田村バイオマス訴訟第2回法廷が開かれました

1月28日福島地裁において田村バイオマス訴訟の第2回法廷期日が開かれました。法廷では双方の提出書類の確認の後、裁判長から原告側が主に訴えているHEPAフィルタの問題は突き詰めていうとどういうことかという旨の質問がありました。それに対して坂本弁護士からは

①設備規模の問題、プレフィルタがないためフィルタの目詰まりしやすい、ダクト内でフィルタ交換すると言っているがスペースが狭いなど、要はHEPAフィルタの性能が発揮できないということだ。

②今回提出した準備書面に詳しく記載した。

③被告弁護側からの答弁書で説明資料は概要図であり、原告側からの批判は当たらないと言っているが、それならば詳細設計図を開示して原告側の指摘に対して説明して欲しい。

との発言がありました。

それを受けて、裁判長は被告側弁護士に対して、それでは被告側で設計図をもとに反論しますかとの問いかけがあり、被告側弁護士はそれを了承しました。

次回の法廷期日は3月24日13時10分からと決まりました。

裁判終了後、市民会館で報告集会が開かれました。集会には約30名の方が集まりました。宮城県黒川や石巻市から放射能ごみ焼却の運動をする市民や、飯舘村村会議員の佐藤八郎氏、福島原発告訴団長の武藤類子氏などの出席もあり、この問題への注目が徐々に広がっている感じを受けました。

報告集会では坂本弁護士からあらためてこの裁判の趣旨についての説明がありました。

その後、ちくりん舎の青木から、今回証拠書類として提出した「田村バイオマス発電設備のHEPAフィルタについて」という文書で田村バイオマス発電のHEPAフィルタが偽物であるという根拠についての解説がありました。

田村バイオマス発電施設におけるHEPAフィルタについて

技術的に見れば田村BEのHEPA設備は全く住民だましのお飾りであることがますます明らかになっています。次回法廷で被告側は詳細図面などをもとに説明をすることを裁判長の前で約束しました。どのような説明が出てくるのか、注目されるところです。

 

原告団長の久住秀司氏から、現場で進む工事状況についての写真を見せながらの報告がありました。田村BEは工事を急いでいる様子がうかがえるとのことです。

 

 

それぞれの報告の後、支援者や原告を含めての意見交換がありました。現地では工事が進んでしまっている状況もあるが、マイクで街宣を行う中で「裁判も提訴して闘っている」というと大きな反応がある、力を合わせてやっていこう、という元気の出る発言があり集会を終えました。

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福島県「聖火リレーコース線量調査」が示す放射能汚染状況

 福島県は1月21日「聖火リレールートにおける環境放射能モニタリング結果」を発表しました[1]。その結果によれば、車道では「平均値は0.04~0.15マイクロシーベルト。測定地点の最大値の0.46マイクロシーベルトは郡山市で記録された」、沿道では「区間の平均値は0.04~0.25マイクロシーベルト。測定地点の最大値の0.77マイクロシーベルトは飯舘村だった」と報道されています。また飯舘村沿道の0.77マイクロシーベルト地点にかんして「ここに4時間滞在した場合の追加被ばく線量は0.003ミリシーベルトで、国の目安の年間1ミリシーベルトと比べて問題ない」との説明があったと報じられています。[2]

[1] 「東京2020オリンピック聖火リレールートにおける環境放射能モニタリング結果情報」
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/torch-mon-detail.html

[2]聖火リレー「問題なし」 福島県が放射線量を測定 河北新報2020.1.22
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202001/20200122_61002.html

これだけでは実態が良くわかりません。福島県発表のデータにもとづいて分析をしてみました。

先ず注目すべきは飯舘村の沿道の放射線レベルが極めて高いことです。下図が飯舘村の沿道調査個所合計404地点の線量の分布を示します。

福島県発表では平均は0.25μSV/hです。コース全体の平均が「汚染状況重点調査地域」にあたる0.23μSv/hを超えています。この値以上であれば国の責任で除染が必要な地域として指定される場所です。既に除染は「完了した」としているわけですがこのコース全体が依然として国が定める除染対象区域であることになります。

図1からも分かるように0.2μSv/h未満の場所は半分以下の188箇所(47%)です。約半分の場所が国が決めた除染の基準を現在でも満たしていないことになります。

最高の値である0.77μSv/hについて福島県は「ここに4時間滞在した場合の追加被ばく線量は0.003ミリシーベルトで、国の目安の年間1ミリシーベルトと比べて問題ない」と説明したと報じられています。しかしここは住民が住んでいる場所です。4時間だけ滞在しているわけではありません。年間で計算すれば6.57mSvに相当します。しかもこれは飯舘村のメインロード脇です。更に放射線量の高いところはいくらでもあります。これが除染が完了し避難指定が解除された飯舘村の現実です。

図2 川俣町沿道

図3 葛尾村沿道

図4 南相馬市沿道

図5 福島市沿道

図6 郡山市沿道

 

図2から図6は今回の調査で比較的レベルの高い場所の線量の頻度分布です。人口の集中する福島市や郡山市でも0.2μSv/hの場所があります。低線量被ばくの影響は確率的です。線量が比較的低くとも被ばくする人口が増えればそれだけがんやその他の疾患になる人数は増えます。このことを考えれば「聖火リレー」は「問題ない」などと言うのは、オリンピックありきで、そこに住んでいる住民への配慮などしていないという姿勢の表れではないでしょうか。

