https://mainichi.jp/articles/20201226/ddl/k11/070/096000c
執筆された山田研記者は大崎支局時代に放射能ごみ焼却反対住民訴訟とリネン吸着法の監視について丁寧に取材されて記事化していただきました。
セシウム137の半減期は30年、まだまだ汚染は続く、そして汚染はじっとその場にとどまるのではなく、水の流れなどで移動して集中的に濃度の濃くなる場所がある。それが人間の営みで再拡散される。そうした広い視野での問題提起を含んでいまる。
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https://mainichi.jp/articles/20201226/ddl/k11/070/096000c
執筆された山田研記者は大崎支局時代に放射能ごみ焼却反対住民訴訟とリネン吸着法の監視について丁寧に取材されて記事化していただきました。
セシウム137の半減期は30年、まだまだ汚染は続く、そして汚染はじっとその場にとどまるのではなく、水の流れなどで移動して集中的に濃度の濃くなる場所がある。それが人間の営みで再拡散される。そうした広い視野での問題提起を含んでいまる。
★大気浮遊塵中のセシウム濃度推移グラフ(2017~2020年度)new!
2020年度(上半期データ)を追加しました。 (2020.12.09更新)
12月2日、仙台高裁で開かれた大崎市放射能汚染廃棄物焼却差し止め訴訟(住民訴訟)第10回期日に急きょ傍聴参加してきました。
本訴訟では焼却による排ガスのセシウムが「不検出」のため問題ないとする被告側と、「不検出」はゼロということではなく内部被ばくの危険性があり住民の平穏生活権を脅かすとする原告側の主張が争点となっています。原告側はちくりん舎が行った試験焼却時のリネン吸着法による監視結果や県内各地のモニタリングポストの値が横ばいであること、焼却炉周辺土壌汚染の調査結果など様々な証拠資料を提出して、対象となる玉造クリーンセンターからの放射能粉じん漏れを立証してきました。
このような過程のなかで、裁判所としても環境省の定めた排ガス調査方法(公定法)にこだわらず、原告らの提案するやり方で焼却炉排ガス中のセシウム測定をしてみてはどうかと提案するにいたりました。
当日の法廷で被告側は焼却炉敷地内にリネンを設置する(煙突直下のため低い値となる)という姑息な提案をしてきました。原告は3つの測定方法を提案しています。①リネン布を煙突直上あるいは煙突内に設置して測定、②コールドトラップ法により排ガス中の微小粉塵を収集して測定する、③公定法の検出下限を下げて測定するというものです。
裁判所からの提案は公定法の延長である③をやってみてはどうかとの発言がありましたが、原告弁護団はそれぞれの方式に一長一短がある、調査時のトラブルなどの可能性もあり3つの方式を進めることを提案しました。説明に立った宇部弁護士の「三人寄れば文殊の知恵という言葉もある、裁判官の皆さんも三人ではないか」との説明は分かり易く説得力があり傍聴席からもどよめきがおこりました。
次回、進行協議で専門家・技術者を交えた具体的な方法についての検討をすること、その後、3月10日の法廷で内部被ばくの問題と進行協議の結果も踏まえた焼却炉現地での調査方法についての審議が行われることが決まりました。
法廷後、原告団、支援者、弁護団は近くの戦災復興記念館において報告集会を開き裁判詳細についての確認や今後の進め方などを確認しました。
※写真はいずれも日野正美さんによるものです。
福島県田村市に建設中の田村バイオマス発電所が完成したようです。各社でその完成が報じられています。
https://mainichi.jp/articles/20201114/ddl/k07/020/065000c
https://www.minpo.jp/news/detail/2020111380904
ところで、これらの報道で、とても不思議な事態が起こっています。それは、田村市長が「国内最高レベルの安全性」と議会で答弁し、親会社のタケエイが日刊工業新聞ではなばなしく「放射性物質が飛散する懸念への配慮として、バグフィルターでの処理後にHEPAフィルターでも処理する二重の体制をとる。これにより燃焼によって発生する粉じんを99.97%以上、取り除くことができる」(2018年8月31日)と発表したHEPAフィルタについて一切触れていないことです。
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00486734?isReadConfirmed=true
私たちが調べた限りでも、バグフィルタの後段に、微小粒子の集塵率が高いとされるHEPAフィルタを設置したバイオマス発電施設は国内初めてです。(フクイチ構内で最近稼働を始めた増設雑固体焼却施設では設置されています)。バイオマス発電施設で放射能対策でHEPAフィルタ設置は国内初めてで「最高レベル」であるなら何故、これを宣伝しないのでしょうか。自信のある設備なら、ここぞとばかりに宣伝しても良いはずです。田村バイオマスエナジーがブリーフィングしたにも関わらず、新聞各社がこれに全く触れないということは考えにくいです。
田村バイオマスエナジ―と本田仁一田村市長は「HEPAフィルタ」の話はしたくないのでしょうか??
