
(ちくりん舎)

<参加者からのアンケート>
  
A4版 カラー 35p

「はじめに」より

2020年2月15日に郡山市ミューカルがくと館において「止めよう放射能のばらまき~
除染ごみ焼却とバイオマス発電を考える~」が開かれました。
ちくりん舎と放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会の共催で開かれた本集会は、
昨年2月に開かれた同趣旨の集会の第二弾として位置付けられるものです。

各地から約60名が参加し充実した学習と交流が行われました。本報告集はその内容を
まとめたものです。

本年4月からの省令「改正」で除染土の再利用を目論んだ環境省の目論見はひとまず
見送りとなりました。各地の反対運動やパブコメで反対意見が集中するなかで、環境省
は除染特措法の改正を見送りにせざるを得なかったのです。

しかし環境省は放射能ごみ減容化の動きをあきらめたわけではありません。小泉環境
大臣は、福島原発事故の汚染土を用いた鉢植え大臣室などに置くなどパフォーマンスに
努めていいます。使われたのは中間貯蔵施設に搬入された汚染土で1キログラムあたり
5100ベクレルのもの。「(事故の)風化と風評被害を食い止める決意の表れ」「全国民
的な理解を醸成したい」と報じられています。小泉環境相は就任直後から、さまざまな
発言の無内容ぶりで馬脚を現しましたが、それを改めて証明するような幼稚なふるまい
です。

 汚染土の再利用や汚染水の海洋放出など環境省が進めているのはまさに放射能こみの
ばらまきです。汚染牧草、汚染稲わらなどの焼却、放射能汚染木を燃料とする木質バイ
オマス発電も同様です。焼却によって生じた高濃度のセシウムを含む焼却灰は一般ごみ
と区別なく処分され、一部は建設資材としての再利用が始まっています。

 新型コロナウイルスの蔓延で安倍政権により「緊急事態宣言」が発令されました。
新型コロナウイルス対策は私たちの健康・生命を守るという意味だけでなく、私たち人類
が自然界から新たに突き付けられた重大で深刻な問題です。しかしその裏でこの状況を
隠れ蓑にして、福島原発事故による被害者、避難者の切り捨て、放射能汚染の隠ぺい、
放射能ごみのばらまきが一斉に進められることに警戒を怠ってはなりません。

 この報告書が各地の放射能ごみばらまきや福島原発事故の被害者、避難者の切り捨てを
許さない粘り強い闘いの一助になることを期待しています。

2019年4月20日
「止めよう放射能のばら撒き~除染ごみ焼却・木質バイオマス発電を考える~」第2弾

発行
NPO 市民放射能監視センター(ちくりん舎)
放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会
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第三回裁判 田村バイオマスエナジーはまたもHEPAフィルターの資料提出を拒否

田村バイオマス訴訟支援の会のニュースレター6号が発行されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

第6号pdf版はこちらからダウンロードできます

3月24日(火)福島地裁にて第三回の裁判が開かれました。争点となっているのは田村バイオマスエナジー(田村BE)の提示するHEPAフィルターが「偽物」ではないかという点です。

 前回1月28日(火)の裁判で原告側は被告側に対しHEPAフィルターの仕様書開示を求め、被告側は応じる姿勢を見せましたが、今回の裁判でも結局資料を提出することはありませんでした。
 理由は、「プラントメーカーとの守秘義務」があるためとしています。

 裁判官はこれについて被告側に正当性を立証するよう求めることはなく、むしろ原告側に「請求原因」を改めて説明することを求めました。

 さらに被告は「高性能HEPAフィルター」設置目的を「安全性」の向上のためとしていた従来の説明を豹変させ、「バグフィルター」で安全を確保し「HEPAフィルター」は安心のために設置するので「その役割は副次的なものである」、すなわち性能は満たされなくても問題ないと主張しました。
 これは原告側の主張どおりHEPAフィルターがお飾りであることを認めたことにほかなりません。

 HEPAフィルタに限らず、被告側の主張はこれまでの説明から二転三転しています。市が11億4千万円もの補助金を出す事業です。このようないい加減な姿勢の市と田村バイオマスエナジ―の言うことは全く信用できません。