今回の福島県の調査では聖火リレーコースのみに限定し、かつ地上1m高での空間線量率のみを測定しています。このため周辺住民の居住場所の実態やホットスポットの存在を見落としています。地上1cmの線量や土壌サンプリングによる土壌汚染密度の測定が必要です。

繰り返しになりますが聖火リレーコースは住民が住んでいる場所です。4時間滞在で0.003mSvであれば、住民にとっては年間6.57mSvとなります。聖火リレー時の滞在だけを問題にして住民の年間被ばくを無視することは住民の被ばくへの極めて不当な軽視であると考えます。

空間線量率による外部被ばくだけの評価も問題が大きいと考えます。聖火リレーが行われるのは3月下旬です。春先の乾燥時等に粉じんの吸入による内部被ばくを警戒すべきです。特にランナーや沿道での子どもの応援などに対しては放射能を含んだ粉じんの吸い込みをしないよう注意喚起が必要と考えます。もちろんこれも聖火リレーの時だけが問題ではありません。住民にとって放射能を含んだ粉じんを吸い込まないよう常に注意が必要となります。

安倍政権は「復興五輪」と称して聖火リレーのスタート地点をJビレッジにするなどオリンピックブームによってあたかも原発事故の被害は一掃され復興が進んでいるかのように国内外に発信しようとしています。

しかし今回の福島県の聖火リレーコース調査からでさえ、「復興五輪」と称するオリンピックの開催に無理があることを明らかにしたといえるのではないでしょうか。

 

 

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2・15(土)止めよう!放射能のばら撒き~除染ごみ焼却と木質バイオマス発電を考える~(第2弾)

学習交流集会in郡山2020
止めよう!放射能のばら撒き~除染ごみ焼却と木質バイオマス発電を考える~(第2弾)

●日時:2020.2.15(土)13:20~16:30 13:00開場
●場所:郡山市ミューカルがくと館(1階 大ホール)
郡山駅前から麓山経由大槻行き、または、休石行き「開成山プール」下車。もしくは、さくら循環虎丸回り「総合体育館前」下車。各所要時間は、約10分 
Tel:024-924-3715 
郡山市開成一丁目1番1号

●参加費無料(会場カンパをお願いします)
●共催:NPO 市民放射能監視センター(ちくりん舎)・放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会

ちらし はこちらからダウンロードできます

【第1 部 放射能ごみ焼却と環境破壊を考える】
●報告1 和田央子さん(放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会)
●報告2 青木一政さん(ちくりん舎)
●ゲストトーク 満田夏花さん
「地球規模での森林破壊につながる大規模バイオマス発電」

【第2部 各地からの報告】
●福島県飯館村(放射能汚染の現状)
●長野県東御市(バイオマス発電計画に対する取り組み)
●宮城県大崎市(汚染廃棄物焼却中止を求める訴訟の状況)
●福島県田村市(バイオマス発電訴訟の状況)
●全体討論 

【開催に当たって】
 目前に迫ったオリンピック聖火リレーは、福島県楢葉町にあるJビレッジをスタートに全国を回ります。Jビレッジは、9年前、福島原発事故の大混乱の中、収束作業にあたる東電関係者、警察、消防、自衛隊などの対応拠点になった場所です。このことに象徴されるように、政府や福島県は、東京オリンピックを「福島原発事故からの復興」、「安全でクリーンな福島」を世界中に発信する一大キャンペーンとして行おうとしています。未だに人が住めない帰還困難区域がある常磐線富岡~浪江間を再開させることも決定しました。
 しかし、福島原発事故の汚染被害の現実は、現在においても深刻です。避難指定解除は住民の合意を得ないまま進められ、避難者はまだまだ放射線量の高い地域にやむなく「帰還」するか、さもなければ賠償や支援を打ち切られ、経済的・社会的に厳しい状況に置かれたまま、避難や移住を余儀なくされています。
 莫大な予算をつぎ込んで行われた除染の後始末も同様です。環境省は膨大な量の除去土壌を「リサイクル」と称して公共事業に使おうと計画しています。中間貯蔵施設では、公共事業にも使えない高濃度の除去土壌・焼却灰を最終的に溶融し減容化するための灰溶融炉の建設も進んでいます。そこで発生する溶融スラグは数十億ベクレルに達するとされています。
 国は、再生可能エネルギーとして福島県内各地で木質バイオマス発電の建設を進めていますが、燃料に使われるのは除染をしていない森林伐採木です。除染をしない代わりに間伐に補助金を出し、バイオマス燃料への利用を進めています。汚染木から生じたセシウムの濃縮された灰は、建設資材として再利用される予定です。
 各地でこうした放射能ごみのバラマキに反対する声が上がっています。本学習交流集会では、こうした放射能ごみのバラマキの裏側にあるものについて考え、各地での実態を共有し、放射能拡散政策を止めるための一助にしたいと考えています。多くの方々の参加をお願いします。

●2月16日(日)に、オプショナル・ツアーを計画中です(復興記念公園、双葉アーカイブなど)。
詳しくは、ちくりん舎または、放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会へお問い合わせください。

