田村バイオマス訴訟の大きな争点は、事業者が説明する「HEPAフィルタ設置」が虚偽であり、詐欺または田村市の錯誤によるものであるから、田村市は11億6千万円の補助金について事業者に返還請求すべきだというものです。
8月1日発行の田村市だよりによれば、6月定例議会において、白石勝彦議員の質問に答えて、産業部長はヘパフィルターの効果について、再び「事業者が安全確保のために必要なものと判断し、設置するものです」と回答しました。
これは、現在法廷で争われている市側の答弁と完全に矛盾します。法廷で被告田村市側の弁護士はHEPAフィルタについて、以下のようにこたえています。
「安心対策としてのHEPAフィルタ」「HEPAフィルタ設置が「安全」対策を超えた「安心」対策のため」(2019年11月14日被告答弁書)、「その意味で、個別の集塵性能を数値化しているものではない」(2020年3月28日被告第2準備書面)。
この法廷での答弁は、原告側からの「被告の主張は、要するに、HEPAフィルタによる集塵率がバグフィルタによるそれを超えるということなのか、それともバグフィルタによって既に十分な集塵が行われているので、HEPAフィルタは、ただ飾りとしてついているだけ、ということなのか明らかにされたい」、「lHEPAフィルタにも集塵機能を予定しているのであれば、どのような集塵性能を予定しているのか明らかにされたい」(2020年1月28日第2回法廷)という追及に対して出て来た答弁です。
田村市はこの期に及んでもまだ田村市議会と法廷で答弁を使い分けるという卑劣な対応をしています。
議会に対しては「国内最高レベルの安全対策」(2018年9月定例会での本田仁一市長答弁)、「安全確保」(今回の答弁)と説明しながら、法廷の場で、「お飾りではないのか」「集塵性能を明らかにされたい」と問われると、「安心対策」と言葉を翻し「その意味で集塵性能を数値化しているものではない」と答えているのです。
これこそ、田村市が田村バイオマス㈱と一体となって虚偽説明で議会と住民をダマしているという明らかな証拠ではないでしょうか。
安全対策であれば、集塵率はどの程度か、バグフィルタに比べどの程度改善されるのか、数値で明らかにするのは当然のことです。JIS(日本工業規格)もそれをもとめています。それを問われると「安心対策」だから「数値化」しないというのです。
「安心対策」なので「集塵率は数値化しない」というのであれば、やはり「お飾り」であって虚偽の「HEPAフィルタ」ということになります。
田村市は法廷で答えている「安心対策としてのHEPAフィルタ」「集塵性能は数値化しない」という立場なのか「国内最高レベルの安全対策」、「安全確保」対策のどちらなのか、はっきりすべきです。
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