【11・3】放射線被ばくを学習する会で大崎住民訴訟の排ガス検査についてお話させていただきました

11月3日、放射線被ばくを学習する会で、大崎住民訴訟において原告提案の排ガス精密測定についてお話させていただきました。

同会の温品淳一代表から集会のビデオアーカイブ、報告資料がアップされていますので紹介させていただきます。

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皆さま

 3日のオンライン被ばく学習会「ストップ! 焼却による放射能まき散らし」は

 107名の参加で盛況でした。

 放射能汚染された稲わらなどを燃やすことに反対してきた宮城県大崎市住民訴訟の

 弁護団、原告団、支援する会からのお話に続いて、青木一政さん(ちくりん舎)から

 以下のような興味深いお話がありました。

 ・尿の放射性セシウム測定により、体内のセシウム量を感度よく測れる

  体内のセシウムが数十ベクレルを超えると健康影響との相関関係が見られるという報告がある

 ・大崎市の放射性ごみ焼却の風下では、リネン(麻布)に吸着する放射性セシウムが増加する

 ・近くの町で、放射能ごみの焼却開始後、空間線量率が上昇した

 ・排煙のセシウムをバグフィルターで99.9~99.99%除去できると環境省は言っているが、

  排ガス基準は非常にゆるく、バグフィルターが破れていても基準をクリアする

 ・焼却によって放射能がまき散らされるかどうか、確認するには感度の高い測定が必要なことを

  裁判官に理解してもらい、11月15日から実施することになったが、

費用250万円以上を住民側が用意する必要がある。

 大崎市は感度の高い排ガス測定についてさまざまな難癖をつけて妨害、

 青木さんのお話は実にリアルでした。

 学習会動画はhttps://www.youtube.com/watch?v=diSaD4921v8 

  三輪さん、配信ありがとうございます。

 青木さんのお話はhttps://www.youtube.com/watch?v=diSaD4921v8#t=1h12m30s 

 青木さんのスライド資料はhttp://anti-hibaku.cocolog-nifty.com//blog/files/1103aoki_c.pdf 

 松浦弁護団長のスライド資料はhttp://anti-hibaku.cocolog-nifty.com//blog/files/1103matuurabs2_c.pdf 

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集会記録「止めよう!放射能をまき散らす汚染木バイオマス発電 ~田村バイオマス訴訟結審を控えて~」

大分時間が経ってしまいましたが、【9・25オンライン集会】止めよう!放射能をまき散らす汚染木バイオマス発電 ~田村バイオマス訴訟結審を控えて~のプレゼン資料と録画記録の準備ができっましたのでアップします。

当日は60名以上の方の参加がありました。主催者の不手際で会議アドレスを間違えていたことが判明し、申込された方全員に、正しいアドレスをメール配布しましたが、一部の方に周知できなかったようです。当日オンラインで参加できなかった方にお詫び申し上げます。

はじめに-和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)のプレゼン資料

田村バイマス裁判の争点と裁判での論争の概要-青木一政(ちくりん舎)プレゼン資料

原告からの訴え―久住秀司(大越町の環境を守る会)説明レジュメ

田村市バイオマス発電事業公金支出差止住民訴訟について 坂本博之弁護士の説明レジュメ

ZOOM集会のビデオ記録はこちらから


          画像をクリックすると別画面でビデオが見られます。

尚、集会中で住民の方から報告があり質疑の中で議論のあった、HEPAフィルタダクトに水が溜まって排水作業をしていた、という事故原因については、その後の解析や裁判での書面提出などについて既に報告がアップされています。こちらをご覧ください

10月4日の結審では、裁判長が開廷するやいなや「機は熟しました、本日で結審します」と宣言し、判決日は2022年1月25日13:10から、福島地裁で行うことを決めて、あっけなく閉廷しました。

裁判長の「機は熟した」というのは、これ以上、裁判を続けても被告側からまともな主張が出てこない、という意味に解釈したいですが、坂本弁護士の感触では「勝訴は1%の可能性、裁判長は行政よりの判決を書くつもりのように見える。HEPAフィルタについてのこちらの追究をどう判決で書くのか、見ものだ」とのことです。

年明けの福島地裁での判決にご注目下さい。

10月4日の結審後の報告集会は石巻の日野さんがFBページで詳しく説明してくださっています。そちらも紹介させていただきます。

 

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【訂正追加版】緊急!募金のお願い:大崎住民訴訟で焼却炉の排ガス検査を原告提案方法で実施

9月27日、緊急の募金・カンパのお願いを発出しましたが、原告団連絡先が記載されていませんでしたので、チラシが改訂されましたのでお知らせします。お振込みの際は、メール:08016851951@docomo.ne.jp またはFax:0229-78-2701 までご一報をいただければ幸いです。

第1次集約10月15日、第2次集約10月29日となります。

また、今回の原告提案の測定方法について分かりやすく説明したチラシ(裏面用)も作りましたので、合わせてご紹介いたします。

募金・カンパのお願い クリックするとpdfが開きます

 

原告提案の測定方法を解説したチラシ(裏面)

原告提案の測定方法を説明したチラシ裏面 クリックするとpdfが開きます。

 

 

 

 

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田村バイオマス発電が稼働5か月で故障停止!HEPAフィルタからバキュームカーで排水した事故のカラクリを考える

9月25日の「止めよう!放射能をばらまく汚染木バイオマス発電」オンライン集会へ多くの方の参加ありがとうございました!オンライン集会のプレゼン資料とビデオアーカイブをアップする予定ですが、作業が遅れております。もうしばらくお待ちください。

オンライン集会の場で、地元住民のかたから「田村BEが2日前から止まっている。名古屋ナンバーの車が来ていて、人がHEPAフィルタダクトに入って、バキュームカーで排水している」と驚くべき証言がありました。その写真もあります。

集会の場で、「この事故の意味するところはなにか?」との質問がでましたが、情報が少なすぎる、はっきりとしたことは言えない、とあいまいな答えしかできませんでした。その後、冷静になって考えてみたところ、この事故こそ、裁判で原告が主張してきた、HEPAフィルタは偽物=HEPAフィルタダクトの中は実はガランドウだという主張を補強する、重要な証拠だと考えるようになりました。それを説明します。