【問合せ】
●ちくりん舎     lab.chikurin@gmail.com   Tel&Fax  042-519-9378
●放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会  stopsyokyakuf@yahoo.co.jp

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原告6人が法廷で証言―南相馬20ミリ基準撤回訴訟

昨日12月11日南相馬・避難20ミリ基準撤回訴訟の第17回目の法廷が開かれました。今回はこれまでの長い裁判の中で、初めて原告6人に対する本人尋問が行われました。

 

東京地裁前には支援者・傍聴者がたくさん駆け付けた

法廷に立ったのは南相馬市原町区の3人の区長さん、Kさん、Fさん、Sさん、そして3人の子どもをもつお母さんEさん、那須塩原に一時的に避難していたSTさん、ふくいちモニタリングプロジェクトで周辺の測定をしたり尿検査を受けたHさんの6人。皆さん、法廷で50分近く原告側、被告側代理人(弁護士)からの尋問に答えるのは当然初めての経験であり随分と緊張したことでしょう。しかし皆さん立派にそして生々しく、南相馬市原町区の原発事故後の実態を証言されました。

原告側弁護士の皆さんが、住民6人の方の説明をこれまでの準備書面などを示しながら実にうまく引き出してくれたのが印象に残ります。

・避難指定や解除にあたっての測定は、玄関先と庭の中央など2点のみの測定だったこと。
・本人がいないときに勝手に測って数値の紙だけが残されていたこともあったこと。
・雨どいの下、家の裏側など周辺では高いところが一杯あること。
・解除にあたって説明会で解除に賛成する住民はいなかったこと。説明会で住民が反対意見を言っても「聞く耳を持たなかった」こと。
・避難指定が解除されたため、経済的な理由で戻らざるをえなかったこと。
・若い世代の家族は戻って来ないため消防団や地域の活動、産科、小児科がなくなり、保育園や幼稚園、小学校が閉鎖されコミュニティが崩壊したこと。
・ふくいちモニタリングの皆さんがきちんと丁寧に測っていること。
・50日間の保養で尿検査結果が急激に下がったこと。等々です。

それに比べて被告側弁護士の尋問はとてもいやらしいものでした。先に紹介した地域の生々しい実態についての質問は一切ありませんでした。事務的・手続き的な面での質問が続きました。

区長の3人は、行政区長と南相馬市の行政嘱託の業務を兼務しています。被告側弁護士は南相馬市の条例を示して、行政嘱託の業務に住民の意見を代表したりまとめたりする権限がないことを質問で迫りました。これに対して、3人はひるむことなく、行政区長と嘱託とは全く別の職務であること。行政区長は行政区の総員から民主的な方法で選出されていること、そして行政区長の役割として、行政区の住民の生命、財産を守ることが役割だとみごとに切り返しました。本当に地域のリーダとして日常から信頼されそして今回の20ミリ裁判でもリーダシップを発揮されていることを堂々と明らかにしたと感じました。

いやらしい質問は他にもあります。区長のFさんに対して、避難先の仮設住宅から戻ったのは何時か?と迫り、避難指定解除の前ではないかと質問してきたのです。これに対してFさんは、除染が始まり業者と住民(避難指定されていないので住んでいる住民もいる)との調整役として、昼も夜も業者や住民と話をしなければならなかったこと、そのために家族は仮設にいながら南相馬の自宅で過ごさざるを得なかったことなどを説明しました。

また、避難指定解除にあたり、2014年7月と10月と2回ほど通知や説明会があったことをたてにとり、「住民の反対意見で解除を延期しましたね」というような質問をしたのです。これはまさにトリックのような質問です。数か月で汚染状況が変わるわけはありません。住民に解除を通知してそれの反対が強いため、解除のタイミングを見計らっただけのものです。住民の意見を取り入れて解除を延期したなどと、到底いえるものではありません。

解除が実際に行われる12月の直前に説明に訪れた高木副大臣(当時)は、「まだ線量が高い」と反対する住民に「お掃除をしましょう」と言って解除したのです。実際に行われたのは枝葉などを掃除してごみ袋に入れておいて帰った、除染ならぬ「お掃除」だったのです。

被告側弁護士はこの「お掃除」について、「住民の方が残されたゴミ袋をごみ処分場に持って行くのを手伝いましたよね」と質問しました。家の前に残された「ごみ袋」を住民が善意で、あるいはしびれを切らせて不満ながら片付けたことは事実でしょう。

思わず「ハァ?!」と感じました。この質問をした被告国側代理人は、住民が善意で片付けに協力したことを「避難指定解除に賛成した事実」として裁判官に印象付けたかったのでしょうか。

裁判官がこうしたやり取りをどう受け止めたのでしょうか。
原告側弁護士に「最後に裁判長に伝えたいことはありますか」との質問にSTさんは「裁判長、あなたが私の立場だったらどう感ずるのか。自分のことに置き換えて考えていただきたい」と発言されました。

全くその通りだと思います。

次回法廷は4月24日となりました。

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夏の風向きでは汚染も逆方向に変化―大崎市の焼却炉リネン吸着法調査

宮城県大崎市の3箇所のごみ焼却施設での放射能汚染廃棄物焼却で周辺の大気中粉じんのセシウム濃度をリネン吸着法により監視しています。2018年秋からの調査2019年冬の調査については既にこのサイトでも報告してきました。

