福島県は県内49か所にエアダストサンプラーを設置して大気中浮遊じんの核種別濃度を測定し公開しています。http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/16025d/taiki-huyuzin.html
しかし福島県公開データは数値のみの公開であり、月度毎の変化や地域間でのレベル差などの比較はほとんど不可能です。
今回、私たちは福島県の2017年度公開データをもとに、その値をトレンドグラフ化しました。測定地点により検出下限値の違いなどがあり、分析に注意は必要ですが、それでもグラフ化することでいくつかの特徴が分かります。(特に週間測定データでは検出下限値が0.3Bq/m3と高い箇所があるため注意が必要です)。
(1)福島県各地で継続的に大気中粉じん中にCs‐137が検出されていること。時間とともに減衰するような傾向はみられず、時により濃度上昇があること。
(2)地域によるレベル差がある。大熊町、双葉町、浪江町など福島第一原発周辺の地域はレベルが高い。南相馬、飯館、いわきなどのでも場所や時期により比較的高い値を示す。
【2017年度~2018年度推移グラフ】 福島県公開データに基づきます。
・測定地点(マップ)
・大気浮遊塵中のセシウム濃度推移グラフ(2017,18年度) 随時更新していきます。
・2017年度週間測定地点グラフ
フクイチ構内での「廃炉」作業に伴う建屋開口工事、除染土リサイクル実証試験、放射能汚染ごみ焼却、木質バイオマス発電での汚染木焼却、中間貯蔵施設への除染土の搬入、高濃度焼却灰の富岡町最終処分場への搬入、中間貯蔵施設予定地の建屋の解体工事など、今後も様々な形で大気中粉じんへの放射性物質の拡散の可能性があります。
私たちは引き続き、福島県発表データ、リネン吸着法による独自調査等により、大気中粉じんの放射能汚染の可視化の取り組みを継続してゆきます。