大崎市放射能ごみ焼却住民訴訟で裁判長が原告主張の排ガス測定を指示

2021年9月22日、仙台地裁において、大崎市放射能ごみ焼却住民訴訟の第13回口頭弁論期日が開かれました。裁判後に開かれた進行協議において、斉藤允洋裁判長は原告側の要求どおりの6.5日間分の排ガスを収集し、検出限界を下げた測定を被告に提案しました。被告側もこれを了承し、11月中旬に、原告らが手配した業者により、排ガス調査が行われることになりました。

9月23日付河北新報朝刊(クリックでpdfファイルが開きます)

原告側にとって大きな一歩前進です。

宮城県大崎市では、市内3か所の焼却炉において昨年より、汚染牧草や汚染稲わらなどの本格焼却が始まっています。この焼却は一般ごみとの混焼というかたちで、7年間に渡って続けられる予定です。

地元の住民は「覚え書き」違反と、排ガスによる放射能再拡散が平穏生活権を侵すとして、市を相手取り、放射能ごみ焼却への公金支出停止を求める裁判を行っています。

ちくりん舎とフクロウの会は、試験焼却の段階からリネン吸着法調査などで、焼却炉からのセシウムを含む粉塵漏れ調査を行い、それを証拠資料として提出するなど、この裁判の支援を行ってきました。

被告側は、排ガス検査で不検出であり漏れていないと主張してきたのです。この排ガス検査は環境省の定めた公定法と言われる方法で、環境省の定める30Bq/㎥という非常に緩い基準に対応して検出限界も緩いものになっています。

原告側は、不検出はゼロでないこと、検出限界以下であることを示すにすぎないこと、排ガス収集時間を延ばすことなどにより検出限界値は下げられることを法廷で丁寧に説明してきました。その結果もあって、裁判所は原告の主張する方法で、排ガスを測定することを決めました。ところが被告側は、具体的方法を巡ってあれこれ難癖とも言える主張を進行協議の場で行い、ズルズルと半年以上も裁判は空回り状態に陥ったのです。

今回、斉藤裁判長は原告の提案する方法で実施することを被告側に通告し、被告側も了承したものです。これまで各地の焼却炉裁判などで、バグフィルタの漏れは指摘されてきましたが、環境省の定める公定法が壁になり、実際に排ガス中にセシウムがどれくらい漏れているのか、具体的な数値は掴めませんでした。その意味で今回の結果は原告のみならず、各地でのバイオマス発電や焼却炉をめぐる裁判にも大きな影響が及ぶものです。実際の測定は11月中旬頃から実施される予定です。結果にご注目下さい。

裁判本体は、排ガス中の放射能を吸入することによる内部被ばくリスクの問題、それによる平穏生活権の侵害などに論点が移ります。今回の裁判でも、内部被ばくを過小評価するICRPの計算方法の欺瞞性や、内部被ばくによる危険性を認めた「黒い雨」裁判判決などを引用しての陳述を草場裕之弁護士が行いました。

 

 

 

 

 

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