今回、秋や冬とは風向きが逆方向となる夏の調査(2019年6月15日~8月31日)を実施しました。このほどその調査結果がまとまりました。

結論から先に言えば、夏の風向きの変化によりリネン吸着法による調査結果も秋・冬とは逆方向の風下にセシウム濃度の高い地点が移動しました。やはり放射能ごみ焼却により焼却炉の煙突からはセシウムを含む微小粉塵が漏れていることはこの結果から明らかです。3か所の3回の調査結果、合計9回の結果から、それぞれの焼却炉でセシウムを含む微小粒子が煙突から排出され、風下方向に流れていることが明らかになりました。

詳細な分析はこれからですが、速報として今回の調査結果を過去2回の調査結果とともにお知らせします。

玉造クリーンセンター2019年夏

玉造クリーンセンター2019年冬

玉造クリーンセンター2018年秋

 

pdf資料はこちらからダウンロードしてご覧ください。

玉造クリーンセンター調査結果(2019年夏、2019年冬、2018年秋)

玉造一覧表

中央クリーンセンター調査結果(2019年夏、2019年冬、2018年秋)

中央一覧表

東部クリーンセンター調査結果(2019夏、2019年冬、2018年秋)

東部一覧表

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放射能汚染木を燃やすな!第1回田村バイオマス訴訟法廷が開かれました

 11月14日福島地裁において第1回田村バイオマス訴訟法廷が開かれました。福島地裁には約40名の傍聴者が集まり傍聴席は一杯になりました。

 田村バイオマス訴訟は田村バイオマスエナジー㈱(以下田村BE)と田村市が「福島県内の放射能汚染木材を燃やす」と公言している田村バイオマス発電に対して住民が提訴したものです。田村市が田村BE㈱に対して約11億6千万円の補助金を出していることに対して、それを不当として返還を要求しているものです。

 法廷では冒頭、坂本弁護士から被告側弁護人に対して、田村市が田村BEに補助金を支出した経緯が明らかにされていないので、それを明確にした文書を提出するよう求めました。被告側弁護人はこれを認めました。

 また裁判長から、「この裁判ではHEPAフィルタの問題が争点の一つになる」「HEPAフィルタが具体的にどんなものかよくわからないのでこの点を整理したい」「今後、被告側と弁護側と裁判官で非公開で行う進行協議の場で明らかにしてはどうか」との発言がありました。これに対しては、坂本弁護士から「本日の裁判にも多数の市民が傍聴に来ている。市民の関心も高い。HEPAフィルタの具体的な内容についても法廷の場で明らかにしていきたい」との発言があり、裁判長もこれを了解しました。

 次回法廷は2020年1月28日(火)13:30から福島地裁で行われます。引き続き多数の方の傍聴をお願いします。

 法廷後、近くの福島市市民会館で記者会見と報告集会が開かれました。こちらにも福島県内や宮城県などからの支援者、メディア関係者を含め約30名の参加がありました。

記者会見の様子

支援する会の横断幕

 記者会見では坂本弁護士から概略以下のような説明がありました。

(1)本裁判は田村市長に対して田村BE㈱が進めているバイオマス発電への11億6千万円の補助金の支出が不当であるためそれの返還を求める行政訴訟であること。

(2)不当であるとする主要な問題は、田村BE㈱と田村市が「住民の安全安心のためバグフィルタの後方にHEPAフィルタを設置する」と説明しているが、この「HEPAフィルタ設置」は本来の性能が発揮できない虚偽のものであり、市は錯誤して支出したものであるから、その支出を撤回すべきであること。

(3)被告側の答弁書では、当初の市や田村BE㈱の説明していた「安全安心のため」という説明を変え、「安全はバグフィルタで担保されている」「HEPAフィルタは安心のため設置したもの」と説明を変えてきていること。

(4)また被告側答弁書では本裁判について「却下」を求めるのではなく「棄却」を求めており、法廷の場で全面的に争う姿勢であること。

 また、坂本弁護士から、通常の行政訴訟では裁判長がHEPAフィルタの内容に踏み込んだり裁判のすすめかたについて法廷の場でやり取りをすることはなく、今回は異例であることが解説されました。

 坂本弁護士の概要説明の後、ちくりん舎の青木から「HEPAフィルタ設置が『虚偽』であるとする根拠について」と題してスライド資料を用いて説明がありました。また支援者の金澤氏からも、東電フクイチ構内に設置している小規模焼却炉でのHEPAフィルタ設備と比べて、田村BE㈱が計画しているHEPAフィルタ設置がいかに貧弱な設備であるかを図を示しながら解説しました。

ちくりん舎の青木の解説資料は下記からダウンロードできます。

HEPAフィルタ設置は「虚偽」とする根拠について

引き続き、本裁判へのご支援とご注目をよろしくお願いします。

 

 

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ちくりん舎ニュース21号発行(お知らせ)

ちくりん舎ニュース21号を発行しました(2019.11.1)。
第21号
●徹底した秘密主義で進められる汚染木焼却●東御市でバイオマス発電に対する新たな動き●ノーニュークスアジアフォーラムに参加して●測定結果●報告書好評発売中●会員募集

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放射能汚染木を燃やすな!!第1回田村バイオマス裁判を傍聴下さい

