韓国市民放射能監視センターのシンポジウムに参加しました(2)

韓国のシンポジウムへの参加報告(1)の続きです。

[「熱い」ものを持っている韓国の人々]
ハン・サリム生協、韓国YWCAは脱核運動(日本語では脱原発のこと)を大変熱心にやっているところで、特に韓国YWCAは福島原発事故以降、脱核運動をメインの課題として取り組んでいるそうです。隔週でソウルの繁華街の南大門(ナンデムン)市場周辺で踊りやスピーチ、チラシ配りなどのキャンペーン活動をやっているとのことで、韓国国内で報道されたニュースのビデオを見せてくれました。特に女性陣の歌と踊りでアピールするやり方は大変楽しげで参考になりました。3カ所での参加者は基本的に女性でした。平日の昼間から夕方の時間設定はお母さん方の参加しやすさを考慮しているとのことです。

どこでも大歓迎で、それぞれでお土産までいただき帰りが重くて大変でした。(実は初日の夕方、そこしかとれない2時間のフリータイムに南大門市場でお土産用キムチを買っていましたので、それもあって重くて一苦労でした)。

2日目の夕方、食事をとりながら懇談したカン・オス君とカン・ユン君はとても親切でさわやかな青年たちでした。2人とも独身だそうです。2人との会話の一部分を紹介しましょう。ちなみにユン君は小学生の時と高校生の時に合わせて5年間日本にいて日本語ぺらぺらです。オス君とは英語で会話です。

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私)韓国は徴兵制ですよね。あなた方も徴兵されたのですか?(実は2人ともとてもやさしい青年だったので軍服姿の2人を想像できなかったのです)

ユン)私は2年間、憲兵として従軍、オスは2年半陸軍にいた。憲兵で従事していた間、拳銃の安全レバーは常に外していつでも撃てる状態にしていた。36発も実弾を持っていた。

私)オスさんは戦車に乗っていた?

オス)戦車ではなく歩兵でひたすら歩いていた。青木さん、なんで徴兵のことなんかに興味あるの?

私)私は若いころから反核運動や平和運動をしていた。日本では憲法9条があり戦争はできないことになっているがそれが変えられてしまいそうだ。

ユン)知っている。日本人は憲法9条を変えるのか?

木野)憲法9条を変えられる政治家はいないんじゃないか。それより解釈を変えるだろう。

ユン)韓国で徴兵を逃れるすべはない。だいたい大学3年生頃徴兵され2年か2年半で大学に戻る。徴兵拒否は1年半くらい刑務所へ入らなければならない。その後も前科者として一生まともな仕事につけない。政治的なパフォーマンスであえてそうする人もいるが。
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ユン)在特会はまだ騒いでいるのか?橋本、石原、小泉などはどうしているのか?

青木)ヘイトスピーチをやるやつらがいるが、それに対してカウンター行動をとっている人達もいる。ただ日本と韓国では随分政治的雰囲気が違うように感ずる。若い人たちの運動が強い。日本の官邸まえの金曜日デモなどは60台以上の人達が多い。

ユン)韓国の人は熱いものを持っていると思う。最近は大分薄れて来たけど、少し前までは5月と言えば光州民主化闘争を思い出して気持ちがそっちへ行く季節だった。光州民主化闘争(1980年)で亡くなった人達を祀ったお墓が光州にある。つい最近、パク・クネの選挙疑惑や資金疑惑に抗議して焼身自殺した人がいた。周囲が両親を説得してこの人は烈士として光州烈士の墓に埋葬された。30代はこうした熱いものを持っていて選挙でも60%ぐらいは民主党(第1野党で80年代の民主化闘争あがりの政治家も多いが経済的には新自由主義的なところがあるようだ)に投票する。20代は格差拡大で経済的な条件が悪くなるなかで逆に権力にすがる方向で保守的になっている。40代、50代と年齢が高くなるにしたがって保守的になる。
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韓国でも新自由主義的政策で格差拡大が進んでいるということは良く聞きます。宿泊したホテルの隣のビルは韓国金融センターでした。そのビルの玄関前にテントを張り、昼でも零下の厳寒の中で1日中座り込みを続ける数十人の労働者たちがいました。解雇された労働者たちの座り込みだそうです。地下道にはコンクリートの上に段ボールと毛布で野宿するホームレスがビッシリでした。

日本の状況と近いか、その先を行っているようにも感じました。格差拡大の中で20代が逆に保守化しているというユン君の話はとても気になるところです。ひょっとしたら日本もその後を追っているのか。やや暗い気持ちになります。ただユン君、オス君のような人々がいること。韓国YWCAで参加した女性たちと記念写真を取った時に、イチ、ニのサンでとるポーズはピースサインではなく、右手のこぶしを握って肩のところまで突きあげる「闘争ガンバロー」のポーズでした。こうした韓国の人々と連帯できることに希望を感じました。

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