12月10日から11日にかけて福島へ調査ツアーに出かけました。今回のツアーの目的は下記のようなものです。
(1)中間貯蔵施設の現状見学
(2)伊達市梁川町のバイオマス発電現地調査と地元住民学習会での講演
(3)伊達市内の汚染状況実態調査と土壌サンプリング
中間貯蔵施設とは大熊・双葉両町にまたがる広大な施設でフクイチをとりかこむような形に位置しています。施設を運営しているJESCO(中間貯蔵・環境安全事業株式会社)の案内で構内に入り見学をしました。
中間貯蔵工事情報センターで10分程度の案内ビデオ視聴とブリーフィングのあと、JESCOのマイクロバスで構内を回りました。前回(2021年4月)は双葉町側を一周するコースでしたが、今回は大熊町側を一周するコースでした。
構内に入ってまず驚いたのは、既にほとんどの「除去土壌」=汚染土の搬入と処理は終了していたことです。処理のために建設した受け入れフレコンバック解体施設、土壌分級施設、可燃物焼却炉、1.5kmにもおよぶ長大なコンベアラインのほとんどが解体、撤去されていました。
汚染土壌の埋め立て工事もほぼ終了状態です。
工事に必要な道路や施設周辺の除染してあるが、未契約の土地(中間貯蔵施設として使えない)、工事に不要な土地などは全く除染していないとのこと。JESCOの説明では道路脇の森林などは20-30μSv/h程度はあるそうだ。
大熊、双葉両町にまたがる広大なエリアのうち約7%が未契約状態のため、そこは飛び地のような形で手を付けていない。残りの93%のうち、約10%が賃貸契約、90%は国が買い取りとのこと。
仮に30年後に汚染土を県外に全て移動させることができたとしても、広大な国有地(国が買い取った部分)となり、その中に個人所有地が点在した形となる。点在する個人所有地で普通の生活や個人的な有効活用ができるとは考えられない。
環境省は「中間貯蔵開始後30年以内に、福島県外で最終処分を完了する」とした日本環境安全事業株式会社(JESCO)法により、「減容化」「再利用」「土壌は重要な資源」として県外各地での処分に必死になっている。最近発表された所沢市や新宿御苑などでの「再利用」実証試験はそのための地ならし。
たとえ受け入れるところがあったとしても、膨大な量の汚染土壌を再びほじくり返し、受け入れ現地まで輸送するために膨大な費用と輸送中の事故による汚染土拡散などのリスクが生ずる。
法を改正して、中間貯蔵施設を最終処分場とすべきことが今となっては最も合理的ではないか。
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中間貯蔵施設の地権者は最終処分場なんて絶対受け入れないでしょう。県外も再生利用と言おうが何と言おうが見習いましょう。