みなさま
 
バイオマス発電の名目で放射能汚染木を大規模に燃やす計画の
福島県田村市と田村バイオマスエナジー㈱の計画に対して、田村市に
公金支出の差止を求める住民訴訟が提訴されています。
 
いよいよ第1回法廷が福島地裁で開かれます。是非とも傍聴にご参加ください。
 
■第一回田村バイオマス裁判 第1回法廷
●日時:11月14日(木) 14:10 福島地方裁判所前集合(福島県福島市花園町5-38 電話: 024-534-2156)
14:30 開廷
14:50 閉廷
    
■法廷終了後の記者会見と報告集会
●場所:福島市民会館 604号室(福島市霞町1番52号 電話:024-535-0111)
15:10 記者会見
15:30 報告集会
坂本弁護士より趣旨説明と質疑 他
16:30 終了
 
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東御市で講演会(3回目)とリネン吸着法による監視説明会を行いました

10月18日、東御市北御牧公民館において「木質バイオマス発電は本当にエコなのか?!環境と健康への影響を考える」と題してちくりん舎理事の青木一政を講師として講演会が行われました。東御市では建設中のバイオマス発電について、環境影響を心配する市民が「木質バイオマス発電チェック市民会議」を立上げ、東御市に対する説明会の要求、市・業者・住民による協定書の締結、リネン吸着法等による汚染監視などの活動が進められています。

講演会に先立ち、同会議の「自主測定チーム」によるリネン吸着法の説明会が行われました。リネン吸着法による監視の目的や、設置場所、設置方法などについて活発な質問がだされ、また実際に設置予定場所を回っての確認なども行われました。

自主測定チームによるリネン吸着法説明会

講演会は東御市では4月、6月に続いて3回目のもので、より多くの人にこの問題を知ってもらおうと、北御牧公民館で行われたものです。台風19号の影響を受けた中でも50数名の参加となりました。地元の年配の方や家族連れの方もいらして、バイオマス発電建設場所の地元の方も多く、熱心に聞いていました。

講演会の様子

 

 

 

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「大崎住民訴訟を支援する会」結成集会で講演しました―仙台弁護士会館

10月12日(土)台風19号が関東に接近する荒れ模様の天気でしたが、仙台弁護士会館で「大崎住民訴訟を支援する会」の結成集会が開かれました。

仙台でも台風の影響で荒れ模様でしたが、約50名の参加者があり、大崎市玉造クリーンセンターでの放射能汚染ごみ焼却中止を求める訴訟を支援する会の結成が確認されました。

支援する会代表の挨拶

「原発事故の痕跡をばらまいて隠ぺい 放射能ごみ焼却を止めるために」と題して、ちくりん舎の青木副理事長による講演が行われました。講演の中では、昨年末から始まった試験焼却中のリネンの監視データの説明がありました。リネン監視データは昨年秋から始まった冬の風向きのデータ(2回分)だけでなく、冬とは反対の風向きになる夏のデータも示されました。そのどれもが、玉造クリーンセンターからのセシウムを含む微小粒子漏れを強く示唆するもので、今後の裁判にも使えるデータです。

夏の風向きでの玉造CC監視結果

冬の風向きでの監視結果(1)

冬の風向きでの監視結果(2)

 

講演のパワーポイント資料はこちらからダウンロードできます。

会場の様子

講演終了後、懇談会では国立環境研の大迫氏らが最近発表した論文について批判的な検討を行うなど裁判の準備を兼ねたものになりました。

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大気浮遊塵中のセシウム濃度推移グラフについて(データ追加更新)

2019.2から2019.6までの5月間のデータを追加更新いたしました。
大気浮遊塵中のセシウム濃度推移グラフ(2017,18,19年度) 

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ノー・ニュークス・アジア・フォーラムNNAF(台湾)に参加してきました(2)

台湾総督府で副大統領の陳建仁氏と面談

 2日間のフォーラムの後、スタッフから明日のツアー時にパスポートとフォーラムの参加章を忘れず持参するよう注意がありました。なんと3日目の午前中に台湾総督府で副大統領と面談があるというのです。台湾総督府とは日本が台湾占領時代に建設し、日本の台湾総督が入っていた建物です。中央に高くそびえる塔を配した独特の形で観光地にもなっています。その建物の中に入って副大統領と面談ができるというのですから驚きです。

 さすがに入り口ではスマホ、カメラは預けなければなりません。台湾軍か警察かわかりませんが警備担当が控えていて物々しい雰囲気です。しかし台湾統治時代の建物の内装はきれいにリフォームされており良いものを長く使っているような感じが伝わってきました。

 広い応接室へ案内され一同緊張して待っていると、やってきたのは本当ににこやかな笑顔いっぱいの人でした。参加者一人一人と丁寧に握手をして挨拶。そのあと、台湾は脱原発を決めて2025年までにすべての原発を廃止にする。脱原発のために努力してきた皆さんを尊敬し歓迎する。NNAFがこの台湾で開かれることを誇りに思う、というようなスピーチをされました。今年は台湾総督府建設100周年だそうで、それを記念して総督府のシルエットをデザインしたネクタイを作成したそうです。帰りに全員にこのネクタイ(女性はスカーフ)をいただきました。

