【団体賛同の呼びかけ】国際原子力機関(IAEA)専門家会合(第3回)公開を求める要望書

 【団体賛同の呼びかけ】

国際原子力機関(IAEA)専門家会合(第3回)公開を求める要望書

 除去土壌の再生利用等に関する国際原子力機関(IAEA)専門家会合(第3回)が2024年2月5日から同年2月9日まで非公開で開催されるとの報道発表がありました。

 直前になりますが、本会合を公開で行うよう求める要望書を提出したく、賛同を募集いたします。時間がないため、先行して2月2日に呼びかけ団体で提出し、連名で5日当日朝までに提出したいと考えます。なおIAEA本部には、本日2月1日付で送信致しました。

 ご賛同いただける場合は、2月4日(日)21時までに、
団体名とご連絡先を stopshokyakuf◎yahoo.co.jp までお送り下さるようお願いいたします。(◎を@に変えてください)

呼びかけ団体

放射能拡散に反対する会

福島老朽原発を考える会(フクロウの会)

NPO法人市民放射能監視センター(ちくりん舎)

NPO法人新宿代々木市民測定所

放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会

担当:和田

 

2024年2月1日

環境省環境再生・資源循環局 

環境再生施設整備担当参事官室 

参事官 内藤 冬美 様

国際原子力機関(IAEA)専門家会合(第3回)公開を求める要望書

 除去土壌の再生利用等に関する国際原子力機関(IAEA)専門家会合(第3回)が2024年2月5日から同年2月9日まで非公開で開催されるとの報道発表がありました。

 本会合では、除去土壌の再生利用と最終処分に関する安全性や基準の考え方、住民等とのコミュニケーション等が議題となっており、環境省はIAEAの評価を元に省令改正を行おうとしています。しかし以下の理由から非公開ではなく公開で行うべきであると考えます。

(1)除去土壌は、原発事故によって避難を余儀なくされた福島県民の居住環境の回復を目的に実施された除染によって発生したものであり、6兆円もの税金を投じたナショナルプロジェクト(環境省有識者会議)であるとされています。その再生利用や最終処分の方針については、その検討過程も含めて広く国民へ公開することは必要不可欠です。

(2)環境省が進めようとしている除去土壌の再生利用は、国民の生活や健康に少なからぬ影響を及ぼす上、法で定められたものではなく、一部の専門家の評価を根拠に省令改正で進めるべきではありません。

(3)環境省は再生利用について「全国民的理解の醸成」を強調していることとも矛盾します。国民的理解は現在環境省が進めているような広告・宣伝業者を使った一方的宣伝ではなく、透明性のある情報公開と国民との双方向のコミュニケーションにより達成すべきものです。

(4)本件のような全国民に影響を及ぼす事柄は少なくとも国会での熟議の上で法改正を行うべきです。国会議論のためにも検討過程の議論の内容については公開が必要不可欠です。

 つきましては、私達はIAEA専門家会合の公開を強く求めます。

以上

放射能拡散に反対する会

 
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大崎放射能ごみ焼却住民訴訟控訴審-第1回法廷で結審

1月25日仙台高裁において大崎放射能ごみ焼却住民訴訟控訴審の第1回法廷が開かれました。

控訴理由書はこちらからDLできます。

仙台高裁前での開廷前集会であいさつする草場弁護士

この第1回法廷での最大の焦点は、第1審判決が「放射性微粒子の拡散により住民の平穏生活件が侵されているという主張に対しては、環境省やICRPの主張を鵜呑みにして権威にすがって棄却。原告が主張した放射性微粒子の吸入による内部被ばくの危険性についての科学論争には、踏み込むことを避けた」点について、矢ケ崎克馬琉球大名誉教授と青木一政ちくりん舎副理事長の証人尋問を実現させることにありました。

冒頭で原告弁護団代表の松浦弁護士が控訴理由書を説明。第1審が形式的判断で原告主張内容にほとんど踏み込まず、事実上の門前払い判決であったことを批判しました。その上で矢ヶ崎克馬琉球大名誉教授と私の証人尋問申請をしました。