燃料チップの計測について、当初は「全量自動計測」ととれる説明が裁判では頻度も全く明らかでない抜き取り検査(サンプル測定)に変わりました。

燃料チップはベルトコンベアに乗って焼却炉に入る段階で100ベクレルを超えるものがあったら止まる。(本田市長議会答弁 2017年12月7日)
⇒あくまでも釜に入る前、ベルトコンベアに乗せる前でチップを確認する。
(白鳥宏産業部長同 2018年2月22日)
⇒サンプル測定を行う。(被告側準備書面 2020年3月16日)

第四回裁判 6月2日(火) 13:10 福島地方裁判所 
裁判終了の20分後より福島市市民会館にて報告集会を行います。

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市長が謝罪と説明に訪れるー長野県東御市の木質バイオマス発電

長野県東御市の木質バイオマス発電計画についてはちくりん舎のブログでも何回か紹介してきました。

新たな動きの連絡が来ました。下記から是非ご覧ください。

羽毛山地区の住民に、東御市が謝罪と説明に訪れる !

 

 

 

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パンフレット発行「聖火リレーコースの汚染実態が示す福島のいま」

パンフレット
「オリンピックでの福島原発事故の幕引きは許されない 聖火リレーコースの汚染実態が示す福島のいま」を発行しました。1部500円(他に郵送料実費が必要です)でお送りします。必要な方は必要部数・送付先・氏名を書いて下記へご連絡ください。

測定地点全69箇所の詳細データや分析結果、市町村毎の詳細マップ、原発事故避難者、被害者の皆さんの生の声も収録して、「福島のいま」がリアルに伝わってきます。是非お申込み下さい。グループでの学習用にも最適です。

メール:lab.chikurin@gmail.com  Fax:042-519-9378

こちらから直接申し込みもできます。
http://chikurin.org/wp/?page_id=19

A4版 カラー32p

【はじめに】より抜粋

私たちは東京オリンピックに大きな危惧を抱いてきました。それは、日本政府や大企業、大手メディアなど、そしてその背後にいる原発推進勢力が一体となって、福島原発事故被害の実態を隠蔽し、「原発事故からの復興」「クリーンで安全な福島」を世界に発信するための一大キャンペーンとして東京オリンピックを行おうとしているのではないか、ということです。私たちの危惧は、2020年1月に行われた安倍首相の施政方針演説の以下のような言葉にも端的にしめされました。

「二〇二〇年の聖火が走り出す、そのスタート地点は、福島のJヴィレッジです。かつて原発事故対応の拠点となったその場所は、今、我が国最大のサッカーの聖地に生まれ変わり、子どもたちの笑顔であふれています。(中略)浪江町では、世界最大級の、再生エネルギーによる水素製造施設が、本格稼働します。オリンピックでは、このクリーンな水素を燃料とする自動車が、大会関係者の足となります。そして、大会期間中、聖火を灯し続けます。リチウムイオン電池、AIロボット。未来を拓く産業が、今、福島から次々と生まれようとしています。(中略) 力強く復興しつつある被災地の姿を、その目で見て、そして、実感していただきたい。まさに「復興五輪」であります。」
(安倍内閣総理大臣施政方針演説2020.1.20より)

 私たちは安倍首相が強調する「復興五輪」の象徴ともいうべき福島県内の聖火リレーコースとその周辺の放射能汚染状況を調べてみました。その結果は私たちにとっても驚くべきものでした。あらためて福島原発事故による汚染が広範囲に継続していること、聖火リレーコース上においてさえ、その状況が残されたままだということです。この実態をより多くの人々に認識してもらうため、私たちは原発事故被害者、避難者の皆さんの声とともに、パンフレットにまとめました。