陳建仁副大統領と握手

陳建仁氏の挨拶 2025年までに原発を廃止すると

正面の階段で記念撮影

 一同、総督府を退出して建物の前の広場で祈念写真をとりました。みなさんから出た感想は同じものでした。「我々脱原発派を政府がこのように暖かく迎えてくれるのはなんということだろう」、「これが政権が変わるこということだ。政権を変えることがいかに大事なことか」、と

総督府前の広場で記念写真

 

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ノー・ニュークス・アジア・フォーラムNNAF(台湾)に参加してきました(1)

9月19-25日の台湾訪問、NNAF参加で学んだことや感じたことをメモ的に書いていきます。思いついたまま書きますので日程順ではありません。

会場の様子

参加者一同

【脱原発を法律に書き込んでもそれで終わらない】

台湾の民進党政権は2025年までに脱原発を決め、法律に書き込んでいます。第1原発は既に停止中です。第2原発は稼働中です。第3原発は??、第4原発は建設完了しましたが長い間動かしていません。

ところが、昨年原発推進派が脱原発の条文を廃止する国民投票を提起して賛成が反対を上回ってしまいました。どうも質問項目をたくさん並べてその中に紛らわしいかたちで条文廃止の項目を入れたようです。(この辺りの詳しい状況はなかなか短時間では分かりません)。

つまり、法律で脱原発を書き込んでも、単純にそれで喜んでいられる状況では無い、ということです。

まさに脱原発と原発推進がしのぎを削って闘争中というのが正しい認識のようです。

【原発を止めても核廃棄物との闘いは続く】

もう一つ感じたのは、既に停止(閉鎖)中の第一原発を見学したときのことです。停止したにも関わらず温排水を流す排水路には大量な水が相変わらずながされています。あたりまえといえば当たり前ですが、原発を停止しても使用済み核燃料は冷やし続けなければいけないし、それが何かのトラブルを起こせば、再び重大事故に繋がる可能性を持ち続けているのです。

停止中の第一原発の温排水路

ドローン禁止の看板

地元で40年以上も反対運動を続けている郭さんの説明を受けましたが、脱原発が法律に決められ原発が停止しても、まだ監視と運動は続けないといけないということです。

長い長い闘争は続きます。ある意味、核廃棄物を作ってしまった以上、この運動をほとんど永久に続けなければいけないという重い現実を知りました。

説明してくれた郭さん

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長野県東御市で木質バイオマス発電チェック市民会議が立ち上がりました

長野県東御(とうみ)市で建設中のバイオマス発電にたいして市民の立場で監視をしてゆこうと「木質バイオマス発電チェック市民会議」が立ち上がりました。

①協定書作成チーム、②自主測定チーム、③地域広報チーム、④オンブズパーソンチームと別れて活動を始めています。

9月3日には市民有志が建設中のバイオマス発電について市による説明を求める署名1322人分を提出して説明会を申し入れました。署名は現在も継続中のようで既に1600筆集まっているようです。とても力強い動きです。

ブログも立ち上がりましたのでご紹介します。

https://mokubass.hatenablog.jp/ 

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ついにバイオマス発電への公金支出停止を求めて田村市を提訴

9月6日、福島県庁記者クラブで提訴の記者会見が行われました。記者会見上には県内11社報道関係者が集まりました。

田村市大越町で進められているバイオマス発電計画(事業者は田村バイオマスエナジ―㈱)に対して、地元の「大越町の環境を守る会」を中心に反対活動が進められてきました。福島県内の放射能汚染木材を燃料として燃やすことに多くの市民が不安をいだき反対の声を挙げています。

この田村BEには、田村市も出資をしています。これまで住民は何度も情報開示請求でその実態を明らかにするよう求めてきました。しかし田村市は開示請求に対して、「のり弁」状態でほとんど具体的な内容を明らかにしてきませんでした。こうした市の不当な対応に「大越町の環境を守る会」をはじめとして地元住民は市長に対する不信感を強めてきました。

こうした中で、わずかに、田村BEと田村市が住民の「安全と安心のためHEPAフィルタを設置する」との説明をした資料が出てきました。私たちはそれを分析し、重大な問題があることを発見しました。HEPAフィルタとしての性能を実現できるような設備になっていない、という問題です。田村BEと田村市は住民の反対運動を潰して、強行に推進するために、このHEPAフィルタ設置を持ち出した可能性があります。

今回の訴訟提起に対して、田村BEが計画するHEPAフィルタ設置が「虚偽」であることを、分析を行ったちくりん舎の青木が説明しました。

資料は以下からダウンロードできます。

2019‗0906記者会見説明資料

資料1 2018年5月25日田村市議会説明HEPA抜粋

資料2 第一回田村BE地域協議会HEPA抜粋

当日のようすなどについては、「放射能汚染ごみ焼却を考えるふくしま連絡会」のブログに詳しく報告されています。是非こちらもご覧ください

 

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ちくりん舎の活動が「民の声新聞」で紹介されました

南相馬避難20ミリ基準撤回裁判のようすとちくりん舎の活動が「民の声新聞」で紹介されました。とても丁寧に紹介されています。是非ご覧ください。

【南相馬訴訟】「20mSvで指定解除するな」~第16回口頭弁論。「多くが消極的理由で帰還した」「不溶性放射性微粒子も考慮するべきだった」。次回期日で6人の原告に本人尋問

http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/blog-entry-360.html

 

