フクロウ通信(福島老朽原発を考える会のニュースレター)28号記事から
関西方面へ自主避難している方々の尿検査
~検査を実施した方から嬉しい反応が~
フクロウの会/放射能測定プロジェクトでは各地の団体・個人と連携して尿検査を継続しています。尿中のセシウムを測ることで体内への放射能の取り込み状況を把握し対策を考えることで、放射能の取り込みを減らして内部被ばくを減らすことができます。
今年度の尿検査の新たなこころみの一つとして、関西方面に自主避難している方々の尿検査を実施しました。検査を受けたのは5家族16名の方々でした。結果はいずれの方も不検出(検出限界0.02~0.05ベクレル/㍑)でした。
検査を受けられた方から感想のメールをいただきました。私たちの活動やそれを支えていただいている皆様にとっても励みになるものです。ご本人の了解を得て内容をご紹介します。
*** 家族全員で検査を受けたAさんからのメール(抜粋)***
結果は素直に喜んでいます。
学校給食は食べさせているので、その点は心配がありました。私たち親は、避難してからさんまなど北の魚を一切口にしていませんが、子供たちは給食で食べたりしていましたから。
「これまで主に福島県周辺で調査してきたため、水やコメ、野菜などに注意していても検出される方が多くいらっしゃるのが実態です。」・・・とのこと。この文を借りて質問をさせていただいてもよろしいでしょうか?
その原因はどのようにお考えですか?初期の被曝が大きかったということなのでしょうか? それとも、その地の汚染度がどうしても数値に表れてしまうのでしょうか?結果的に、避難さえできればよいのでしょうが、なかなか現実は大変です。幸いにも自営なので自力で仕事をつくってはいますが、借金は5年前の3倍くらいになっていますし、売り上げが当時を超えることはなく、厳しい経営は続いています。福島の家は潰えていくばかりで、帰宅修理は二の次で、こちらの生活でいっぱいいっぱいですね。
そんな中でも、今回の検査結果は、嬉しく なによりの支援となったことは確かです。私達の考えが間違いなかったのだと、証明していただいたようなものです。ありがとうございました。やはり、子供優先で動くことが正解なのですね。
昨今の震災が過去になりつつある社会情勢で運営の大変ななか、今回の無料検査をしていただきとても感謝しています。ありがとうございました。私達のデータが、これから福島でアクションを起こそうとしている家族の何か役に立つことがあればいいな、と考えつつ・・・。
*** Aさんの質問に返信した後、再びいただいたメールから ***
「事故後5年経ってもまだ尿から検出されるのは、食べ物や呼吸から放射能を含んだ土埃を取り込んでいることが考えられます。『食べ物の産地を変えた』『砂場遊びを控えた』等により、再検査で検出しなくな
る例もたくさんあります。食べ物、ホコリどちらかを一概に言うことはできません。人により原因は異なっている(あるいは両方)のが実態です」・・とのこと 興味深いですね。それだけ日常に近いところにあるということですね。
こちらにきて思うのは、福島ほど風が吹かないということです。冬にかかわらず、福島では常に上空に風が吹いていた印象があります。それにより、乾燥もしやすく、ほこりも舞い易いということもあるのでしょうね。空が青かったのは、そういうことだったのか・・と今になり 懐かしく 悔しく思う日々です。
今後より活動は厳しくなるものだと思います。ご自愛なさってください。ありがとうございました
追伸 一部訂正です。
「私達の考えが間違いなかったのだと、証明していただいたようなものです。ありがとうございました。やはり、子供優先で動くことが正解なのですね。」・・・とありますが正しくは「女房の考えが間違いなかったのだと、証明していただいたようなものです。ありがとうございました。やはり、母親の直感重視で動いたことが正解だったのですね」というところが正直なところでした(笑)
************** メール引用ここまで *************
最近の状況の中で各地に散らばっている自主避難者をはじめとして原発事故被害者は様々な困難を抱えています。そのような中で私たちの行っている尿検査が少しでも役立てば・・との思いから今回の検査を実施しました。尿検査は継続して実施中です。ご希望などあればお問合せ下さい。
fukurounokai@gmail.com 090-7245-7761 青木一政
【資料】Aさん一家の生活状況アンケートから
●コメは京都産、島根産。水は山の湧水。野菜は品種や季節により自家と地場(京都産)を主体として。
肉、魚の摂取は全体の1-2割以下。
●子どもの学校給食は昨年のリクエストを若干取り入れてもらえた?西日本産材料使用に、学校が今年か
ら言及開始。