下図が田村BEが説明しているバイオマス発電の工程図です。

さて、この中で、HEPAフィルタダクトの中からバキュームカーで排水するほど多量の水がどこから発生したのかを考えてみましょう。工程図をみればすぐわかりますね。2つの可能性があります。先ずはボイラーからの熱を蒸気に替える熱交換器(ボイラー出口に青線でとぐろを巻いている部分)、そしてその下流の熱交換器。この熱交換器は図には表現されていませんが、中を水が循環しているパイプがあって、それで数百度の排ガスをバグフィルタの耐熱温度である、200℃程度に下げています。蒸気発生器と熱交換器、これらはどちらも多量の水が循環していて、かつ熱交換の効率をよくするため材質はできるだけ薄く、そして、表面積は極めて大きくなるよう設計されています。・・ということは機械的には脆弱でピンホール、亀裂、パッキン亀裂など水漏れが起きやすい場所なのです。(余談ですが加圧水型軽水炉の最大の弱点はこの蒸気発生器で過去にも、どこでしたっけ?大事故をおこしていますよね)。

蒸気発生器か熱交換器のどちらかから水漏れが発生し、排ガス中に水が入り込むとどうなるでしょう。バグフィルタまでは、少なくとも200℃以上、かつ数字は分かりませんが圧力がかかっています(バグフィルタの圧力損失)がありますので。200℃以上で圧力のかかっている排ガス中では水は水蒸気(といってもヤカンからでるような白く見えるモヤモヤとは異なります、ほとんど見えない乾きガス状態)としてバグフィルターをすり抜けてしまいます。

さて、ここからが重要なところ。HEPAフィルタダクトが実際には中にはフィルタユニットが設置されていない、外側だけのガランドウだったらどうなるでしょう。・・・そうです。圧力がかかっていた高熱の排ガスが一気に大気圧になります。高校の物理で減圧冷却という現象があることを覚えていますか?(中学かな?)。とにかく、圧力のかかった気体が、一気に減圧されると、そのガスの温度は一気に下がるという物理現象です。温度が下がると高温高圧の水蒸気ガスはどうなるでしょうか。・・・そうです、水蒸気は一気に凝縮して水になります。蒸気発生器か熱交換器からのわずかな水漏れでも稼働し続ければ、どんどん水蒸気が凝縮して水は溜まっていきますよね。

そこで!!HEPAフィルタ設置は偽物で、実はダクトの中はガランドウという主張(推定)とみごとに合致するではありませんか!

※燃焼ガス800℃以上のものにも当然水分は含まれます。蒸気発生器、熱交換器の水漏れがなくても、燃焼ガスの水分だけでもガランドウの大気圧のダクト内で減圧冷却で水蒸気になり凝縮して水たまりができることは十分考えられます。そう冬になると煙突の水蒸気が目に見えるようになりますね。あれです。(2021.12.14追記)

10月4日が結審です。最終準備書面の提出ギリギリの出来事でした。求釈明で被告側にこれを問いただすことはもうできません。しかし、提出期限ギリギリに上記の見解を意見書として作成して提出、坂本弁護士はこれを証拠として準備書面を作成しれくれました。

田村バイオマスは、この推定が違う!というのであれば、事故の詳細を裁判の場でなくとも公開する責任があります。

※この話の後日談:この意見書を書いて出した後、地元の原告から、9月10日付で地域協議会に郵送で「9月18日から定期点検に入る」という通知文書が来ていた、との連絡がありました。一瞬動揺しました。事故ではなく定期点検だったのかと。・・・でも落ち着いて考えれば、これも田村BEの大ウソだとすぐ気づきます。田村バイオマスの稼働開始は4月です。たかだか5か月の運転で定期点検を入れなければならないプラントなど聞いたことがありません。もしそんなプラントであれば、メーカに賠償責任を問うような問題です。一般には定修と呼ばれる定期点検は大体年1回程度です。原発はそれを2年に1回にしようとしている(もうしているのかな)。

水漏れに気づいて、プラントを止めなければならなくなったが、裁判中の問題のHEPAフィルタダクトを開いて排水などというのが問題になればやばいことになる、そう考えて故障・事故ではなく「定期点検」ということにしようと、あわてて地域協議会に郵送で連絡した、というのが事実ではないでしょうか。

とにかく、稼働4か月で定期点検を入れるなどというのはプラント屋からみれば常識外れです。専門家ならすぐわかるこの事実を、是非皆さんも知って欲しい。

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緊急!募金・カンパのお願い:大崎住民訴訟で焼却炉の排ガス検査を原告提案方法で実施

※本件、第1次集約10月15日、第2次集約10月29日とのことです。お早めにご協力お願いします(9/28追記) 

宮城県大崎市での汚染稲わらなど放射能汚染廃棄物の焼却に反対している大崎住民訴訟原告団・弁護団・支援する会からの要請です。ちくりん舎も支援しています。

環境省の定める緩い基準でなく、大幅に検出限界を下げて焼却炉排ガスのセシウム濃度を測る原告側の提案を裁判所が認め、被告もそれを認めざるを得なくなりました。住民訴訟原告側にとって画期的な一歩前進です。

測定は原告が費用を払う必要があり、募金のお願いが発せられました。全国の皆さまのご支援ご協力をお願いします。
※放射能測定そのもの(排ガス吸引は除く)はちくりん舎でもできますが、被告側は頑なに拒み、裁判所も現在のところ、認めていません。外部則的業者に依頼するための費用が発生します。

募金・カンパのお願い クリックするとpdfが開きます。

緊急!募金・カンパのお願い

2021年9月吉日   大崎住民訴訟原告団・同弁護団・同支援する会 一同 

私達は、仙台地方裁判所において大崎住民訴訟を行っている原告団・弁護団・支援する会です。

大量の放射能汚染廃棄物を市内3か所のごみ焼却施設で焼却する大崎市
 大崎住民訴訟とは、宮城県大崎市において、福島原発事故により汚染された汚染稲わら、汚染牧草などの廃棄物(8000㏃/㎏以下)合計約3500トンを、一般廃棄物と混焼する経費等支出が違法であるとして、住民124名が原告となり訴えたものです。