調査結果マップ飯舘村

【目次】
1. 調査方法 
2. 調査結果一覧表 
3. 調査結果分析 
4. 避難者・被害者の声  
 武藤類子さん(原発事故被害者団体連絡会共同代表)
 ⾧谷川克己さん(郡山市から静岡県に自主避難)
 菅野秀一さん(南相馬・避難 20 ミリ基準撤回訴訟 原告団⾧)
 菅野みずえさん(浪江町から関西へ避難中)
5. 調査結果マップ
 富岡町
 大熊町
 楢葉町
 川内村
 南相馬市
 浪江町
 葛尾村
 飯舘村
 川俣町
6. プロジェクト参加者の声  
 青木正巳さん(ふくいち周辺環境放射線モニタリングプロジェクト)
 武熊明子さん(ちくりん舎)
 伊藤延由さん(飯舘村在住)
7. わたしたちについて

【発行】
NPO 法人市民放射能監視センター(ちくりん舎)
ふくいち周辺環境放射線モニタリングプロジェクト
【協力】
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)

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文化放送SAKIDORI!で聖火リレーコース汚染調査結果について放送されました

3月11日文化放送「斎藤一美ニュースワイドSAKIDORI!」でちくりん舎などで行った聖火リレーコース放射能汚染調査結果について報道されました。

下記からダウンロードして聞いてください(2分30秒)
mediaIo-download-afc8fb

 

 

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聖火リレーコース汚染調査結果がフランスACROのウェブにアップされました

Le parcours de la flamme olympique encore contaminé à Fukushima

 

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聖火リレーコース汚染の記者会見が報道されました

3月3日の聖火リレーコース周辺の放射能汚染調査結果の記者会見が「民の声新聞」で報道されました。

ご覧ください。

http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/ 

【復興五輪と聖火リレー】「聖火リレーコースの7割近くが高濃度汚染」測定グループなどが日本外国特派員協会で会見。「被曝続いているのに五輪で〝復興〟などあり得ない」

原発事故後の福島県内で放射能測定を続けている市民グループや住民たち3人が3日午後、都内で会見し、今月26日に「Jヴィレッジ」(福島県双葉郡楢葉町)で始まる聖火リレーについて、測定結果を示しながら「リレーコースや周辺の放射能汚染は依然として解消されていない」と発表した。福島県は「問題無い」と公表しているが、聖火リレーコースの土壌汚染密度は7割近くが「チェルノブイリ法」での避難基準を上回るほどで、飯舘村では214万Bq/㎡に達した。3人は「原発事故はまだ終わっていない。せめて吸い込まないよう注意喚起を」と訴えている。
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聖火リレーコース周辺調査記者会見資料(1)

ちくりん舎青木のプレゼン資料です。クリックすると新たなページでurlが表示されますのでもう一度クリックしてください。

記者会見プレゼン資料は下記をクリック
?attachment_id=5642

記者用のレジュメ資料は下記をクリック
?attachment_id=5654

測定結果一覧表は下記をクリック
?attachment_id=5643

マップ富岡町
?attachment_id=5644

マップ大熊町
?attachment_id=5645

マップ楢葉町
?attachment_id=5646

マップ川内町
?attachment_id=5647

マップ南相馬市
?attachment_id=5648

マップ浪江町
?attachment_id=5649

マップ葛尾村
?attachment_id=5650

マップ飯舘村
?attachment_id=5651

マップ川俣町・山木屋
?attachment_id=5652

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聖火リレーコース周辺の放射能汚染調査結果

3月3日外国特派員協会にて「東京オリンピック2020聖火リレーコース周辺の放射能汚染調査結果」について記者会見を行いました。

会場には海外メディアの特派員やジャーナリストを中心に35名程度があつまりました。新型コロナ問題でどの程度集まるか心配されたのですが、予想以上の集まりがあり、この問題への関心の高さがうかがわれました。

 

会見ではちくりん舎の青木から15分程度のプレゼンを行い、また調査の様子を示した動画を紹介しました。その後、ふくいち周辺環境放射線モニタリングプロジェクトの中村順共同代表からの報告、飯舘村在住で環境や農作物他の放射能測定を継続している伊藤延由氏からの報告がありました。

 