小林久起裁判長はこれについて、被告側の意見を聞いた後(もちろん不要と主張)、「裁判所としても証人尋問は不要と考えている」と発言。一瞬、傍聴席からざわざわと驚きと落胆と怒りの混じった様な反応が起こりました。

すかさず原告弁護団が次々と発言し、色々な観点から証人尋問の必要性を次々に述べました。小林裁判長はさすがにこのまま閉廷とは行かず、裁判官で合議するとして一旦法廷から退席しました。約30分くらい異例に長い合議が続きました。その間、傍聴席からは「なぜ証人尋問をしないのか」「尋問が不要とだといる理由は何か」「裁判所は原告が明らかにした焼却炉煤塵漏れを理解しているのか」などと不満や不安の声が飛び交いました。

長い長い合議の後、再度登壇した小林裁判長は再び「証人尋問の必要はないと考える」と発言。しかし発言はそれだけでは終わりませんでした。概略、以下のような発言が裁判長から述べられました。

ーー本審としては、第1審の様な形式的、外形的な判断枠組みは維持出来ないと考えている。除染特措法の8000ベクレルが事故直後の除染実施のための緊急避難的なものであった経緯や、地元住民との「申し合わせ」、「協定書」締結時は放射能が撒き散らされるという予想はつかなかったし、「重金属等」と「等」の文言が入っていること。被告側も煤塵が漏れていないとは主張していないことなど。また原告側の証拠が十分提示されていることから、新たな判断枠組みで判決をしたいーー

実質的な結審宣言です。原告弁護団は、それでは判決までにもう一度、これまでの主張と証拠を整理した文書を出したいと発言。3月末にその文書提出、その後、6月6日15時から判決するとして閉廷しました。

さて、この小林久起裁判長の一見原告に寄り添った様な発言をどうとらえたら良いのか。裁判長のこの様な心証発言と言うのは異例なことらしい。仙台高裁の中では「気骨ある」人という評判や、今年で定年退職を迎えるので裁判を長引かせたくないのではないかという期待の一方、リップサービスでまた裏切られるのか、という不安もある。

法廷後の報告集会で原告団長阿部忠悦氏から「判決まで半年近くある。裁判所への要請行動などできることをやっていきたい」との決意表明がありました。

新たに提出した証拠書類について説明するちくりん舎青木一政

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焼却炉排ガス吸入による風下住民の内部被曝-新たな証拠提出(大崎住民訴訟)

放射能ごみ焼却の中止を求める大崎住民訴訟の控訴審第1回法廷が1月15日仙台高裁で開かれました。

フクロウ放射能測定プロジェクトではちくりん舎と共同でこれまでも、リネン吸着法風下住民の尿検査、稼働中の玉造クリーンセンター(以下CC)での排ガス検査などで住民訴訟を支援してきました。

今回の控訴審に向け、玉造CCの排ガス中のセシウム粉塵漏れと、それを吸入することで風下住民がセシウムを体内に取り込んでいたことを示す新たな証拠を提出しました。

以下、この新たな証拠の内容について解説します。

 

新証拠の要旨(調査目的と内容)
・2020年から放射能汚染ごみ焼却を続けて来た玉造CCは2022年3月31日に稼働を終了しました。
・私たちは同CCにおいて放射能汚染廃棄物焼却中の2021年に風下住民の尿検査を実施し、排ガス中のセシウム粉塵吸入による内部被ばくが発生していることを既に明らかにしています。
・今回、同CCの老朽化にともなう稼働停止により、風下住民の内部被曝状態の変化を調べるため、稼働停止から約1年3か月経った2023年6月から10月までに前回の被験者を対象に再度、尿検査を実施しました。

下図がその結果です。

図の横軸は玉造CC稼働中の風下住民のs4時間尿中セシウム排泄量(以下Cs24ex)を示します。単位はBq/dayとなります。図の縦軸は玉造CC閉鎖後約1.5年後の風下住民のCs24exを示します。図の各点が被検者個人に対応します。黒点線は、約1.5年間のセシウム137の自然減衰(半減期30.2年)を示します。つまりこの黒点線の上方にプロットされた人は2021年の検査に対して23年の検査でCs24exが増加したことを示します。また黒点線の下方にプロットされた人は23年の検査でCs24exが減少したことを示します。黒点線上の人は2回の検査で変化が無かったことになります。