現実は、既にこのブログで何回か記述しているように、「国内最高レベルの安全性」確保のための「HEPAフィルタ設置」は偽物だからです。田村市の住民はこの「HEPAフィルタ設置」が虚偽であり、田村バイオマスエナジ―に対して田村市が支出した交付金は、市の錯誤によるものであるから、市は交付金の返還請求を行え、として裁判を起こしています。
既に、6回にわたる裁判で被告、田村市側はこのHEPAフィルタが虚偽であるという原告側の具体的指摘に対して全く反論ができていません。つまりは裁判を重ねる毎に、「HEPAフィルタ設置」は住民と田村市議会をダマすためのものであり、実際には「お飾り」に過ぎないことが明らかになっています。
華々しく、完成をメディアに公開した割には、HEPAフィルタについてダンマリを決め込む姿は、やはり「偽物」「住民だまし」だったことを再度明らかにしたと言えるでしょう。
田村バイオマス訴訟で、被告田村市がHEPAフィルタについてまともな説明ができていないことについては、是非、こちらの報告をご覧ください。
福島老朽原発を考える会、放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会、木質バイオマス発電チェック市民会議、NPO法人市民放射能監視センターの呼びかけで、10月25日に開催されたオンライン・シンポジウムには各地から59名のオンライン参加、同時に流されたyoutubeでは30名程度の視聴がありました。
今回のシンポジウムでは汚染木材を燃料とすることによる放射能の再拡散問題と、そもそも大型木質バイ発電オがCO2発生抑制につながらないどころか森林破壊による生態系破壊、洪水・土砂崩れの危険性増大など環境破壊そのものであることについて、一体の問題として共通認識が深められました。
Youtubeでアーカイブがみられます。ご参加できなかった方、もう一度確認したい方、以下から視聴できます。
https://www.youtube.com/watch?v=kb0Qq_UCrIo
報告者のプレゼン資料は下記からダウンロードできます。
地球規模での森林破壊に繋がる大規模バイオマス発電(満田夏花)
今後とも、各地のネットワークを広げながら問題点の共有化、互いに学びあい、支えあうような企画を計画してゆきたいと思います。ご意見などありましたらお知らせください。
10月27日に福島地裁において第6回田村バイオマス訴訟法廷が開かれました。次回の裁判期日は2021年1月12日13:30からと決まりました。被告側が今回提出した準備書面は、原告の主張である①燃料木材の放射能汚染の問題、②バグフィルタがセシウムを含む微小粒子を捕捉できない問題、それぞれに関する反論が主なものでした。こちらが本裁判の主な争点として主張している、HEPAフィルタが実際には機能しない虚偽設備であることについての反論は次回に持ち越されました。
裁判終了後、福島市市民会館において報告集会が開かれました。約20名の参加がありました。
報告集会ではちくりん舎の青木から、これまでの裁判経緯の説明がありました。報告の資料は下記からダウンロードできます。
青木の説明の中では、第4回までの法廷でHEPAフィルタが機能を果たさない虚偽設備だということについて、原告側が優位に論戦を紹介していたとの説明がありました。ところが第4回法廷の場では、裁判長から「燃料木の放射能汚染と検査体制の問題」「バグフィルタによる放射能捕捉の問題」について原告側の主張を整理して提出するよう発言がありました。本裁判の主要な争点は、あくまでも田村BEと本田市長が説明する「国内最高レベルの安全対策としてのHEPAフィルタ設置」が虚偽だという問題です。これに対して、「バグフィルタで安全は担保されている」「HEPAフィルタは『安心対策』のためのもの」として争点をずらす被告側の主張に乗ったような裁判長の発言でした。第5回裁判ではこの裁判長に指示に従って、当方の主張を述べたものです。
今回の法廷の場でも、被告側弁護士に対して「次回、被告側として原告主張の重要ポイントと考えられる点について反論するように」との発言があったのです。青木からはこの点について、裁判の主要争点の設定を被告側の選択に任せるようなもので、被告側の争点ずらしに優位に作用するのではないか、との危惧が表明されました。