記者からの質問では、我々の調査の特徴や安倍首相が「復興五輪」と位置付けていることについての見解、オリンピックそのものについての見解など突っ込んだ質問が相次ぎました。

会見で発表したプレゼン資料や記者への配布資料を下記にアップしますのでご参照下さい。

聖火リレーコース周辺調査記者会見資料(1)

 

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大気浮遊塵中のセシウム濃度推移グラフ(2017,18,19年度)

以下のグラフを更新しました(~2019.12)。
大気浮遊塵中のセシウム濃度推移グラフ(2017,18,19年度) 
                                                      
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ちくりん舎ニュース22号(お知らせ)

ちくりん舎ニュース22号を発行しました。

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田村バイオマス訴訟第2回法廷が開かれました

1月28日福島地裁において田村バイオマス訴訟の第2回法廷期日が開かれました。法廷では双方の提出書類の確認の後、裁判長から原告側が主に訴えているHEPAフィルタの問題は突き詰めていうとどういうことかという旨の質問がありました。それに対して坂本弁護士からは

①設備規模の問題、プレフィルタがないためフィルタの目詰まりしやすい、ダクト内でフィルタ交換すると言っているがスペースが狭いなど、要はHEPAフィルタの性能が発揮できないということだ。

②今回提出した準備書面に詳しく記載した。

③被告弁護側からの答弁書で説明資料は概要図であり、原告側からの批判は当たらないと言っているが、それならば詳細設計図を開示して原告側の指摘に対して説明して欲しい。

との発言がありました。

それを受けて、裁判長は被告側弁護士に対して、それでは被告側で設計図をもとに反論しますかとの問いかけがあり、被告側弁護士はそれを了承しました。

次回の法廷期日は3月24日13時10分からと決まりました。

裁判終了後、市民会館で報告集会が開かれました。集会には約30名の方が集まりました。宮城県黒川や石巻市から放射能ごみ焼却の運動をする市民や、飯舘村村会議員の佐藤八郎氏、福島原発告訴団長の武藤類子氏などの出席もあり、この問題への注目が徐々に広がっている感じを受けました。

報告集会では坂本弁護士からあらためてこの裁判の趣旨についての説明がありました。

その後、ちくりん舎の青木から、今回証拠書類として提出した「田村バイオマス発電設備のHEPAフィルタについて」という文書で田村バイオマス発電のHEPAフィルタが偽物であるという根拠についての解説がありました。

田村バイオマス発電施設におけるHEPAフィルタについて

技術的に見れば田村BEのHEPA設備は全く住民だましのお飾りであることがますます明らかになっています。次回法廷で被告側は詳細図面などをもとに説明をすることを裁判長の前で約束しました。どのような説明が出てくるのか、注目されるところです。

 

原告団長の久住秀司氏から、現場で進む工事状況についての写真を見せながらの報告がありました。田村BEは工事を急いでいる様子がうかがえるとのことです。

 

 

それぞれの報告の後、支援者や原告を含めての意見交換がありました。現地では工事が進んでしまっている状況もあるが、マイクで街宣を行う中で「裁判も提訴して闘っている」というと大きな反応がある、力を合わせてやっていこう、という元気の出る発言があり集会を終えました。

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福島県「聖火リレーコース線量調査」が示す放射能汚染状況

 福島県は1月21日「聖火リレールートにおける環境放射能モニタリング結果」を発表しました[1]。その結果によれば、車道では「平均値は0.04~0.15マイクロシーベルト。測定地点の最大値の0.46マイクロシーベルトは郡山市で記録された」、沿道では「区間の平均値は0.04~0.25マイクロシーベルト。測定地点の最大値の0.77マイクロシーベルトは飯舘村だった」と報道されています。また飯舘村沿道の0.77マイクロシーベルト地点にかんして「ここに4時間滞在した場合の追加被ばく線量は0.003ミリシーベルトで、国の目安の年間1ミリシーベルトと比べて問題ない」との説明があったと報じられています。[2]

[1] 「東京2020オリンピック聖火リレールートにおける環境放射能モニタリング結果情報」
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/torch-mon-detail.html