被験者18名のうち12名が減少、3名が上昇、3名が同等であることが読み取れます。全体の被験者のうち66%の被験者が、玉造CC閉鎖によりCs24exが減少したということは、玉造CCが稼働中は同CCからの排ガスを吸入することで風下住民はセシウムを体内により多く取り込んでいた。玉造CCが稼働停止したことで、排ガス吸入によるセシウムの取り込みが無くなったことを示す有力な根拠となります。

詳しくは裁判所に提出した証拠書面をお読みください。こちらからDLできます

 

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報告:ちくりん舎オンライン学習・懇談会「南相馬の野菜栽培農家の実情と内部被ばくへの影響」

皆様

大変遅くなり申し訳ありません。1月6日に開催したちくりん舎オンライン学習・懇談会のZOOM録画をFFTVにアップしていただきましたのでそれを共有いたします。また当日のプレゼン資料も添付いたします。

後半の意見交換では、食物の土壌からのセシウム移行率などの話しや、本論を論文化してはどうかなどいろいろ貴重なアドバイスやご意見が出ました。

報告の結論がやや分かり難かったかもしれませんが、南相馬原町区西部など土壌汚染が高いところは屋外活動で土壌粉塵の慢性的な吸入によるセシウム摂取が無視できないほど高くなる可能性が大きいということです。

双葉、浪江、大熊等に続き帰還困難区域の復興拠点の除染(といっても住宅周辺20メートルというのは変わらない)で避難指示解除が進められています。土壌汚染の舞い上がりの吸入摂取の問題について、環境省などは影響が少ないとして全く考慮されていません。また非水溶性の超高濃度なセシウムボール(CsMP)がフクイチ周辺ではかなり沢山含まれていることなどの研究も進んでいます。空間線量のみの評価での安易な避難指定解除は大きな問題があることを改めて確認したいと思います。

ZOOM録画は下記をクリックしてください。

当日のプレゼン資料のDLはこちらから出来ます。

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1月6日(土)ちくりん舎オンライン学習・懇談会「南相馬の野菜栽培農家の実情と内部被ばくへの影響」

2023年10月20日ちくりん舎メンバー3名で南相馬原町区の野菜自家栽培農家さん6軒を訪問し、栽培野菜や畑の土壌採取、聞き取り調査を行いました。その結果と尿検査から判明した内部被ばくへの影響について説明します。懇談では帰還困難区域での避難指定解除の問題や除去土壌(汚染土)再利用などについて情報共有や議論をしたいと思います。

●日時:2024年1月6日(土)午前10時~12時

●形式:ZOOMによるオンライン会議

●参加方法:こちらから必要事項を書き込み申込んで下さい。(1月5日17時〆きり)
      ZOOMアドレスをお贈りします。
     ※直接メールで参加申込することも可能です。その場合は lab.chikurin@gmail.com
      下記事項を記入して申し込み下さい。(お名前、メールアドレス、所属または住所(県まで))

●参加費:無料    

 

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ちくりん舎ニュース34号

ちくりん舎ニュース34号をアップしました。

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録画と資料アップしました:<オンラインセミナー>福島第一原発汚染水被ばく事故で問われる東電の責任

12月19日、FoE Japanとフクロウの会共催で<オンラインセミナー>福島第一原発汚染水被ばく事故で問われる東電の責任が開催されました。

ジャーナリストのまさのあつこさんによる、本件事故を中心に最新情報も織り込んだ解説のあと、元プラントエンジニアでフクロウの会の青木一政さんから、本件事故を通じて明らかになった東電の体質的な問題の解説がありました。

フクロウFoEチャンネルでZOOM録画が公開されましたのでご紹介します。

また、発表者の資料も下記からDLできますのでご活用してください。

まさのあつこさんのプレゼン資料はこちらからDLできます。

青木一政さんのプレゼン資料はこちらからDLできます。

 

 

 

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<オンラインセミナー>福島第一原発汚染水被ばく事故で問われる東電の責任