焼却炉からの放射能を含む排ガスは住民の生活を脅かす
 この訴訟の争点は、焼却施設から放射性汚染物質が拡散され、周辺住民らの平穏生活権が侵害されるという点にあります。被告はバグフィルターによって、99.99%放射性汚染物質を捕捉しているから大丈夫であるといいます。しかし、この説明には疑問や反論が多く出されています。放射性汚染物質が微量でも拡散すれば、それが体内に呼吸や飲食を通じて取り込まれ、内部被曝を引き起こすという危険があります。そもそも、99.99%捕捉というのは、福島の最新鋭の仮設焼却炉で環境省傘下の国立環境研がスポット的に計測したもので、今問題となっている施設での測定結果ではありません。

裁判所は原告側が主張する、より厳密な排ガス測定を認めた
 私たちは、本件施設において、より精度の高い排ガス測定の実施と求めました。1年半以上に渡り裁判所に丁寧な説明を繰り返した結果、裁判長はついに、排ガス測定の検出下限を大幅に低下させる原告側の提案を被告側に応じるよう勧告し、同測定が実施される運びとなりました。

この測定は全国の有害物質焼却問題へ波及する画期的なもの
 このような測定を訴訟中に係争対象の施設で行うというのは、全国的にも初めてことです。同様な訴訟(放射性物質の焼却はもとより、有害物質の焼却等処分を問題とするすべての訴訟)にも大きな影響を与えるものです。

原告側負担の検査費用に全国の皆さまの支援が是非とも必要です
 測定に要する経費は250万円程度となっております。本来、同検査は国や実施者である大崎市がすべきものと考えますが、同測定を求めた原告らが負担することとなっています。同測定の実施が2021年11月15日(月)からとなっており、早急にこの資金を確保する必要があります。しかし、残念ながら私達の訴訟は原告団・弁護団がいわゆる手弁当で行っているもので資金が枯渇しております。そこで、同測定を実施するべく、皆様におかれまして、少しでも募金やカンパを頂戴したく、お願い申し上げる次第です。
 募金・カンパの送金先は下記になります。金額は1口3000円とさせていただきますが、それにこだわらず、是非ともお力添えよろしくお願いいたします。

お振込口座
七十七銀行 岩出山支店 普通預金  口座名義 大崎住民訴訟 原告団 団長 阿部忠悦(オオサキジュウミンソショウ ゲンコクダン ダンチョウ アベタダエツ)  口座番号5010262

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大崎市放射能ごみ焼却住民訴訟で裁判長が原告主張の排ガス測定を指示

2021年9月22日、仙台地裁において、大崎市放射能ごみ焼却住民訴訟の第13回口頭弁論期日が開かれました。裁判後に開かれた進行協議において、斉藤允洋裁判長は原告側の要求どおりの6.5日間分の排ガスを収集し、検出限界を下げた測定を被告に提案しました。被告側もこれを了承し、11月中旬に、原告らが手配した業者により、排ガス調査が行われることになりました。

9月23日付河北新報朝刊(クリックでpdfファイルが開きます)

原告側にとって大きな一歩前進です。

宮城県大崎市では、市内3か所の焼却炉において昨年より、汚染牧草や汚染稲わらなどの本格焼却が始まっています。この焼却は一般ごみとの混焼というかたちで、7年間に渡って続けられる予定です。

地元の住民は「覚え書き」違反と、排ガスによる放射能再拡散が平穏生活権を侵すとして、市を相手取り、放射能ごみ焼却への公金支出停止を求める裁判を行っています。

ちくりん舎とフクロウの会は、試験焼却の段階からリネン吸着法調査などで、焼却炉からのセシウムを含む粉塵漏れ調査を行い、それを証拠資料として提出するなど、この裁判の支援を行ってきました。

被告側は、排ガス検査で不検出であり漏れていないと主張してきたのです。この排ガス検査は環境省の定めた公定法と言われる方法で、環境省の定める30Bq/㎥という非常に緩い基準に対応して検出限界も緩いものになっています。

原告側は、不検出はゼロでないこと、検出限界以下であることを示すにすぎないこと、排ガス収集時間を延ばすことなどにより検出限界値は下げられることを法廷で丁寧に説明してきました。その結果もあって、裁判所は原告の主張する方法で、排ガスを測定することを決めました。ところが被告側は、具体的方法を巡ってあれこれ難癖とも言える主張を進行協議の場で行い、ズルズルと半年以上も裁判は空回り状態に陥ったのです。

今回、斉藤裁判長は原告の提案する方法で実施することを被告側に通告し、被告側も了承したものです。これまで各地の焼却炉裁判などで、バグフィルタの漏れは指摘されてきましたが、環境省の定める公定法が壁になり、実際に排ガス中にセシウムがどれくらい漏れているのか、具体的な数値は掴めませんでした。その意味で今回の結果は原告のみならず、各地でのバイオマス発電や焼却炉をめぐる裁判にも大きな影響が及ぶものです。実際の測定は11月中旬頃から実施される予定です。結果にご注目下さい。

裁判本体は、排ガス中の放射能を吸入することによる内部被ばくリスクの問題、それによる平穏生活権の侵害などに論点が移ります。今回の裁判でも、内部被ばくを過小評価するICRPの計算方法の欺瞞性や、内部被ばくによる危険性を認めた「黒い雨」裁判判決などを引用しての陳述を草場裕之弁護士が行いました。

 

 

 

 

 

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【9・25オンライン集会】止めよう!放射能をまき散らす汚染木バイオマス発電 ~田村バイオマス訴訟結審を控えて~

※集会参加登録された皆さまへ:手違いで昨日お送りした会議アドレスがまちがっておりました。本日13時頃に再度、正しいアドレスを登録者の皆さまにメールでお送りしましたので、ご確認ください。申し訳ありません。

福島県田村市では本年4月から、福島県内の放射能汚染木を燃やす木質バイオマス発電が稼働を始めました。飯舘村内においても、福島県内から放射能汚染濃度の高い樹皮を集めて燃やすバイオマス発電計画が進行中です。