坂本弁護士からは、今回の被告側の準備書面内容についての更に詳しい解説がありました。バグフィルタの問題についても被告側は冷却水の取水場所やその内容などを一切明らかにしていないので、排煙が確実に冷却できるか不明のため、バグフィルタそのものが確実に稼働できるかどうかも疑わしいとの補足説明がありました。裁判長の発言については、単に被告側書面の理解のしやすさを考慮しての発言とも考えられるとの解説がありました。また、今後の裁判の見通しの説明がありました。
質疑、意見交換の中では、来年4月に予定されている田村市長選との関連で質問がありました。来る田村市長選で現職の本田仁一市長が落選した場合は被告は誰になるのか、という質問です。坂本弁護士からは、被告は田村市長としての本田仁一氏が被告となっているので、落選した場合は新市長が被告になる、という説明がありました。
来る市長選の行方がどうなるかが大変重要ですが、現職の田村市長が落選し新市長になったとしても、裁判はそれで決着がつくわけではありません。引き続き粘り強い運動が重要であることを一同確認した報告集会となりました。
大崎市での放射能ごみの焼却中止を訴える大崎住民訴訟について、第9回口頭弁論の内容が「石巻地域の会通信」で報告されました。
裁判の争点が詳しく説明されていますので、是非こちらからお読みください。
裁判では、被告市側が、排ガス測定(環境省の決めた方法)で不検出だから漏れていないと主張しています。それに対して、原告側の主張は、不検出というのはゼロではないこと。測定の目的に応じて、測定する排ガス量を増やし長時間測定することで検出限界は下げられると主張しています。
裁判所もこの原告の主張にかなりの理解が進んでいるようです。
大崎住民訴訟は放射能ごみ焼却にストップをかける、大変重要な裁判です。
ご注目下さい。
ちくりん舎も支援している田村バイオマス訴訟の支援の会ニュース第10号が発行されました。
◉思いはただ一つ「子どもたちを放射能から守る」 吉川さんの意見陳述
第5回田村バイオマス訴訟
8月18日福島地方裁判所で田村バイオマス訴訟第5回法廷が開かれ、原告の一人である吉川
ヨウ子さんが意見陳述を行いました。吉川さんは冒頭、田村バイオマスに反対するただ一つ
の理由が「子どもたちを放射能から守ること」にあることを明確に述べました。
吉川さんは陳述の最後に、反対署名運動で署名集めをしていたときの大変さと、その中で
も多くの市民からの期待で地元大越町の有権者の過半数を集めぬいたことについて、実感の
こもった陳述をされました。
◉「国内最高レベルの安全対策」は根拠なし HEPA(ヘパ)フィルタ設置は単なる「おかざり」
田村市は田村バイオマス発電㈱(田村BE)に40億円の補助金を支出します。この補助金支出につ
いて、田村BEと本田市長の安全対策「HEPAフィルタ設置」が虚偽であるから、市は不当利益返還
請求をせよとして提訴しました。これまでの5回の法廷でも、田村BEと本田市長の虚偽説明が明ら
かになってきました。
◉集塵性能を数値化しないのであれば「筒抜け」であっても分からない「安心対策」と言い換えることで集じん性能を明らかにしないのであれば、単なるお飾りの設備であっても分からないことになります。
HEPAフィルタはJIS(日本工業規格)においても規格・性能が決められています。これを守らなければ「HEPAフィルタ」と称することは許されません。市と田村BEにやましいところがないのであれば、堂々とHEPAフィルタの集じん率を明らかにして、それを守っていることを公開すべきではないでしょうか。それをしないで「国内最高レベルの安全対策」などというのは恥ずかしい限りです。そのようなゴマカシで40億円もの血税を田村BEに支出するのは許されません。
◉グリーン発電会津を見学しました
9月6日会津若松市河東工業団地にあるグリーン発電会津を見学しました。本施設は2012年より始まった再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)の認定第一号となったバイオマス発電のモデルであり、復興の騎手として大きく報道されてきました。今回は会津若松市議会議員にご案内いただく機会を得ましたが、残念ながら内部見学は現在受入れを中止しており、外観のみの見学となりました。
◉灰を肥料に?!