オンラインセミナーのお知らせ

福島第一原発・汚染水被ばく事故-問われる東電の責任

https://kiseikanshi.main.jp/2023/12/11/122222-2/

12月19日(火)19:00~20:30

Zoomにて行います。以下から登録してください

https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZEtduGprjsvHtbrS44GiZhFnm8fN8PSNE5H

福島第一原発の汚染水の処理設備で廃液が飛び散り、作業員が被ばくする事故は、飛散した水の量や関係する作業員の人数など、記者の追及により次々と訂正される状況が続いていますが、ずさんな工程管理が行われていた実態がようやく明らかになってきました。柏崎刈羽原発の再稼働で問題になっている東電の原発を運転する能力にも関わる問題です。

東電記者会見の場で追及を続けるジャーナリストのまさのあつこさんと、製造プラントの工程管理を知る元技術者でフクロウの会事務局長の青木一政さんにお話を聞きます。

12月19日(火)19:00~20:30

お話 まさのあつこさん(ジャーナリスト)

   青木 一政さん(フクロウの会:元技術者)

主催 FoE Japan 福島老朽原発を考える会(フクロウの会)

 

Zoomにて行います。以下から登録してください

https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZEtduGprjsvHtbrS44GiZhFnm8fN8PSNE5H

 

よろしくお願いします。

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南相馬の野菜栽培農家を訪問-ヒアリングと検体採取

10月20日、南相馬市原町区の野菜栽培農家さん6軒を訪問してヒアリングと検体採取をしてきました。

「新宿御苑への放射能汚染土持ち込みに反対する会」と「放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会」共催で福島の汚染土(除去土壌)中間貯蔵施設やイノベーションコースト構想施設を見学するツアーに参加。ツアー終了後、ちくりん舎からの参加者3名で南相馬へ1泊し、南相馬で放射能汚染を調査している小澤洋一さんの案内で実現したものです。

調査の目的は「高木基金22年度助成成果報告会」での発表で、南相馬住民の方の尿検査アンケートで「野菜自家栽培」と答えた方が、比較的高い値を示す傾向が見られたため、これが野菜摂取によるものか、農作業等によるセシウム粉塵の吸入によるものかを明らかにすることです。結果は、これからの分析を待たなければなりませんが、本報告では、訪問の様子を紹介します。ーー以下、FB記事をもとに若干の追加訂正をしたものですーー

イノベツアーで小高まで行ったので、ちくりん舎の3人と台湾から来たジェイさんは1泊延して南相馬へ。目的は尿検査で比較的高めの傾向を示した自家栽培野菜を食している農家さん6軒の訪問ヒアリングと畑の土、栽培野菜のサンプリング。

 

 

小澤洋一さんが同行してくれました。皆さん気さくに、親切に対応してくれました。こういうことが出来るのも、20ミリ基準撤回裁判で築いた人間関係、信頼感だと思います。汚染された土地で暮らさざるを得ず、眼の前の畑で野菜を作って食べる。尿検査でセシウムが出たからと言って、調べに来られたら、普通は心穏やかではないはず。


でもそれぞれの事情や最近の健康状態、お互いの変わり様(20ミリ裁判提訴から、かれこれ10年、お互いに歳をとりました)も含めて親戚を訪ねたような雰囲気。上がってお茶を飲んでいけとすすめられましたが6軒回るのでそれはさすがにできませんでした。

いろいろ話して吐き出したいこともきっとあったと思うと少し残念。このような関係が築けただけでも20ミリ裁判はムダではなかったと、つくづく思います。

詳細の結果は未だどちらとも断言できませんが、お一人だけ「野菜自家栽培」ではないのに、24時間尿からのセシウム排泄量が高い方がいらっしゃいました。その方は家の前に大きな花壇があり、花の世話で草むしりなど、ほとんど毎日2-3時間庭にいるとのことでした。その大きな庭の向こう側に道路があるのですが、ダンプトラックの往来が田舎道にしては激しいのです。聞いたところ、山に採石場があり、復興工事などで砕石場へ向かうダンプが多いとの話です。ダンプが通れば目に見えない細かい粉塵が舞い上がります。おそらくこれを日常的に吸い込んでいる結果に間違いありません。

やはり現地へ行ってみての調査の重要性を再認識しました。

 