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東御市でバイオマス発電に反対する市民が新たな動き

東御市の木質バイオマス発電の問題についてはこれまでも何回か投稿をしています。

あらたに住民の力強い動きが始まっています。東信ジャーナルで報告されましたのでご紹介します。

◆東御市羽毛山に建設中の「木質バイオマス発電所」について市民説明会を求める「木質バイオマス発電チェック市民会議」が「設立総会」を開く! 長野県 東御市

http://shinshu.fm/MHz/22.56/archives/0000580461.html

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南相馬20ミリ裁判報告集会で尿検査結果の中間報告

2019年8月28日、東京地裁で南相馬避難20ミリ基準撤回裁判の第16回期日がありました。
東京地裁には雨の中多くの支援者が傍聴に参加されました。

経産省前でアピールする原告団と支援者

裁判では原告側弁護人から準備書面(24)として、原告に対して行ったアンケートをもとに本件解除で原告が帰還を余儀なくされた実態の説明がありました。また準備書面(25)の「不溶性放射性微粒子による被ばくリスク」についての説明がありました。

裁判終了後の報告集会では、ちくりん舎の青木から、特別報告として、南相馬の原告の方々の尿検査の結果(中間報告)を行いました。

ちくりん舎では南相馬20ミリ裁判の原告の皆さんの尿検査による内部被ばく調査を行っています。それと合わせて比較のために、グリーンコープ生協さんのご協力で、西日本在住の方々の尿検査を行っています。今回の中間報告でも、西日本在住の方々は17人全員、不検出(検出下限0.06Bq/kg) にもかかわらず、南相馬在住の方では、不検出はわずか20%弱にすぎず、多くの方がセシウムを体内に取り込んでいる状況が説明されました。

南相馬在住者の尿検査結果

西日本(福岡県・兵庫県)在住者の尿検査結果

当日の説明資料はこちらからダウンロードできます。

南相馬20ミリ裁判尿検査中間報告

 

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地元では訴訟を準備―田村市バイオマス発電第2回学習会

8月4日田村市大越町行政局にて「第2回木質バイオマス発電を考える学習会」が開かれました。昨年9月につづき2回目の開催です。

第2会大越学習会チラシ

田村市大越町では既に田村バイオマスエナジ―㈱(以下田村BE)の基礎工事が進んでいます。

田村BEの予定地ー既に基礎工事が始まっている

学習会は、報告1としてちくりん舎の青木より「放射能汚染林と木質バイオマス発電」と題して講演がありました。講演内容では、今年4月に行われた第1回地域協議会で田村バイオマスエナジー㈱(以下田村BE)が説明した資料をもとに、田村BEのバイオマス発電計画の問題点の指摘が具体的に行われました。

学習会報告1での講演のようす

問題点の指摘の第1は、田村BEが放射能を「厳格に管理」するということへの疑問点です。受け入れ木材は空間線量計で「周辺の放射線量と変化がないこと」としているが、これでは事実上無チェックにちかいことが指摘されました。また第2の点として「安全安心のためバグフィルターの後段にHEPAフィルターを設置する」としていますが、計画図ではこれが信頼できるものではないことが具体的に指摘されました。

プレゼンの録画はこちらから(約55分)

プレゼン資料はこちらからダウンロードできます

つづいて特別講演として東京大学大学院農学生命科学研究科の鈴木宜弘教授より「民有林・国有林の『盗伐』合法化のねらい」と題して講演が行われました。

鈴木宣弘教授

鈴木先生のお話は、バイオマス発電事業に木材を安価で大量に供給できるようにする法律改悪が進められていること、それらは安倍政権のもとで進められている農業や漁業への大資本の進出を促すような一連の法律改悪の一環であることが説明されました。先生のお話は深刻な問題をユーモアたっぷりに説明し聴衆を引き込むものでした。

学習会の最後に「大越町の環境を守る会」の皆さん、「放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会」の和田央子さんからお話がありました。そのお話の中で、HEPAフィルターの虚偽説明による公金支出を問題として田村市に対して行政訴訟を考えていること。その準備段階として行政監査請求を行っていることが紹介されました。

大越町の環境を守る会、ふくしま連絡会、ちくりん舎などが中心となり既に「田村バイオマス訴訟支援の会」が作られています。訴訟支援の会への寄付、会の宣伝などよろしくご協力をお願いします。

FBページはこちらです

メールはこちらから tamurabaiososyou.sien@gmail.com

田村バイオマス訴訟支援の会チラシ

田村バイオマス訴訟支援の会への寄付はこちらへおねがいします。

ゆうちょ振込口座:00270-8-106485

口座名称:田村バイオマス訴訟支援の会(タムラバイオマスソショウシエンノカイ)

 

 

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大崎市試験焼却差し止め裁判の証拠としてリネン監視結果を提出

7月19日、宮城県大崎市での放射能汚染ごみ試験焼却の差し止めを求める仮処分の訴えで仙台高裁は住民の抗告を却下する決定をしました。裁判所は、住民組織が行政側と交わした事前申し合わせについて「住民の同意が得られなかった場合に焼却施設の機能変更が禁止されると解することはできない」との判断です。住民が同意しなくとも汚染稲わらなど放射能ごみを焼却できるという極めて一方的な判決です。