見学終了後、市議会議員より説明を受けました。いただいた資料「第1回会津若松市農山漁村再生可能エネルギー法協議会(令和元年11月19日開催)」によると、グリーン発電会津が灰を肥料に再利用したい意向を示していることが分かりました。環境省の進める汚染土再利用政策に伴い放射能汚染廃棄物の基準値がなし崩し的に緩められつつあり、市民の被ばくリスクが高まっています。
◆カンパをお願いします◆
ゆうちょ振込口座:00270-8-106485
口座名称:田村バイオマス訴訟支援の会
タムラバイオマスソショウシエンノカイ
銀行からの振込の場合
店名(店番):029
当座 0106485
田村バイオマス訴訟支援の会 facebook
https://www.facebook.com/groups/468923530580459/
進捗状況、イベントなど発信しています。
第六回裁判 10月27日(火)13:30 福島地方裁判所
裁判終了の20分後より福島市市民会館にて報告集会を行います。
8月18日、福島地方裁判所で田村バイオマス訴訟第5回法廷が開かれました。今回の法廷では原告の一人である吉川ヨウ子さんから意見陳述が行われました。
思いはただ一つ「子どもたちを放射能から守る」- 吉川さんの意見陳述
吉川さんは冒頭、田村バイオマスに反対するただ一つの理由が「子どもたちを放射能から守ること」にあることを明確に述べました。
その上で、田村バイオマスの問題点について
①本田仁一市長の説明がコロコロ変わり信頼を無くしたこと。
②今回のバイオマス計画が放射能再拡散の確信犯であること。
③行政の手続きが隠ぺい主義で非民主的であること。
の3点についてこれまでの経緯を含めて裁判所に訴えるものでした。吉川さんは陳述の最後に、反対署名運動で署名集めをしていたときの大変さと、その中でも多くの市民からの期待で地元大越町の有権者の過半数を集めぬいたことについて、実感のこもった陳述をされました。裁判官3名もしっかりと聞いていいたと思います。
HEPAフィルタ問題への反論を引き延ばす被告側弁護士
今回の裁判では原告側から、燃料木材への放射能の付着と検査の問題点、バグフィルタが放射能を完全に捕捉できないことを丁寧に説明した準備書面が提出されました。
その後、裁判長は「今回の準備書面で、原告側の主張がそろった。燃料木材の問題とバグフィルタの問題、HEPAフィルタの問題の3点がある。被告側は次回、これら3点について反論を準備できますか」との発言がありました。
被告側弁護人はそれに対して、「前者2つは次回までに準備できる。HEPAフィルタについての反論は次々回にして欲しい」と発言して、裁判長もこれを了解しました。
これは、私たち原告にとって驚きの発言でした。というのも、私たち原告側のHEPAフィルタの問題点についての主張は既に、前回(第4回、6月2日)に提出済みです。本来なら2か月後の今回、反論の書面が出てきてもおかしくありません。それが今回は全く出されず、次回もできない、次々回に提出するというのです。原告側が提出してから、おおよそ6か月もかかるというのです。
田村バイオマスのHEPAフィルタは虚偽のもの―反論に苦慮する被告側弁護団
報告集会でこの点が話題になりました。おそらく、被告側は「HEPAフィルタが虚偽である」とする、前回までの原告側の主張への反論に大変苦慮していると想定できます。反論の引き延ばしを図って、田村バイオマスの稼働を既成事実化して、あらたな局面展開を模索しているのかもしれません。
報告集会でちくりん舎の青木がこれまでの裁判での論争の経緯と今回の準備書面の概要を説明しました。その後、坂本弁護士から、今回の準備書面内容について詳しく説明がありました。資料は以下からダウンロードできます。
第5回法廷:田村バイオマス訴訟の経緯と新たな展開(ウエブアップ用)