[2]聖火リレー「問題なし」 福島県が放射線量を測定 河北新報2020.1.22
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202001/20200122_61002.html

これだけでは実態が良くわかりません。福島県発表のデータにもとづいて分析をしてみました。

先ず注目すべきは飯舘村の沿道の放射線レベルが極めて高いことです。下図が飯舘村の沿道調査個所合計404地点の線量の分布を示します。

福島県発表では平均は0.25μSV/hです。コース全体の平均が「汚染状況重点調査地域」にあたる0.23μSv/hを超えています。この値以上であれば国の責任で除染が必要な地域として指定される場所です。既に除染は「完了した」としているわけですがこのコース全体が依然として国が定める除染対象区域であることになります。

図1からも分かるように0.2μSv/h未満の場所は半分以下の188箇所(47%)です。約半分の場所が国が決めた除染の基準を現在でも満たしていないことになります。

最高の値である0.77μSv/hについて福島県は「ここに4時間滞在した場合の追加被ばく線量は0.003ミリシーベルトで、国の目安の年間1ミリシーベルトと比べて問題ない」と説明したと報じられています。しかしここは住民が住んでいる場所です。4時間だけ滞在しているわけではありません。年間で計算すれば6.57mSvに相当します。しかもこれは飯舘村のメインロード脇です。更に放射線量の高いところはいくらでもあります。これが除染が完了し避難指定が解除された飯舘村の現実です。

図2 川俣町沿道

図3 葛尾村沿道

図4 南相馬市沿道

図5 福島市沿道

図6 郡山市沿道

 

図2から図6は今回の調査で比較的レベルの高い場所の線量の頻度分布です。人口の集中する福島市や郡山市でも0.2μSv/hの場所があります。低線量被ばくの影響は確率的です。線量が比較的低くとも被ばくする人口が増えればそれだけがんやその他の疾患になる人数は増えます。このことを考えれば「聖火リレー」は「問題ない」などと言うのは、オリンピックありきで、そこに住んでいる住民への配慮などしていないという姿勢の表れではないでしょうか。

今回の福島県の調査では聖火リレーコースのみに限定し、かつ地上1m高での空間線量率のみを測定しています。このため周辺住民の居住場所の実態やホットスポットの存在を見落としています。地上1cmの線量や土壌サンプリングによる土壌汚染密度の測定が必要です。

繰り返しになりますが聖火リレーコースは住民が住んでいる場所です。4時間滞在で0.003mSvであれば、住民にとっては年間6.57mSvとなります。聖火リレー時の滞在だけを問題にして住民の年間被ばくを無視することは住民の被ばくへの極めて不当な軽視であると考えます。

空間線量率による外部被ばくだけの評価も問題が大きいと考えます。聖火リレーが行われるのは3月下旬です。春先の乾燥時等に粉じんの吸入による内部被ばくを警戒すべきです。特にランナーや沿道での子どもの応援などに対しては放射能を含んだ粉じんの吸い込みをしないよう注意喚起が必要と考えます。もちろんこれも聖火リレーの時だけが問題ではありません。住民にとって放射能を含んだ粉じんを吸い込まないよう常に注意が必要となります。

安倍政権は「復興五輪」と称して聖火リレーのスタート地点をJビレッジにするなどオリンピックブームによってあたかも原発事故の被害は一掃され復興が進んでいるかのように国内外に発信しようとしています。

しかし今回の福島県の聖火リレーコース調査からでさえ、「復興五輪」と称するオリンピックの開催に無理があることを明らかにしたといえるのではないでしょうか。

 

 

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2・15(土)止めよう!放射能のばら撒き~除染ごみ焼却と木質バイオマス発電を考える~(第2弾)

学習交流集会in郡山2020
止めよう!放射能のばら撒き~除染ごみ焼却と木質バイオマス発電を考える~(第2弾)

●日時:2020.2.15(土)13:20~16:30 13:00開場
●場所:郡山市ミューカルがくと館(1階 大ホール)
郡山駅前から麓山経由大槻行き、または、休石行き「開成山プール」下車。もしくは、さくら循環虎丸回り「総合体育館前」下車。各所要時間は、約10分 
Tel:024-924-3715 
郡山市開成一丁目1番1号