 そもそも、膨大な木材燃料を必要とする大型バイオマス発電は、輸入燃料としてカナダや米国の温帯雨林帯やインドネシアなどの熱帯雨林帯を破壊するなど、「カーボンニュートラル」はウソで、むしろCO2排出を加速化させ生態系を破壊するなど、その問題点が明らかになってきています。国内でも、既に燃料不足でチップ価格は高騰し、全国各地で間伐材利用どころか、皆伐が進展しています。これらはCO2排出抑制どころか、森林破壊と保水力低下による土砂崩れ、土石流発生、洪水など、新たな危険が現実のものとなり始めています。

 その上、福島県を中心に、放射能汚染木を燃料とする木質バイオマス発電が進められているのです。温暖化促進と環境破壊に加え、放射能をばらまくという最悪の計画が「再エネ推進」タテマエのもとで、進められています。既に放射能汚染木がチップ化され全国のバイオマス発電所に流通している可能性も大きく、この問題は福島県内に留まりません。

 福島県田村市では「大越町の環境を守る会」が中心となり、この最悪の環境破壊、放射能バラマキの元凶である、田村バイオマスを相手取り裁判で闘っています。10月4日に結審を迎える田村バイオマス訴訟を控えて、あらためて田村バイオマス発電の問題点を学び、今後の闘いの展望などについて考えるオンライン学習集会を開きます。

 汚染木を燃料とするバイオマス発電は放射能バラマキそのものです。是非、多くのかたの参加を呼びかけます。各地でメガソーラや大型バイオマス発電、放射能ごみ焼却、汚染水放出、汚染度再利用など環境を守る闘いを続けている方々も是非ご参加ください。

★★止めよう!放射能をまき散らす汚染木バイオマス発電
                        ~田村バイオマス訴訟結審を控えて~★★

●共催:田村バイオマス訴訟支援の会、放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会、ちくりん舎
●日時:2021年9月25日(土)19時~21時(15分前から会議室を開きます)
●形式:ZOOMを利用したオンライン集会
●参加料:無料
●参加方法:9月23日(木)までにこちらから参加登録をお願いします(使用ブラウザによってはうまくいかない場合があります)。
その場合などはlab.chikurin@gmail.com まで、集会参加希望、氏名、所属(あれば)または都道府県、メールアドレスを記載して直接メールをお送りください。先着100名まで。前日にZOOM会議室アドレスをお送りします。

●お問い合わせ:090- 7245- 7761 青木(ちくりん舎)lab.chikurin@gmail.com

★★プログラム★★
(1) 主催者挨拶と導入-和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)
(2) 田村バイマス裁判の争点と裁判での論争の概要-青木一政(ちくりん舎)
(3) 原告からの訴え―久住秀司(大越町の環境を守る会)
(4) 裁判の意義と結審を迎えるにあたって―坂本博之弁護士
(5) 質疑応答
(6) 各地からの訴えと情報共有
(発言希望の方は事前にご連絡いただけると幸いです。時間の都合でご希望
に添えない場合があります。)

田村バイオマス発電

煙突の付け根にあるのが疑惑のHEPAフィルタ

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証人尋問申請も実地検証も全て「却下」-田村バイオマス訴訟第10回法廷

昨日8月10日、田村バイオマス訴訟第10回期日が福島地裁において開かれました。田村バイオマス(田村BE)は福島県内の放射能汚染チップを燃料として使う(自主基準100Bq/kg以下)ことを公言しています。
 
田村バイオマス訴訟は、本田仁一前田村市長が、住民の放射能に対する不安が強いため「国内最高レベルの安全対策」と称して、「バグフィルタの後段にヘパフィルタを設置」すると議会で説明し、設置されたHEPAフィルタが、実際は役に立たないものであり、田村市が支出した11億6300万円の補助金は詐欺又は錯誤によるものであるから、田村BEに対し返還請求をせよ、との訴えを起こしたものです。
 
これまで、原告側が提出してきたHEPAフィルタの数々の問題点について、被告側は一切具体的なデータや図面を出しての反論をせず、HEPA設置は「安心のため設置」「集塵率など具体的な数値を出す必要はない」などとして、言い逃れに終始してきました。
 
4月に裁判長が変わり、今回は新裁判長のもとで2回目の裁判期日。
 
本日の裁判期日では、「原告側が提出した証人尋問は全て却下、現地検証も却下、10月4日に結審するので、その2週間前までに被告側反論、原告側最終準備書面を出すように」と裁判長が述べてあっけなく終了しました。
坂本弁護士が「現地検証もしないでまともな判決が書けるとは思えない」と反論しましたが、「これまでの陳述で十分です。却下します」と、あくまでも事務的に通告がありました。
 
現場も見ようとせず、原告側が申請した、原告2人(久住、吉川)、証人4人(筒井(プラントエンジニアの会)、青木(ちくりん舎)、本田仁一前田村市長、小檜山前田村BE社長)の尋問も一切行わないという驚くべき訴訟指揮です。
 
10月4日結審で、判決は恐らく年明けになりそうです。
 
これまで、被告側は法廷では「具体的反論をする」、「図面等で反論」すると言いながら、実際は争点ずらしの主張や、「安心のため設置」などという言いのがれをくりかえてきました。その結果、被告側は、半年以上裁判を事実上停滞させ、引き延ばしを図り、一方で、現地では工事、試運転を進め、4月から本稼働に入りました。
今回、その試運転、稼働後のデータ(HEPAフィルタが無くても実現できる、環境省の緩い基準のデータや信憑性の疑わしい燃料チップ測定データ)を出すことで、もともと、田村バイオマスには何も問題がなかった、ということを裁判所に印象付けようとした可能性があります。
 
計画予算の具体的内容を示さないまま、HEPAフィルタは田村BEが自主的に付けたものでそれは補助金とは関係ない、というような主張もしており、それを踏襲した判決になる可能性もあります。
 
虚偽の「HEPAフィルタ設置」により、市議会と住民を騙して補助金支出の予算案を通したという、本訴訟の主要な争点が捻じ曲げてしまう可能性があります。
 
原告、傍聴者はここまでとは、全く予想もしていなかった展開で目が点になりました。法廷後の坂本弁護士の説明で、ようやく全貌が分かった人がほとんどです。
 
坂本弁護士からは、まだ少し早いかもしれないが、高裁への控訴を考えるべきだとの発言がありました。
裁判長は今年4月から交替になりました。そして、その新裁判長のもとで2回目の裁判期日でこのような展開になりました。裁判所には、これでの訴訟の趣旨や、裁判での原告被告双方の主張を冷静、客観的に判断して欲しいと考えます。
 