青木の説明でも明らかなように、これまでの法廷論争で、被告側は「オウンゴール」ともいうべき失敗をしています。それは、田村バイオマスに設置されるHEPAフィルタは、「JIS Z 8122による」と文書で説明したのです。ところがこのJIS Z 8122はクリーンルーム用の規定であり、また放射能対策用ではない、とはっきり明記されています。このことは、本田仁一市長が説明した、「市民の放射能への不安に対して国内最高レベルの安全対策をする」という説明と真っ向から矛盾します。要するに、被告側弁護団は原告の具体的な追及をかわそうとして、田村バイオマスが設置するHEPAフィルタが「放射能用でもなければ、排ガス用でもない」ということを自ら主張してしまったのです。
次回法廷は10月27日(火)13時30分からと決まりました。
引き続きご支援をよろしくお願いします。
ちくりん舎会員、支援者の皆様をはじめとして多くの方とオンラインで気軽なコミュニケーションの場としたいと考えております。お気軽にご参加ください。
●日時:8月8日(土)10時~12時頃まで
※10分前には会議室を開きます。
※途中入場、途中退出も可能です。
●形式:オンライン会議ソフトZOOMによるオンライン・カフェ
パソコン、スマホから入れます。
操作などご不明な方はお問い合わせください。
ちくりん舎 青木一政 090-7245-7761
●内容:ちくりん舎ニュース記事の解説、最新情報のご説明。
飯舘村に木質バイオマス発電計画-野放図な放射能ばらまき計画にストップを!、裁判を通じてますます明らか
になってきた田村バイオマスの虚偽説明 他 ちくりん舎ニュース最新版はこちらからご覧になれます。
質問や意見交換、各地の状況などの情報交換
田村バイオマス訴訟の大きな争点は、事業者が説明する「HEPAフィルタ設置」が虚偽であり、詐欺または田村市の錯誤によるものであるから、田村市は11億6千万円の補助金について事業者に返還請求すべきだというものです。
8月1日発行の田村市だよりによれば、6月定例議会において、白石勝彦議員の質問に答えて、産業部長はヘパフィルターの効果について、再び「事業者が安全確保のために必要なものと判断し、設置するものです」と回答しました。
これは、現在法廷で争われている市側の答弁と完全に矛盾します。法廷で被告田村市側の弁護士はHEPAフィルタについて、以下のようにこたえています。
「安心対策としてのHEPAフィルタ」「HEPAフィルタ設置が「安全」対策を超えた「安心」対策のため」(2019年11月14日被告答弁書)、「その意味で、個別の集塵性能を数値化しているものではない」(2020年3月28日被告第2準備書面)。
この法廷での答弁は、原告側からの「被告の主張は、要するに、HEPAフィルタによる集塵率がバグフィルタによるそれを超えるということなのか、それともバグフィルタによって既に十分な集塵が行われているので、HEPAフィルタは、ただ飾りとしてついているだけ、ということなのか明らかにされたい」、「lHEPAフィルタにも集塵機能を予定しているのであれば、どのような集塵性能を予定しているのか明らかにされたい」(2020年1月28日第2回法廷)という追及に対して出て来た答弁です。
田村市はこの期に及んでもまだ田村市議会と法廷で答弁を使い分けるという卑劣な対応をしています。
議会に対しては「国内最高レベルの安全対策」(2018年9月定例会での本田仁一市長答弁)、「安全確保」(今回の答弁)と説明しながら、法廷の場で、「お飾りではないのか」「集塵性能を明らかにされたい」と問われると、「安心対策」と言葉を翻し「その意味で集塵性能を数値化しているものではない」と答えているのです。
これこそ、田村市が田村バイオマス㈱と一体となって虚偽説明で議会と住民をダマしているという明らかな証拠ではないでしょうか。
安全対策であれば、集塵率はどの程度か、バグフィルタに比べどの程度改善されるのか、数値で明らかにするのは当然のことです。JIS(日本工業規格)もそれをもとめています。それを問われると「安心対策」だから「数値化」しないというのです。
「安心対策」なので「集塵率は数値化しない」というのであれば、やはり「お飾り」であって虚偽の「HEPAフィルタ」ということになります。
田村市は法廷で答えている「安心対策としてのHEPAフィルタ」「集塵性能は数値化しない」という立場なのか「国内最高レベルの安全対策」、「安全確保」対策のどちらなのか、はっきりすべきです。