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汚染土(除去土壌)再利用反対!ちくりん舎福島ツアー報告①(2023/3/14)

新宿御苑と所沢市に汚染土(除去土壌)再利用実証事業計画が明らかになったことから、ちくりん舎では、除去土壌中間貯蔵施設見学と所沢、新宿御苑、所沢市の「実証事業」予定地を回るツアーを3月14-17日に実施しました。

諸事情により大変遅くなり、その間に汚染水海洋放出など、新たな事態も進んでしまいましたが、記録として残しておくことが大切と考え順次アップして報告することにしました。

1回目は3月14日、福島県南相馬市小高の「希望の牧場」、ふくいちモニタリングプロジェクトの皆さんとの交流の内容です。

ふくいちモニタリング(ふくいち周辺環境放射線モニタリングプロジェクト)は活動費カンパを募っています。毎月1回1週間、完全ボランティアでの測定は大変な作業ですが、貴重なデータを残してくれています。是非ご協力を。

http://www.f1-monitoring-project.jp/kampaniya.html

<支援金:受付窓口>
●ゆうちょ銀行からのお振り込み先口座番号:10390−96421651
口座名称:ふくいちモニタリング・プロジェクトカナ呼称:フクイチモニタリングプロジェクト
●他の金融機関からのお振込み先店名:〇三八(読み:ゼロサンハチ)店番:038
預金種別:普通預金口座番号:9642165
***************************
ふくいち周辺環境放射線モニタリング・プロジェクト

 

 

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大崎市放射能ごみ焼却住民訴訟で不当判決

 10月4日、仙台地裁において大崎市農林業系放射能汚染廃棄物の一斉焼却の中止を求める住民訴訟第一審の判決言い渡しがありました。判決は「原告らの請求をいずれも棄却」するという不当判決でした。

 争点は以下の三点でした。原告らの住民組織との①覚書違反、②申し合わせ違反、③放射能汚染ごみ焼却により周囲に放射性セシウムを含んだ微小粒子が拡散することによる人格権侵害(平穏生活権)、①の覚書について、「重金属物質を含まない」という文言がある点について、セシウムは重金属に当たらない、という極めて形式的判断でこれを退けました。②の覚え書き「機能・設備を変更する場合は住民の合意を得る」に対して、放射能ゴミ焼却はそれに当たらないと、これも極めて形式的判断で棄却。また同申し合わせの「住民から不安・疑問が出された場合は直ちにその改善に努めます」という文言についても、努力義務を定めたものにすぎないとしました。③の放射性微粒子の拡散により住民の平穏生活件が侵されているという主張に対しては、環境省やICRPの主張を鵜呑みにして権威にすがって棄却。原告が主張した放射性微粒子の吸入による内部被ばくの危険性についての科学論争には、踏み込むことを避けました。

 また、原告の主張で実現した、実際の放射能ごみ焼却中の排ガス検査(環境省の定めた「公定法」の時間延長)結果で、ばいじんが被告側の依拠する国立環境研大迫論文の3~12倍漏れていることが判明、環境省の説明の99.9%捕捉論の根拠が崩れたにもかかわらず、そのことを無視しています。

 原告団は、本判決が「穴だらけ」のものであるとして、即刻控訴することを表明。原告団長も即刻控訴することを表明しました。

 原告団・弁護団声明はこちらからDLできます。
 判決文(個人情報抹消済み版)はこちらからDLできます。(2023.10.6追記)

 青木正芳弁護団長からは、覚え書きや申し合わせは、いずれも公害防止のためのもの。締結当時の経緯、趣旨、目的に沿って理解しなければいけないと指摘。だから玉造CCでダイオキシンが問題になった時、覚え書きの趣旨に沿って止めたではないか。裁判所は放射能の問題になると対応がおかしくなる…どうしてこうなるのか、と指摘されました。

 バグフィルタからの微小粒子漏れ、実際の焼却炉での公定法の時間延長による排ガス調査など、技術面で全面的に協力してきた、ちくりん舎・青木一政にも発言を求められ、「汚染水の海洋放出、汚染土(除去土壌)の全国での再利用など、政府は放射能ばらまきを本気で進めている。薄めて流せば害はない、というのは20世紀の考え方だ。地球規模で人間の活動による影響がでている。私たちの主張は横断幕にある「放射能 拡散させるな!」ということそのものだ。環境省が根拠とする大迫論文の99.9%捕捉論が、原告主張の方法でデータで突き崩したことは大きな成果だ。こうした積み上げの元に控訴審でも共に頑張りましょう」との発言をしました。

