オンライン ・ カフェ 報告集「田村バイオマス 控訴審の不当判決と 放射能ゴミ焼却を考える」を発行しました

3月30日のちくりん舎オンライン・カフェ「田村バイオマス 控訴審の不当判決と 放射能ゴミ焼却を考える」報告集を発行しました。

田村バイオマス訴訟にいたる経緯、不当な控訴審判決内容、本訴訟を通じて明らかになった点や、報告を踏まえての質疑応答、議論の内容が収録されています。是非、お申込み下さい。(会員、賛助会員の方は5/1に発送済みです)

1部500円(他に郵送料実費が必要です)でお送りします。必要な方は必要部数・送付先・氏名を書いて下記へご連絡ください。請求書を同封しますので、受け取り後、料金をお振込みください。

メール:lab.chikurin@gmail.com Fax:042-519-9378 こちらのページからも直接申し込みもできます。

A4カラー 50p

【目次】

はじめに                               ・・・・・  4
<第1 部 報告>
福島の山林汚染とバイオマス発電による放射能のばらまき
  和田央子さん(放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会)       ・・・・・  5
訴訟に至った経過と住民の思い   
  久住秀司さん ( 大越町の環境を守る会)              ・・・・・ 22
控訴審判決内容と批判 
  青木一政さん(ちくりん舎)                   ・・・・・ 28
訴訟の意義と成果
産廃焼却炉の隠れ蓑としての「バイオマス発電」の問題点  坂本博之(弁護士)                                ・・・・・ 40

<第2部 質疑・意見交換>
質疑・意見交換
~裁判で明らかになった事実をもとに新たな運動へ            ・・・・・42

「はじめに」より

本ブックレットは2023年3月30日に行われた、ちくりん舎オンライン・カフェ「燃やすな放射能汚染木-田村バイオマス控訴審の不当判決と放射能ごみ焼却を考える」の報告資料や、後半の質疑・討論の内容をもとに編集したものです。

岸田政権は5月に開催されるG7会合に先立ち4月に札幌で開催される、気候・エネルギー・環境相会合において、汚染水放出、汚染土「再利用」の「進捗を歓迎する」旨の文言を共同宣言に盛り込もうと画策しています。岸田政権は汚染水の海洋放出や、8000Bq/kg以下の汚染土を「リサイクル」と称して公共事業で活用するという、その強引な放射能ばら撒き政策を、G7各国からの合意により正当化しようとしています。

GX推進で各国が原発推進に方向転換する中、G7各国も将来起こりうる原発事故に備え、モデルケースとして日本政府のやり方を利用しようと考えている可能性は高いでしょう。我々はこの岸田政権の目論見に断固反対するものです。

 汚染水海洋放出や汚染土の再利用ほど注目されず知られていないのが、放射能ごみの一般焼却炉での焼却や、福島県内外の放射能汚染木を燃料とする「バイオマス発電」です。放射能汚染物を燃やしても、放射能が分解されたり、無害になることはありません。むしろ、燃やすことにより放射能は灰に濃縮され、焼却により排ガスに含まれる微小な放射能を含むばいじんがまき散らされます。そして、回収された灰が一般ごみと同様に廃棄されることも問題ですが、それどころか、セメント原料や土質改良材としての利用がすでに始まっています。放射能ごみ焼却も、汚染木を燃料とするバイオマス発電も、放射能ばら撒きそのものです。

 この冊子はオンライン・カフェの記録集ですが、焼却による放射能のばら撒きを何とか止めたいという思いで活動してきた人々の闘いの記録でもあります。地裁、高裁ともに極めて不当な判決で負けましたが、放射能ごみ焼却がいかにでたらめな目先の利益追求であるか、そして、原発事故の後始末がいかに困難であるかを明らかにしています。

 この小さなブックレットが一人でも多くの方の目にとまり、原発を止め、もうこれ以上核廃棄物を出さない、子や孫の世代に負の遺産を残さないという、人類の倫理的な闘いの一助になることを願っています。

2023年4月

ちくりん舎(NPO法人市民放射能監視センター)

 

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