7月28日福島市アオウゼにおいて、子ども脱被ばく裁判第27回(結審)報告集会が行われました。
当日は福島地裁において法廷が開かれましたがコロナの関係で傍聴者が限られていることもあり、同時並行で福島市アオウゼで学習会が開かれました。その場でお話をさせていただきました。
プログラムは以下のようなものでした。
学習会「内部被ばくの危険性〜最新情報を語る」
講演1「大気中を漂う放射性物質」河野益近氏
講演2「ちくりん舎の活動から見えて来た放射能ばらまきの実態」青木一政
河野氏の講演は特に裁判での重要な争点になった不溶解性微粒子の問題です。ちくりん舎の青木からは、放射能ごみ焼却や木質バイオマス発電などの放射能のバラマキの状況と、南相馬市在住の方々の最新の尿検査結果の状況を報告しました。
ちくりん舎青木の報告資料はこちらからダウンロードできます。
汚染の拡散、放射性物質のばらまき、日本のこれからのエネルギー、色々な疑問
や不安、私はこう思う、私たちに何ができるのか、などなどみんなでお話しませ
んか?
私たちはこの間、放射能汚染木材を使ったバイオマス発電に反対する取り組みを
行ってきました。今回は、舞鶴でパーム油バイオマス発電を止めた皆さんのお話
をじっくり聞きながら、いろいろ考えたいと思います。
どうぞお気軽にご参加下さい。
・日時:2020年7月26日(日)14:00~16:00頃
・オンラインで行います♪
事前にフォーム https://forms.gle/YTspHNWD36mRZAGP8
またはメール fukurounokai@gmail.com にて
お申込ください。当日参加用のZoomのURLをお送りします。
(不明な場合 090-8116-7155 阪上まで)
・参加費:無料
・テーマ
講演 こうやって止めた!パーム油バイオマス発電
ゲスト:森本 隆さん/舞鶴西地区の環境を考える会
報告 放射能ばらまくバイオマス発電反対運動の現状
青木一政/フクロウの会事務局長
六ヶ所再処理工場の日常放射能放出/感染症と原発避難
阪上 武/フクロウの会代表
♪福島老朽原発を考える会(略称:フクロウの会)は放射能汚染や事故の心配が
なく、放射性廃棄物を生み出さない社会をめざして首都圏で活動を続けて来た団
体です。 2011年3月11日の福島原発事故以降、脱原発の運動に加え、人々への被
ばくが少しでも少なく抑えられるよう情報提供・放射能測定・国や自治体への働
きかけなどを行っています。
♪フクロウの会ではボランティアスタッフを募集中
☆下記までご連絡お待ちしています。
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
連絡先:fukurounokai@gmail.com
TEL: 03-5225-7213 FAX:03-5225-7214
ブログ:http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/
〒162-0822 東京都新宿区下宮比町3-12明成ビル302号
7月2日衆院議員会館にて原発ゼロの会による「木質バイオマスに関するヒアリング」が行われました。立憲民主党阿部とも子衆院議員のご尽力により実現したものです。
飯館村村長が進めようとしている放射能濃度の高いバーク(樹皮)を福島県中から集めてバイオマス発電として燃やそうという計画に対して、木質バイオマス発電の問題点、資金的裏付けとなる「福島再生加速化交付金ー木質バイオマス関連施設整備事業」の問題について、関連省庁担当者に見解を問いただし、問題を理解していただくためのものです。
その中で「放射能汚染木材を燃やす田村バイオマス発電の問題」と題してプレゼンをさせていただきました。資料をご参考までにアップします。ファイルが大きいので2つに分割します。
後半のヒアリングにおいて、木質バイオマスで燃料とする木材の放射能基準を求めるべきではないか、バークを集めて燃やそうとしている飯舘村の木質バイオマス発電は周囲への放射能再拡散や焼却灰の処理はどうするのか、などの質問をしましたが、「福島再生加速化交付金交付要領」「別添6 木質バイオマス施設整備事業」の採択基準に則り進める、との官僚的・事務的答弁に終始しました。