 
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フクロウ・FoEチャンネルで南相馬20ミリ裁判の不当判決についてお話しました

フクロウ・FoEチャンネルで南相馬20ミリ裁判での不当判決と、南相馬の汚染の現実についてお話しました。

 

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南相馬・避難基準20ミリシーベルト撤回裁判ー判決後の記者会見

OurPlanet ―TV記事からの転載です。

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<不当判決>南相馬20ミリ基準による避難地点解除の違法性を問う裁判

みなさまへ

昨日、東京地裁(鎌野真敬裁判長)は、南相馬の特定避難勧奨地点の指定解除に
ついて「年間の被ばく線量が20ミリシーベルトの基準を下回ることが確実だとい
う情報を提供するもので、帰還を強制したとはいえない」として、取り消す対象
にはならないと判断し、住民側の訴えを退けました。怒りを禁じえません。

国側が、解除に処分性はないとの主張をしてくるであろうことは最初から想定さ
れていたと思いますが、はじめて「単なる情報提供にすぎない」と言ったときに
は耳を疑いました。情報提供だからICRP勧告もそれにもとづく原子力安全委員会
の助言も何も関係ないというのです。

裁判でこのことが議論になっていたとき、いくら何でもそれはないでしょうとい
う感じで、弁護団だけでなく裁判所も国側を問いただしていたと思います。その
ときの裁判長は交代してしまいました。

一番問題だと感じたのは、避難地点の解除により、一定の期間後に賠償が打ち切
られ、自主避難扱いになったことによりのちに応急仮設住宅の提供が打ち切られ、
兵糧攻めと住宅を取り上げられる形で帰還が事実上強要された実態をまったく無
視したことです。判決には、解除したあと直ちに打ち切られたわけではないので
関係ないとしか書いていません。

国連人権委員会のアナンドグローバーさんは「1ミリシーベルト以上の地域への
帰還を強要してはならない」と勧告していました。判決はこれも頭ごなしに否定
するものだと思います。

裁判で原告側は、ICRP勧告の線量限度である1ミリシーベルト以下で健康で文化
的に暮らす権利を主張しました。裁判の過程で、フクイチ・モニタリングプロジ
ェクトのみなさんが地域の放射線測定を勢力的に行いました。いまだに多くの世
帯で1ミリシーベルトを超え、5ミリシーベルトを超える世帯もありました。

さらに深刻なのが土壌汚染の実態でした。フクイチ・モニタリングプロジェクト
により、土壌に含まれた放射能が下がらず、高い水準にあることが明らかになり
ました。

ちくりん舎(市民放射能監視センター)による尿検査から、内部被ばくの実態が
明らかになりました。これらは証拠として提出されていました。今回の判決には
間に合いませんでしたが、ハウスダストの汚染実態も明らかになっています。

土壌汚染がハウスダストを介して内部被ばくをもたらし、健康に影響する可能性
があるのではないでしょうか。こうしたことは国側の政策には全く反映されてい
ません。

判決は、ICRP勧告が単なる勧告にすぎず強制力がない、ICRP勧告も20ミリシーベ
ルト以下で住むことを許容しているなどとし解除に違法性はないとしています。

しかしICRP勧告には、1~20ミリの下方で参考レベルを設定しながら1ミリ以下
に下げろと書いてあるだけです。それも平常時ではなく事故時の話です。

ICRPは被ばく防護措置を決めるに際して住民の関与を要求していますが、避難地
点解除に際しては、一方的な説明会が行われただけでした。原告は説明会当日の
朝のニュースで「解除決定」と聞き驚きました。南相馬市の職員は、国との会合
の場で「協議ではなく説明の場」と聞き、議事録にビックリマークを三つ!!!
書き込みました。判決はこれもことごとく無視しました。

判決は総じて、帰還の事実上の強制や住民無視で一方的な解除や深刻な放射能汚
染の実態から目を背けたものであると思います。

OurPlanetTV
https://youtu.be/YlVGM6MHSgE
判決および判決要旨です。
http://minamisouma.blogspot.com/p/blog-page_89.html

阪上 武(訴訟支援の会)

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いよいよ明日! 南相馬・避難20ミリ撤回訴訟の判決 7月12日、15:00~

みなさま(重複の際は失礼します。拡散歓迎です)

いよいよ明日です!
先のメールにて「傍聴券交付はせず先着順」と書きましたが、東京地裁の傍聴券
交付情報では整理券交付締切が2:40になってます。抽選になる可能性があります
ので、傍聴ご希望の方は東京地裁にて2:40までに整理券をお受け取りください。
お詫びして修正いたします。

——————————————————
【いよいよ7月12日判決! 南相馬避難20ミリシーベルト撤回訴訟】

2014年12月、政府は、南相馬市の特定避難勧奨地点について、年間積算被ばく線
量が20ミリシーベルトを下回ることが確実になったとしてすべて解除し、その後
順次支援策や賠償を打ち切りました。
これに対して、地点に指定されていた世帯や近隣の世帯合計808名が、解除の取
消しなどを求めて、2015年4月および6月に、国(原子力災害対策現地本部長)を
相手取って提訴しました。
来る7月12日、この訴訟の判決がだされます。
立ち上がった南相馬の人々を応援してください。
ぜひご参加ください。

〇事前集会 13:10-14:10
 場所:日比谷コンベンションホール(東京地裁から徒歩10分ほどです)
 内容:訴訟の経緯とポイント、南相馬の放射能汚染の実態 など
 先着:100名
※FoE JapanのYouTubeにて配信予定です。
https://www.youtube.com/user/FoEJapan

〇判決 15:00 場所:東京地裁 103号法廷
 東京地裁の傍聴券交付情報では整理券交付締切が2:40になってます。抽選にな
る可能性がありますので、傍聴ご希望の方は東京地裁にて2:40までに整理券をお
受け取りください。
https://www.courts.go.jp/app/botyokoufu_jp/detail?id=10897&list_id=15,18,19,20,21,22,23,24,25