 

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高木基金22年度助成成果報告会で発表しました

9月17日「高木基金22年度助成成果報告会」において、「福島原発事故による放射能汚染地域に住む住民の尿検査による内部被ばく実態調査」というタイトルで報告させていただきました。

当日は、ネット環境の問題でオンライン視聴者には、一部音声が途切れるトラブルがあったようですが、基本的にプレゼン資料の読み上げなので、資料を読んでいただければ理解はできると思われます。

いずれ、高木基金のサイトでも、資料やZOOM録画が公開されると思われますが、こちらからも資料をダウンロードできるようにしましたので、ご関心のある方はDLしてご覧ください。

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【報告】ちくりん舎オンライン学習・懇談会「福島復興の暗い闇」

9月8日ちくりん舎オンライン学習・懇談会「福島復興の暗い闇」が開催されました。

当日は約40名のご参加がありました。参加されたみなさまありがとうございました。

ちくりん舎の青木から、福島第一原発汚染水海洋放出に関する問題点の説明があり、その後、放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会の和田央子氏が、政府のずさんな放射能ごみ処理の問題点、「福島イノベーションコースト構想」なるものの実態を説明されました。

イノベ―ションコースト構想とは原発事故被害者への補償や救済を置き去りにしたまま、有り余る「復興予算」に群がる企業群(なんんと東電下請け企業や東電出身者も暗躍している)や政府系NPOなどが数々のハコモノ建設推進、その中には軍事研究と関連するようなものまで含まれていることなど、まさにショックドクトリンそのものであることを説明されました。

また若者をターゲットに絞って巨額の金を使った「安全」「復興」キャンペーンがすすめられていること。そして、なんと、これらの構想の下敷きになっているのが、米国でプルトニウム生産と水爆開発を行って汚染された地域を「復興」と称して汚染処理はそのままに「新たな街づくり」進めた「ハンフォオード・モデル」であることなどが報告されました。ち密で広範な調査に基づく氏の報告は大変貴重なものでした。

◉当日のZOOM録画はこちらからご覧になれます。

◉和田央子氏のプレゼン資料はこちらからDLできます

◉当日参加された皆さんからのアンケートを、ご本人の了解を得て紹介させていただきます。
 こちらをクリックしてDLできます。

 

 

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汚染水海洋放出に抗議!

汚染水海洋放出に抗議!を作成、ちくりん舎ニュース33号送付(同封)等で配布いたしました。

 

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大気浮遊塵中のセシウム濃度推移グラフ

2022年度(~2023.3月)までデータ更新しました。
大気浮遊塵中のセシウム濃度推移グラフ(2017~2023.4)
   no1-20     no21-42     
(容量限界のため2分割にしています。)          

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ちくりん舎ニュース第33号を発行しました

ちくりん舎ニュース第33号を発行しました 
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9・8(金)19:30 ちくりん舎オンライン学習・懇談会「福島復興の暗い闇」

ちくりん舎オンライン学習・懇談会「福島復興の暗い闇」

◉お話し:「福島復興の暗い闇」 放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会 和田央子氏
◉日時:9月8日(金)19:30~21:30頃まで(19:15頃から開場します)
◉形式:ZOOMによるオンライン
◉申込方法:こちらから必要事項を登録してください。締め切り9月8日(金)12時
◉登録された方には当日17時頃にZOOMアドレスをメールにて送ります。
◉参加費:無料

 8月24日福島第1原発の汚染水の海洋放出が始まってしまいました。「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」と福島県漁連と文書での約束を一方的に破棄するものです。汚染水放出は「福島の復興と廃炉に不可欠」という説明には全く正当性はありません。国際的理解も得られていません。岸田首相は「聞く耳」を持たない民主主義の破壊者であることを明らかにしました。