ただ、原発ゼロの会の国会議員の方々も、田村市の木質バイオマスの問題や飯舘村の木質バイオマス発電計画について知らなかったようで、この問題について認識を深めていただく契機にはなったのではないかと考えます。
参加された議員の皆さまは
阿部知子衆院議員
近藤昭一衆院議員
菅直人衆院議員
真山勇一参院議員
塩村あやか参院議員
石川大我参院議員
山崎誠衆院議員
の皆さんです。
その他
嘉田参議院議員、芳賀参議院議員、篠原孝衆院議員の秘書の皆さまです。
第四回裁判 HEPAフィルタ:被告は「国内最高レベルの安全対策」との説明を「安心対策」にすり替え
1.裁判報告
6月2日(火)福島地裁にて第四回目の裁判が開かれました。原告からは前回の裁判長の求めに応じて、HEPAフィルタが虚偽であることの根拠を分かりやすく整理した形の準備書面を提出しました。田村バイオマスエナジーはいまだに一切の資料提出を拒否したまま、「HEPAフィルタは安心のために設置するものであり個別の集じん性能を数値化※するものでない」
などと、居直ったような主張をしています。
しかしこの日、裁判長は「被告側は安心のためHEPAフィルタを設置したと主張している。放射性物質の検査やバグフィルタの機能的欠陥があるかどうかが詐欺の要件に当たるかどうかに関わってくる」とし、すでにこれまで原告側が批判してきた汚染木材の検査方法やバグフィルタの問題点についてさらに説明を求め、被告側の論理に引きずられたかのような印象がありました。
※「安心」というのは人の主観に基づくもので数値化できません。「安全」というのは危険の程度を客観的な数字で示さなければなりません。被告側が「安心のため」とすり変えているのは、まさにHEPAが偽物であり集じん率を数字で示せない(示したくない)ことを表しています。
裁判の論争の分かりやすい解説はちくりん舎HP http://chikurin.org/wp/?p=5747 をご覧下さい。
2.田村市への寄附金
大越町の環境を守る会が田村市へ情報開示請求を行い、過去5年間の田村市への寄附金を調べたところ、田村市と田村BEが土地賃貸借契約を締結した直後の2019年度に5百万円~5千万円の大口寄附金17件(寄附者は非開示)が集中して寄せられていることが明らかとなりました。不透明な使途につながっていないかどうか、市議会議員が調査権を使って明らかにする必要があるのではないでしょうか。
3.飯舘村蕨平仮設焼却炉跡地利用計画
飯舘村は蕨平で稼働する環境省の仮設焼却炉の今年10月での運転終了に合わせ、その後の跡地利用として木質バイオマス発電を計画していることを議会に伝えました。
村内国有林を燃料とし、先行事例として田村バイオマス事業を参考とするとしています。
放射性物質に汚染された森林を焼却すれば放射性物質の再拡散となり、呼吸によって肺の奥へ取り込まれた放射性物質は長く体内にとどまり、全身のさまざまな疾患をひき起こすことが指摘されています。特に子どもたちへの影響ははかり知れません。
6月2日、福島地方裁判所において田村バイオマス訴訟の第4回法廷が開かれました。コロナ感染拡大防止で傍聴者の人数制限もあるため、主に福島県内の方に傍聴参加を呼びかけました。13:10分からの法廷には原告および支援者が約15名集まりました。
【裁判長の発言に変化?】
法廷では原告側から準備書面(2)が提出されました。前回の裁判長の発言で、原告側の請求原因の整理をして欲しいとのことで、あらためて原告側の主張の整理と前回提出された被告側準備書面(1)(2)への反論が盛り込まれたものです。
法廷で裁判長から、「次回、あらためて原告側から燃料として放射性物質の付着したものが持ち込まれる可能性や事前検査についての問題点、およびバグフィルタでは放射性物質が捕捉が機能しないこと主張を整理して出して欲しい」との発言がありました。これに対して原告代理人からは「この裁判では被告が設置するとしているHEPAフィルタが本来の性能を果たせない虚偽のものであり詐欺であることが争点」「燃料への放射能の付着やバグフィルタの欠陥については今回の準備書面(2)でも触れている」との反論がありました。