〇報告集会 16:00頃~17:30
 場所:日比谷コンベンションホール

※裁判では、年間20ミリシーベルトという基準による特定避難勧奨地点の解除の
是非が争われました。
原告は、年間20ミリシーベルト基準での特定避難勧奨地点の解除は、次の3点から違法であると主張し、その取消し等を求めています。
1)公衆の被ばく限度が年間1ミリシーベルトを超えないことを確保するべき国の義務に反する。
2)政府が放射線防護の基準として採用している国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に反する。
3)政府が事前に定めた解除の手続(新たな防護措置の実施計画の策定、住民等の意思決定への関与体制の確保)を経ることがないまま解除を強行した。

—-
満田夏花(みつた・かんな)
携帯:090-6142-1807
国際環境NGO FoE Japan
〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9
TEL: 03-6909-5983  / FAX: 03-6909-5986

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オルタナティブな日本をめざして(第60回)で福島等の汚染実態についてお話しました

6月7日、「新ちょぼゼミーオルタナティブな日本をめざして(第60回)」で福島原発事故10年の状況についてお話させていただきました。

その内容については「いちろうちゃんのブログ」でご覧になることができます。

ちくりん舎の青木の報告について転載させていただきました。画像をクリックすると動画が見られます。

 

当日のレジュメ、ふくいち周辺環境放射線モニタリングプロジェクトの中村さんのお話は「いちろうちゃんのブログ」からダウンロード、視聴ができます。こちらからどうぞ。

 

 

 

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南相馬「住民証言集」が出版されました

ままれぼ出版局から「南相馬・避難勧奨地域の会 住民証言集」が出版されました。

事故後ずっと福島原発事故と地域の放射能汚染、被害者住民の声を取材されてきた和田秀子さんが2018~2021年にかけて南相馬市原町区の特定避難勧奨地点の住民を訪ねて聞き取りをした渾身のレポートです。

後半には南相馬・避難20ミリシーベルト基準撤回裁判を支援してきた私たち、ちくりん舎の調査結果やふくいち周辺環境放射線モニタリングプロジェクトの調査結果も含まれています。

ちくりん舎の調査結果は、2017~2020年までの南相馬在住の住民の尿検査による内部被ばく調査結果やその分析、2020~2021年にかけて南相馬を含む各地のハウスダスト(掃除機のゴミ)の放射能濃度調査結果が含まれています。

手前味噌ですが、福島原発事故10年後の今も続く汚染の実態と住民の切り捨てを告発する内容になっています。

是非とも購入してお読みいただければと思います。

申し込みは「ままれぼ出版局」へ直接どうぞ。
cotact@momsrevo.com
またはママレボブックレットのページから

定価1,800円
※ちくりん舎は本書籍の販売には直接かかわっていません。ちくりん舎で購入受付はできませんのでご注意下さい。

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IISORA学習会で飯舘村木質バイオマス発電の問題点について発表しました

5月20日、IISORA(飯館村放射能エコロジー研究会)の学習会にて飯舘村の木質バイオマス発電の問題について発表しました。

主催者の了解を得てオンライン学習会の録画をアップします。またプレゼン資料をもアップしますので参考にしてください。

●IISORA第2回zoom勉強会
 日時  5月20日(木)午後6時~8時
 内容  飯舘村のバイオマス発電所事業計画の課題を考える
 講師  青木一政さん(ちくりん舎)
     和田央子さん(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)
 司会進行  糸長浩司(日本大学)

●録画:下記をクリックすると録画が見られます。
 録画その1:和田さん「木質バイオマス発電を問う」
 録画その2:青木「バグフィルタをすり抜けて拡散する放射性微小粉塵」
 録画その3:ディスカッション

 

●和田央子さんのプレゼン「木質バイオマス発電を問う」資料はこちら

●青木のプレゼン「バグフィルタをすり抜けて拡散する放射性微小粉塵」はこちら
※当日の録画中のプレゼン資料の51pに誤りがありましたので差し替えています。

 

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ちくりん舎ニュース福島原発事故10年特別号を発行しました

ちくりん舎ニュース福島原発事故10年特別号を発行しました。

福島原発事故10年の現実 
続く汚染と内部被ばく 放射能ばらまきを止めるために

A4版 カラー 44ページ 
1部500円(他に郵送料実費が必要です)でお送りします。必要な方は必要部数・送付先・氏名を書いて下記へご連絡ください。

お問い合わせページはこちら
メール:lab.chikurin@gmail.com
TEL&FAX: 042-519-9378   

====はじめにより抜粋====

福島原発事故から10年、新型コロナ第四波が到来するなかで、政府は福島を起点に聖火リレーをスタートさせました。政府は「復興五輪」と称して原発事故の痕跡を隠ぺいし無かったことにしたいと必死です。原発事故被害者にとって、「オリンピックどこでねえ」というのが本音でしょう。
・・・
福島原発事故10年を迎えるにあたり私たちは、測定データで事故10年後の福島の実態を明らかにしようと試みました。ハウスダスト(家庭の掃除機ごみ)調査と尿検査による内部被ばく調査の二本柱です。この調査は南相馬・避難20ミリシーベルト基準撤回訴訟原告の皆さんとの協同作業となりました。合わせて復興予算と放射能ばらまきの象徴ともいえる中間貯蔵施設見学ツアーを行いました。
本冊子は原発事故10年の福島の実態とちくりん舎の活動をより多くの人に理解していただくため、ちくりん舎ニュース特別号としてまとめたものです。福島の今を再確認し放射能ばらまきにストップをかけ脱原発の動きを加速化させる一助となれば幸いです。

====目次====

はじめに

第1部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
10年経っても続く深刻な汚染
ハウスダスト(家庭の掃除機ごみ)放射能調査から
資料 1 ハウスダスト調査一覧表 ・・・・・・・・ 4
資料 2 ハウスダスト汚染マップ ・・・・・・・・ 10
資料 3 ハウスダスト 中の セシウムの 水溶性 試験 ・ 14

第2部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
原発事故10 年後の今も続く内部被ばく

第3部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23
住民置き去りの「復興」福島の今を知る中間貯蔵施設見学ツアー
ツアー参加者の感想