●参加費無料(会場カンパをお願いします)
●共催:NPO 市民放射能監視センター(ちくりん舎)・放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会

ちらし はこちらからダウンロードできます

【第1 部 放射能ごみ焼却と環境破壊を考える】
●報告1 和田央子さん(放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会)
●報告2 青木一政さん(ちくりん舎)
●ゲストトーク 満田夏花さん
「地球規模での森林破壊につながる大規模バイオマス発電」

【第2部 各地からの報告】
●福島県飯館村(放射能汚染の現状)
●長野県東御市(バイオマス発電計画に対する取り組み)
●宮城県大崎市(汚染廃棄物焼却中止を求める訴訟の状況)
●福島県田村市(バイオマス発電訴訟の状況)
●全体討論 

【開催に当たって】
 目前に迫ったオリンピック聖火リレーは、福島県楢葉町にあるJビレッジをスタートに全国を回ります。Jビレッジは、9年前、福島原発事故の大混乱の中、収束作業にあたる東電関係者、警察、消防、自衛隊などの対応拠点になった場所です。このことに象徴されるように、政府や福島県は、東京オリンピックを「福島原発事故からの復興」、「安全でクリーンな福島」を世界中に発信する一大キャンペーンとして行おうとしています。未だに人が住めない帰還困難区域がある常磐線富岡~浪江間を再開させることも決定しました。
 しかし、福島原発事故の汚染被害の現実は、現在においても深刻です。避難指定解除は住民の合意を得ないまま進められ、避難者はまだまだ放射線量の高い地域にやむなく「帰還」するか、さもなければ賠償や支援を打ち切られ、経済的・社会的に厳しい状況に置かれたまま、避難や移住を余儀なくされています。
 莫大な予算をつぎ込んで行われた除染の後始末も同様です。環境省は膨大な量の除去土壌を「リサイクル」と称して公共事業に使おうと計画しています。中間貯蔵施設では、公共事業にも使えない高濃度の除去土壌・焼却灰を最終的に溶融し減容化するための灰溶融炉の建設も進んでいます。そこで発生する溶融スラグは数十億ベクレルに達するとされています。
 国は、再生可能エネルギーとして福島県内各地で木質バイオマス発電の建設を進めていますが、燃料に使われるのは除染をしていない森林伐採木です。除染をしない代わりに間伐に補助金を出し、バイオマス燃料への利用を進めています。汚染木から生じたセシウムの濃縮された灰は、建設資材として再利用される予定です。
 各地でこうした放射能ごみのバラマキに反対する声が上がっています。本学習交流集会では、こうした放射能ごみのバラマキの裏側にあるものについて考え、各地での実態を共有し、放射能拡散政策を止めるための一助にしたいと考えています。多くの方々の参加をお願いします。

●2月16日(日)に、オプショナル・ツアーを計画中です(復興記念公園、双葉アーカイブなど)。
詳しくは、ちくりん舎または、放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会へお問い合わせください。

【問合せ】
●ちくりん舎     lab.chikurin@gmail.com   Tel&Fax  042-519-9378
●放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会  stopsyokyakuf@yahoo.co.jp

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原告6人が法廷で証言―南相馬20ミリ基準撤回訴訟

昨日12月11日南相馬・避難20ミリ基準撤回訴訟の第17回目の法廷が開かれました。今回はこれまでの長い裁判の中で、初めて原告6人に対する本人尋問が行われました。

 

東京地裁前には支援者・傍聴者がたくさん駆け付けた

法廷に立ったのは南相馬市原町区の3人の区長さん、Kさん、Fさん、Sさん、そして3人の子どもをもつお母さんEさん、那須塩原に一時的に避難していたSTさん、ふくいちモニタリングプロジェクトで周辺の測定をしたり尿検査を受けたHさんの6人。皆さん、法廷で50分近く原告側、被告側代理人(弁護士)からの尋問に答えるのは当然初めての経験であり随分と緊張したことでしょう。しかし皆さん立派にそして生々しく、南相馬市原町区の原発事故後の実態を証言されました。

