宮城県大崎市で行われている、汚染廃棄物焼却試験の後半3か月(2019年1月~3月末)までの監視結果が出ました。リネン吸着法で実施した大気中の粉塵中のセシウム濃度は、前半3か月(2018年10月~2019年1月)の結果と同様に、大崎市玉造クリーンセンターからのセシウム漏れを示唆する内容でした。
ちくりん舎では宮城県大崎市の住民グループの皆さんと協同で、市内3か所のごみ焼却施設での汚染廃棄物試験焼却をリネン吸着法で監視しています。前半3か月の監視結果は玉造クリーンセンターからのセシウム漏れを示唆する結果でした。この結果は、地元住民による試験焼却差止仮処分申し立ての証拠書面として裁判所に提出しました。
今回、明らかになったのは、この玉造クリーンセンターでの後半3か月での監視結果です。その結果は大枠で見ると前半3か月とほぼ同じで、風下にあたる東南方向2.5km付近で最大の濃度を示すものです。
後半3か月と前半3か月の結果を比較はこちらからダウンロードできます。玉造クリーンセンター周辺後半調査結果
注目の試験焼却差止仮処分申立ては、4月26日に裁判所の決定が下されました。この裁判所決定は債務者(被告側にあたる)の主張をそのまま踏襲するようなもので、放射能再拡散という健康リスクに直面する住民の立場を一切考慮しないひどいものです。リネン吸着法による監視結果についても、「地面からの舞い上がり」などと、債務者側の主張をそのまま認めるもので、当方が指摘した「(地面からの舞い上がりを認めたとしても)風向との関係で風下方向に高いことは玉造クリーンセンターからの漏れを示している」という当方の主張を一切無視するという酷いものです。
住民側はさっそく特別抗告の準備に入っています。今回明らかにされた後半3か月の結果もこの特別抗告のための証拠として提出される予定です。
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