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201907/20190720_13044.html

この仮処分の訴えとは別に、行政側に汚染ごみ焼却の公金支出差し止めを求める裁判(本訴)が継続中です。

今回、この本訴の証拠資料としてリネン吸着法による監視結果を提出しました。仮処分の訴えの証拠として試験焼却前半(2018年10月~2019年1月)の監視結果を提出したことはすでに報告しました。今回の証拠資料はこの前半分と後半分(2019年1月~3月)の監視結果を合わせたものです。

後半の期間でも前半と同様の結果が得られたことは、玉造クリーンセンターから恒常的にセシウム粉塵漏れが起きていることを示すとともに、リネン吸着法の信頼性を明らかにするものです。この証拠書類の内容を紹介します。

玉造クリーンセンター周辺の大気中粉じんのセシウム濃度調査(試験焼却後半分を含む)

資料-玉造クリーンセンター周辺前後半調査結果

玉造クリーンセンター周辺の大気中粉じんのセシウム濃度調査(試験焼却後半分を含む)
2019年7月17日
NPO法人市民放射能監視センター副理事長 青木一政

1. 調査目的
農林業系汚染廃棄物の試験焼却による周辺環境へのセシウムを含む微小ばいじんの拡散が懸念されるためこれをリネン吸着法により監視した。測定の信頼性を上げるため試験焼却前半3か月と後半3か月分の2回に分けて計測した。本報告は後半分を含めた報告である。

2. 調査にもちいた手法
(1) 調査方法はNPO法人市民放射能監視センター(ちくりん舎)で開発したリネン吸着法を用いた。
(2) リネン吸着法とはリネン(麻布)を屋外に一定期間吊るして置き、それを回収した後にゲルマニウム半導体測定器で精密に測定して、リネン布に吸着された微小ばいじんのセシウム量を測定するものである。単位は1㎡当たり、1時間当たりのセシウム137の吸着量である。
(3) リネンに吸着されたセシウム137量により大気中の微小ばいじんセシウム濃度を定量的に測定することができる。
(4) 使用したリネンはベラルーシ製で商品名OBR2701#30である。また一括購入したリネン布バッチごとに未使用状態でゲルマニウム半導体測定器により測定し、セシウム137の付着がないことを確認した。
(5) ゲルマニウム半導体測定器は検出部はBSI社製高純度ゲルマニウム(HPGe)、データ収集はItech technologies社ORIONデジタル収集システム、解析ソフトはItech technologies社InterWinnerを用いた。

3. 玉造クリーンセンター(以下、玉造CC)周辺での調査実施要領
(1) 調査期間(リネン設置期間):2018年10月15日~2019年1月6日(前半)、2019年1月7日~2019年3月31日(後半)
(2) 設置場所の考え方:環境省「ダイオキシン類に係る土壌調査測定マニュアル」(平成21年3月)に従って、玉造CCを固定発生源として、風下方向に最大着地濃度発生地点を1.5~2.0km程度と想定してリネン設置場所を設定した。
(3) 風向データの取得:風向データについては玉造CCの北西約5kmの場所にあるアメダス川渡の同期間の風向データを参照した。風向データは同期間の1時間毎の風向データをもとにレーダーチャート(風下方向を表す)を作成した。

4. 測定結果
資料図1が後半の測定結果である。図2は前半の測定結果である。また表1は前半、後半の検出結果とその比率をまとめたものである。

5. 考察
(1) 監視期間中の風向データをアメダスより取得し風配図(風下)を図1,2に付けた。風配図からは後半は西風の傾向がより明瞭であるが、大枠では前半、後半共で大きな違いはないと考えられる。
(2) 図1が後半のリネン吸着法の結果である。前半の最大値を観測した地点(Aー7)は後半でも高い傾向を示した。後半結果での最大値を示したのはA-10地点である。A-10地点は前半では測定しておらず前半との比較はできない。しかしA-7地点の近傍であり、玉造クリーンセンターから東方向2.5キロメートル程度の地点を「最大着地濃度地点」とした前半での結論を補強するものである。
(3) 前半で2番目に高い値を記録したA-6地点(0.16mBq/m2・h)は今回は0.05であり約3分の1に減少した。この理由は不明であるが、風向きのばらつき度合いと地形の影響による可能性が考えられる。
(4) 前半と後半での測定値を比較すると例外はあるが、後半がやや低い傾向にある。これは後半の試験焼却の予定ずれ(3月31日までに2クール分のみ完了)の可能性も考えられる。しかし一般ごみの汚染状況の影響も考えられるので断定はできない。
(5) 前後半での風向きがほぼ同様であったこと、そのもとで前後半でのリネン吸着法の測定結果が概して同様傾向であったこと、またその絶対値も各地点で同レベルの値を示していることは、リネン吸着法が再現性にすぐれ大気中粉じん中のセシウム濃度を測定するのに十分信頼性があることを示している。

6. 結論
リネンに吸着されたセシウムは玉造CCからの微小ばいじんのみではなく、福島原発事故後地上にセシウムが沈着した土壌の舞い上がり、花粉や胞子などバイオエアロゾルによる影響も考えられる(バックグラウンドに相当)。しかし、前後半でほぼ同一の風向の条件のもと、玉造CCを中心に南東方向に2km程度の地点にピークを持つ分布が再現することを、これらのバックグラウンドの影響で合理的に説明することはできない。
玉造CCをセシウム137を含む微小ばいじんの固定放出源と想定することが合理的である。

以上

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