 汚染水の海洋放出だけではありません。放射能ごみの焼却、放射能汚染木を燃料とする木質バイオマス発電、汚染土の再利用等々。被災者・被害者を置き去りにし、その心を逆なでするような放射能ばら撒き政策が進められています。

 原発事故被害者の置き去り・切り捨てと表裏一体をなすものが、現在福島県で進められている「イノベーション・コースト構想」です。福島原発事故の後始末として膨大な復興予算を使って実際は何がすすめられているのか。早くからこの問題を調査し発信されている和田央子氏のお話を聞き考えてみましょう。

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7月19日盛岡市でお話ししましたーバグフィルタでは有毒微小粒子の拡散を防止できないー

7月19日盛岡市内で「ごみ処理問題を考える8市町連絡会」主催による勉強会が開かれました。

主催者からの依頼で「バグフィルタでは有毒微小粒子の拡散を防止できない~放射能ゴミ焼却裁判の経験から~」と題してお話ししました。

 

 盛岡市周辺の8市町ではゴミ焼却施設を統合化する計画がすすんでいます。1日当たり500トンのゴミを焼却します。地元推進派からは2021年2月「絶対に溶融炉」を条件に受入れ表明されています。

炉型については今年2月に設立された盛岡広域環境組合の施設整備検討委員会で検討することになっています。これまで頑なに一日焼却量500t(災害ごみ50トン含む)としていましたが、昨年11月のごみ処理広域化推進協議会への公開質問状に対する回答では、今後の人口減少、ごみ減量により約360t(災害ごみは含まれていません)になると回答しています。

しかも盛岡市街地から数キロの場所8市町の施設が老朽化しているという訳でもないようです。サーマルリサイクルとか謳っていますが発電や温水利用の計画はハッキリしません。8市町からゴミ収集となると輸送にかかるCO2排出や交通問題、近年多くなった大雨による災害のリスクよるも出て来ます。どうして現職市長は統合化、集中化、巨大化にこだわるのでしょうか?

何やら原発推進や福島復興と同じような匂いがプンプンします。

私が発表したプレゼン資料はこちらからDLできます。

 

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SAVE the 御苑デモ!ー汚染土も汚染水も拡散しないで

6月4日(日)に「SAVE the 御苑デモ!」が行われました。

新宿駅東口アルタ前から出発。新宿歌舞伎町前の靖国通りを新宿御苑を目指して100人以上が参加。新宿御苑を訪れた人や新宿駅周辺の多くの人に、環境省が計画している福島県の除染土(汚染土)の新宿御苑への持ち込み(実証事業)に反対を訴えました。

道行く人々のほとんどがこの計画を知らないようで、外国人も含め注目を集めました。

デモスタート前にはちくりん舎からも少しだけアピールさせていただきました。中間貯蔵施設では既に埋立の終わっている汚染土をわざわざほじくり返して「実証事業」と称して新宿御苑など首都圏でのバラマキを踏み台にして全国に放射能汚染土をばら撒く計画の危険性をお話ししました。

同じく実証計画が発表された所沢からも駆け付けた仲間からのアピールがありました。

反対行動は今後も続きます。是非ご注目と御協力を!

新宿御苑への汚染土持ち込みに反対する会のツイッターをフォローしてください。

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大崎市放射能ごみ焼却住民訴訟が結審(その2)

 前回に引き続き、大崎市放射能ごみ焼却住民訴訟最終口頭弁論期日の報告です。

 本裁判の主要争点は、大崎市の一般ごみ焼却施設(3箇所)において、8000Bq/kg以下の汚染稲わら、汚染牧草等の焼却が、地元自治会や水利組合との協定違反に当たるかどうか、という法的争点に加え、放射能ごみ焼却によりセシウムを含む微小粒子の周辺への拡散が、がんやそのたの疾病リスクを高めるため周辺住民の平穏生活権を侵害する点が争点になっています。

法廷では前回ブログで紹介した「バグフィルターはセシウムを含む微小粒子を捕捉できない」とのビデオ証言に加え、矢ケ崎克馬琉球大名誉教授の、「低線量内部被ばくによる危険性」のビデオ証言が放映されました。

矢ケ崎名誉教授のビデオ証言を紹介します。(下記の画像をクリックすると証言ビデオが見れます)

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