原告側弁護士の皆さんが、住民6人の方の説明をこれまでの準備書面などを示しながら実にうまく引き出してくれたのが印象に残ります。

・避難指定や解除にあたっての測定は、玄関先と庭の中央など2点のみの測定だったこと。
・本人がいないときに勝手に測って数値の紙だけが残されていたこともあったこと。
・雨どいの下、家の裏側など周辺では高いところが一杯あること。
・解除にあたって説明会で解除に賛成する住民はいなかったこと。説明会で住民が反対意見を言っても「聞く耳を持たなかった」こと。
・避難指定が解除されたため、経済的な理由で戻らざるをえなかったこと。
・若い世代の家族は戻って来ないため消防団や地域の活動、産科、小児科がなくなり、保育園や幼稚園、小学校が閉鎖されコミュニティが崩壊したこと。
・ふくいちモニタリングの皆さんがきちんと丁寧に測っていること。
・50日間の保養で尿検査結果が急激に下がったこと。等々です。

それに比べて被告側弁護士の尋問はとてもいやらしいものでした。先に紹介した地域の生々しい実態についての質問は一切ありませんでした。事務的・手続き的な面での質問が続きました。

区長の3人は、行政区長と南相馬市の行政嘱託の業務を兼務しています。被告側弁護士は南相馬市の条例を示して、行政嘱託の業務に住民の意見を代表したりまとめたりする権限がないことを質問で迫りました。これに対して、3人はひるむことなく、行政区長と嘱託とは全く別の職務であること。行政区長は行政区の総員から民主的な方法で選出されていること、そして行政区長の役割として、行政区の住民の生命、財産を守ることが役割だとみごとに切り返しました。本当に地域のリーダとして日常から信頼されそして今回の20ミリ裁判でもリーダシップを発揮されていることを堂々と明らかにしたと感じました。

いやらしい質問は他にもあります。区長のFさんに対して、避難先の仮設住宅から戻ったのは何時か?と迫り、避難指定解除の前ではないかと質問してきたのです。これに対してFさんは、除染が始まり業者と住民(避難指定されていないので住んでいる住民もいる)との調整役として、昼も夜も業者や住民と話をしなければならなかったこと、そのために家族は仮設にいながら南相馬の自宅で過ごさざるを得なかったことなどを説明しました。

また、避難指定解除にあたり、2014年7月と10月と2回ほど通知や説明会があったことをたてにとり、「住民の反対意見で解除を延期しましたね」というような質問をしたのです。これはまさにトリックのような質問です。数か月で汚染状況が変わるわけはありません。住民に解除を通知してそれの反対が強いため、解除のタイミングを見計らっただけのものです。住民の意見を取り入れて解除を延期したなどと、到底いえるものではありません。

解除が実際に行われる12月の直前に説明に訪れた高木副大臣(当時)は、「まだ線量が高い」と反対する住民に「お掃除をしましょう」と言って解除したのです。実際に行われたのは枝葉などを掃除してごみ袋に入れておいて帰った、除染ならぬ「お掃除」だったのです。

被告側弁護士はこの「お掃除」について、「住民の方が残されたゴミ袋をごみ処分場に持って行くのを手伝いましたよね」と質問しました。家の前に残された「ごみ袋」を住民が善意で、あるいはしびれを切らせて不満ながら片付けたことは事実でしょう。

思わず「ハァ?!」と感じました。この質問をした被告国側代理人は、住民が善意で片付けに協力したことを「避難指定解除に賛成した事実」として裁判官に印象付けたかったのでしょうか。

裁判官がこうしたやり取りをどう受け止めたのでしょうか。
原告側弁護士に「最後に裁判長に伝えたいことはありますか」との質問にSTさんは「裁判長、あなたが私の立場だったらどう感ずるのか。自分のことに置き換えて考えていただきたい」と発言されました。

全くその通りだと思います。

次回法廷は4月24日となりました。

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