===============

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【会員の皆さまへ】第8回通常総会のお知らせ

会員の皆さまへ このお知らせは郵送およびメールでもお送りしています。

特定非営利活動法人 市民放射能監視センター
第8回通常総会開催(書面およびオンライン審議)通知
2021年5月4日
          
理事長 浜田 和則                   

市民放射能監視センター(愛称:ちくりん舎)は、測定開始から8年を過ぎ、会員のみなさまのご支援のお蔭で測定器も2台体制のもと、各地の放射能監視活動を展開しています。

さて、今回の第8回通常総会は、コロナ感染拡大防止のため、書面あるいは、FAX、電子メールによる意見表明・採決をいただく方式および参加可能な方はオンライン総会(ZOOM使用)の併用方式にしました。

●日時:5月22日(土)13時30分~14時30分(ZOOMを使用したオンライン形式)

議案書を団体、個人、正会員の方に郵送と電子メールでお送りしますので、委任あるいは賛否のご意見を返信いただくようお願いします。またオンライン総会に参加希望の方はその旨と連絡先メールアドレスを返信いただくようお願いします。

尚、総会成立には正会員の1/2以上の委任、あるいは賛否の回答が必要なため、
 5月14日(金)までに必ず返信をお願い致します。

 

[返信の方法について]
第8回通常総会(書面総会)へのオンライン参加、委任または個々の議案の賛否ご回答を下記用紙にてお願いいたします。ご連絡は下記あてに郵送、FAX またはEmailのいずれかで送付願います。
送付先:〒190-0181 東京都西多摩郡日の出町大久野7444
           ちくりん舎(特定非営利活動法人 市民放射能監視センター)
FAXの場合:042-519-9378 
E-mail の場合::lab.chikurin@gmail.com
(5月14 日(火)必着でお願いします)

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田村バイオマス訴訟第8回法廷が開かれました

4月13日福島地裁において田村バイオマス訴訟第8回法廷が開かれました。当日朝に菅政権はフクイチの汚染水海洋放出を決定しました。福島県庁前で抗議のアピール行動が行われるということで急きょ福島地裁へ行く前に県庁に向かいました。県庁前には田村バイオマス訴訟原告団の皆さんや支援する会の面々も集まっていました。

写真をクリックすると動画が見られます。

 

放射能ばらまき問題についてアピールをさせていただきました。その後福島地裁へ向かいました。

今回の法廷でのトピックスは裁判長が交替になったことです。新裁判長は小川理佳氏です。

裁判後の報告集会で今回までにいたる裁判の経緯や論点について青木が報告しました。

当日の報告資料はこちらからダウンロードできます。

田村バイオマス訴訟第8回法廷報告集会資料

被告側の釈明、反論が前々回、前回と2回に渡って行われたのですが、論点のスリカエ、これまでの主張の繰り返し、都合の悪い部分については無視と、6か月以上かかっているのに被告側はまともな反論はできていません。

今回の原告からの準備書面はこれらの論点スリカエを正し、またこちらの主張に反論できず無視している部分について求釈明を行い追及しています。

4月11日の田村市長選では、被告の本田仁一前市長が落選し、新人で前田村市議の白石高司氏が当選したことが報告され、新市長への地元の期待は大きい反面、予断は許されないなど今後の対応に注目すること。こちらから積極的に裁判の中身などを説明に行くべきだどうなるかなど真剣な議論が行われました。

今後、現地検証や証人尋問申請などを予定しており、それらの進め方についても議論されました。

引き続きご注目をお願いします。

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中間貯蔵施設見学ツアー報告(その3)

中間貯蔵施設見学ツアー報告(最終回)です。

〇東日本大震災・原子力災害伝承館

ツアー2日目の午後は福島県が2020年9月20日に双葉町にオープンした東日本大震災・原子力災害伝承館を訪問しました。伝承館の基本理念には以下のようなことが記載されています。

01原子力災害と復興の記録や教訓の「未来への継承・世界との共有」
02福島にしかない原子力災害の経験や教訓を生かす「防災・減災」
03福島に心を寄せる人々や団体と連携し、地域コミュニティや文化・伝統の再生、復興を担う人材の育成等による「復興の加速化への寄与」

館長は長崎大学の高村昇教授、あの「ニコニコしていれば放射能はやってこない」と講演した山下俊一教授の弟子にあたる方です。

高村昇教授は福島県健康管理検討会の委員もしています。検討委員会では福島県の子どもの甲状腺がん多発についてチェルノブイリでは5歳以下(事故当時)の幼児から甲状腺がんが多く発見されたが、福島では5歳以下(事故当時)の幼児からの発生は見られない、としてグラフまで示して、福島県の甲状腺がんは放射線影響とは考えられないとの説明をしました。ところが、チェルノブイリのデータは事故発生から10年後のデータ、福島のデータは事故発生から5年後のデータでした。つまり、チェルノブイリで5歳以下の幼児の甲状腺がんが発生したのは事故後10年程度経ってからの現象です。比較するらなら同じ土俵で比較しなければなりません。福島原発事故から10年、福島県でも事故当時5歳や4歳の子どもからの甲状腺がんが発見され始めています。高村昇教授はこのことをどう釈明をされるのでしょうか。

館長の高村昇長崎大教授(写真は伝承館のHPより)

このような立場の方が「原子力災害の経験や教訓を生かす」とうたう伝承館の館長にふさわしい方なのでしょうか。じっくり伝承館の内容を見ていかなければなりません。

〇入館最初に見るビデオ

入館者は最初に円形のホールで10分程度のビデオ映像を見ます。西田敏行とおぼしき声のアニメキャラクターが説明します。福島原発は日本の高度成長期、莫大な電力の増加が必要な首都圏に電気を送り続け経済発展を支えてきた、と強調されます。そして2011年3月11日の地震と津波で原発事故が起こりました、と紹介されます。まるで福島原発事故は天災であったかのような印象です。冒頭で紹介した理念で「経験や教訓の伝承」が強調されますが、教訓を引き出すためには反省がなければなりません。「反省」という文字やその内容を表す展示は、私の見た印象では無かったように思います。