それに対して裁判長の反応は、「被告側は安心のためHEPAフィルタを設置したと主張している。放射性物質の検査やバグフィルタの機能的欠陥があるかどうかが詐欺の要件に当たるかどうかに関わってくる」という旨の説明がありました。
これは従来の法廷での裁判長の一連の発言と随分異なるものです。裁判長は1回目法廷で「この裁判はHEPAフィルタが争点となる。どういうものか分からないので、その説明を含めて主張を整理してい欲しい」との発言がありました。2回目法廷では「HEPAフィルタの問題点について改めて原告側の主張を整理して欲しい」との発言がありました。原告側はそれらの発言に応えた準備資料や証拠書類を提出してきた経緯があります。
今回の裁判長の発言は、被告側の「HEPAフィルタは『安心のため設置』」との主張をそのまま引用するなど、被告側の論理に引きずられたかのような印象もあります。一方で原告・被告双方の主張を対応させて並列に引き出そうとも考えられます。次回の裁判は8月18日(火)14時~と決まりました。
【報告集会では今後の進め方について議論】
法廷終了後、近くの福島市民会館にて報告集会が開かれました。報告集会では司会の和田央子さんの挨拶のあと、ちくりん舎の青木からこれまでの法廷での論争のポイントの紹介がありました。
田村バイオマス訴訟の経緯と新たな展開はこちらからダウンロードできます
その後、坂本弁護士から今回の法廷でのやり取りなどについて解説がありました。裁判長はこれまで本裁判がHEPAフィルタの虚偽性が争点になることを繰り返し発言してきた、今回はそれと異なっているという説明がありました。原告側の主張からすれば、たとえ仮にバグフィルタに欠陥がないとしても、HEPAフィルタが本来の性能を発揮しない虚偽のものであれば問題だとする立場だとの説明がありました。次回法廷に向けては、被告側が住民に向けてバグフィルタについてどれだけ説明してきたのか、も含めて、燃料の放射能汚染、検査の問題、バグフィルタの欠陥について準備書面を用意してゆくとの説明がありました。
原告代表の久住秀司さんからは、情報開示で田村市への寄付金の状況を調査した結果が報告されました。それによると500万円以上の大口寄付が、田村バイオマスが動き出す2018年に集中していることが報告されました。(寄付者は黒塗りのため不明)。田村市議会議員への裁判情況のレクチャー・学習会の計画などが必要との議論もありました。
飯館村からは佐藤八郎村議が参加されました。飯館村では蕨平の仮設焼却炉の跡地にバイオマス発電計画が予定されているようで、その計画について環境省からの説明会があった旨の報告がありました。この問題についても注目が必要で今後連携をして欲しいとの発言がありました。
5月24日フクロウの会オンライン・カフェでお話をしました。コロナ感染拡大防止のため初のこころみのオンライン・カフェでした。ZOOMという会議用ソフトであらかじめ申し込んであれば簡単に入れました。オンラインということで、いつもは遠方でなかなか参加できない方から多く申し込みがあり総勢30名の参加となりました。福井、兵庫、福島、宮城など各地から普通ならなかなか一緒になれないような方が一同に集まることができました。
カフェでは以下の3つの報告と質疑が行われました。
・六ヶ所再処理工場審査・パブコメで止めよう(阪上 武)
・なぜ急ぐのか?トリチウム汚染水の海洋放出(満田夏花)
・福島県田村市バイオマス発電・裁判の新展開(青木一政)
田村バイオマス訴訟に関して、当日のプレゼン資料をアップしますのでご参考にしてください。この裁判の争点やこれまでの論争の経緯が分かります。
次回、第4回法廷は6月2日となります。13時50分福島地裁ロビー集合。裁判終了後近くの福島市民会館にて報告集会を行います。福島県内の方に参加を呼び掛けております。感染拡大防止のため他県からのご参加はご遠慮下さい。