〇開館後の批判に応えた「原子力明るい未来のエネルギー」の看板実物展示

会館直後から伝承館の展示に対してさまざまな批判が寄せられました。その象徴的なものが双葉町に掲げられていた「原子力明るい未来のエネルギー」看板です。館内では写真展示はありますが、「実物を展示すべきだ」との声が多く寄せられました。それに応える形で伝承館では実物展示も行ったとの報道がありました。今回、それがどのように展示されているか、大きな関心がありました。

確かに実物は展示されていました。建物正面から右側の建物にそって一番奥のところに。正面からは実物は全く見えません。実物がどこにあるか探して数分歩いて行かないと見えないところです。2回の展示スペースからドアを開けて階段を下りればアプローチできますが、ドアは施錠されており、案内も無く、普通に展示順路を辿っているかぎり絶対に行きつけない場所です。「原子力明るい未来のエネルギー」という標語看板は、「果たして本当に原子力は明るい未来のエネルギー」だったのか、反省抜きには見ることはできませんし、だからこそ展示の要望も多かったのでしょう。伝承館の姿勢を象徴するような「発見」でした。

〇見学ノートに見る若い人、お年寄りの意見

一通り見学が終わったあと、出口付近に何冊もの自由に記入できる見学ノートがおいてありました。パラパラと眺めてみました。小学生、中学生の感想は「東日本大震災が大変なことだったのがよく分かった」「みんなが協力して支えあうことが大事だと思った」「みんなの力で復興できてよかった」などの書き込みが目立ちます。70歳の男性の書き込みで「東電のことが何も出てこないのは許せない、東電が憎い!」というのや、50代の方の「原発反対!」というのがありました。

この2つの傾向の書き込みが、現在の伝承館の実態をよく表しているように思います。福島県は東日本大震災に続く原発事故の被害者です。伝承館が実際の経験をほとんど持たない子どもたちへの洗脳展示にならないよう、しっかりとした反省、責任追及をも含めた展示内容になるようすべきだと考えます。

〇水素エネルギー製造プラントを見てから帰路へ

伝承館見学のあと、浪江町にある水素エネルギー製造プラント(福島水素エネルギー研究フィールド(Fukushima Hydrogen Energy Research Field (FH2R))の外観を見てから帰路につきました。太陽光パネルで生産した電力で水を電気分解して水素を製造するプラントです。水素は燃焼しても水になるのでクリーンなエネルギーだと宣伝されます。しかし、水素を作るためには水を電気分解したりメタンガスを原料に水素とCo2に分解して作ります。どちらも電力は必要ですし製造の過程でCo2を発生することになるのです。燃やすところだけを捉えて「クリーン」だとするのは誤りです。

再生エネルギー推進は重要ですが、現在の大量生産、大量消費、大量廃棄社会と膨大なエネルギー消費をそのままにした進めかたは新たな問題を引き起こします。

「原子力明るい未来のエネルギー」が安直に「水素明るい未来のエネルギー」にすり替えられてしまう危機感を感じながら帰路につきました。

 

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中間貯蔵施設見学ツアー報告(その2)

前回に引き続き中間貯蔵施設見学ツアーの報告です。

〇中間貯蔵施設工事情報センター

ツアー2日目の朝、中間貯蔵施設工事情報センターに集合して中間貯蔵施設の概略説明を受けました。センターはフクイチ脇を通る国道6号線の帰還困難区域内にあります。国道6号線の帰還困難区域内は一時停止禁止、途中下車禁止ですが、このセンター駐車場は下車可能です。駐車場で放射線量は0.3μSv/h程度、センター建物内でも0.27μSv/hありました。

〇広大な中間貯蔵施設

中間貯蔵施設は大熊、双葉両町にまたがりフクイチを取り囲むような形に位置しています。広さは1600haですので一辺4㎞の正方形程度の大きさです。

〇バスで施設内見学

施設内はバスで移動して車窓から見学します(途中下車なし)。主要施設を回るだけで約1時間半かかりました。その広大さが実感できます。

〇除染土(汚染土)一時置き場

施設内各地に運び込んだ除染土のフレコンバックが一時保管されています。こうした一時置き場周辺や土地売却に応じていないお宅の場所では線量が高く、バス車内でも1.42~1.8μSv/h程度ありました。屋外ではおそらくこの2倍程度になると思われます。

〇フレコンバッグ内除染土は解袋され大きな篩にかけられ分別されます。分別により8000Bq/kg以下と以上の濃度に分けられ土壌貯蔵施設に巨大な長いコンベアラインで移送されます。

〇異彩を放つ焼却炉と高温溶融炉

土木工事的なイメージの強い敷地内で異彩を放つ建物が、可燃物を燃やす仮設焼却炉と仮設灰処理施設です。仮設灰処理施設とはセシウムを高濃度に含む灰や土を高温で処理してセシウムを気化させて飛ばしセシウムと溶融物(スラグ)とに分ける施設です。この処理によりギガ(数十億)ベクレル/kgの超高濃度の放射性廃棄物が生まれます。究極の減容化施設ですが、原子力規制庁の規制は受けないそうです。バグフィルタでは超高濃度のセシウムを含む微粒子は捕捉できず周辺にまき散らされる可能性があります。

これらの設備は大熊町側、双葉町側にそれぞれ点在しています。

〇30年後に持ち出す先はあるのか?ここにそのまま残されるのか?

ツアーを終えて施設の担当者に質問してみました。対象2200世帯のうち契約ができたのが1800世帯。契約した世帯のうち約90%は売却契約、約10%は賃貸契約です。賃貸契約の方は30年後にこの土地の返却を前提として賃貸契約しているわけです。もちろん契約そのものに応じていない人もいます。

法律では30年後に汚染土は全て福島県外へ運び出すことになっていますが、果たしてそれを受け入れる場所はあるのでしょうか。売買契約をした住民の方は「結局、この場所が最終処分地になるのだろうな」と感想を述べる人もいるそうです。

ちなみに、この広大な場所内には縄文時代の遺跡や古い神社、墓地なども点在しています。それらを見た時に沖縄・普天間基地内の墓地の存在を思い出しました。30年で問題は解決しないでしょう。残念なことですが、原発事故と放射能汚染、そして除染の後始末はやはり長い年月にわたり負の遺産として残らざるをえないのでしょう。そして工事が続く限り、フクイチと同様に周辺への再汚染、汚染の拡散は続きます。

その3に続く

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