第5回通常総会が行われました(報告)

 報告が遅れましたが、以下ちくりん舎の第5回総会の報告です。

 市民放射能監視センター(愛称:ちくりん舎)の第5回通常総会が予定通り水道橋内海ビル301会議室で2018年5月27日(日)13:30-16:30 に実施されました。
 ちくりん舎の現状報告及び以下の報告、計画が承認されましたこと、ご報告致します。
  ・2017年度事業報告、会計報告、監査報告
    ・2018年度事業計画(案)、予算(案)
 なお、総会の後、団体会員からの活動報告と懇談会がありました。
 ①リネン調査`2017年度(RILA伊藤)②ばら撒き体感ツアー報告(ちくりん舎青木)
 ③放射能のホント(内部放射能市民研究会川根) ④懇談会 

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セシウムボール加熱でセシウム脱離と東大論文、脱離したセシウムはどこへ行く!?

皆さま
東大他の研究者グループが「セシウムボール加熱でセシウム脱離」という論文を発表しました。
http://univ-journal.jp/21515/ 
 
セシウムボールはPM2.5レベルの微粒子でなおかつ一個あたり数ベクレルにも到達するものがあり、これを吸入した場合の被ばく影響が深刻であることを正しくも指摘しています。
今回、それらを加熱したところ600℃以上から900~1000℃でセシウムが脱離したという研究です。
 
問題は、今回の発見により焼却炉で十分な温度と長さで加熱すれば、セシウムは脱離し燃え残りの主灰や飛灰には残らないから、焼却しても問題ないと示唆している点です。
 
はて、脱離したセシウムはどこへ行くのでしょう。気体としてフィルターで回収
出来ずそのまま環境中へ、冷却して粒子化して飛灰に再付着すると、飛灰はPM2.5 、サブミクロン粒子が大量に発生することは従来の研究で明らかです。
 
一般の焼却炉に設置されるバグ・フィルターではPM2.5.サブミクロン粒子は回収
できないことは明らかです。
 
重要な研究ですが、現実の焼却炉の実態を知らず/言及せずにこのような主張をするのはきわめて問題だと言えます。
 
★大学ジャーナル記事では焼却時に「フィルター の利用が示唆される」としていますが原論文には私が見た限りではそのような言及はありません。ひょっとして取材に応じた研究者が口頭かなにかで言及したのでしょうか。

論文(英文)はこちら s41598-018-28087-5

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ちくりん舎オープンラボのご案内

ちくりん舎オープン・ラボのご案内

ちくりん舎設立のきっかけとなった仏市民放射能監視NGO-ACRO(アクロ)のDavid Boilley(ダビデ・ボアイユ)理事長が来日されます。ちくりん舎ではこの機会にオープン・ラボ(公開ラボ)を開催して、多くの方々の見学や情報交換、交流の場としたいと思います。
 
ちくりん舎会員の皆様はもちろんのこと。市民放射能監視活動、環境問題に関心をお持ちの方、ちくりん舎を一度見てみたいという方など、この機会に是非ともご参加ください。
 
会場や送迎の都合上、ご参加いただける方は事前にお申込み下さるようお願いします。
 
【ちくりん舎オープン・ラボ】
■日時:2018年7月21日(土) 14時~17時頃
■場所:ちくりん舎(東京都西多摩郡日の出町大久野7444)
※集合:7月21日(土)13:30 JR青梅駅改札口に集合。ちくりん舎へ送迎します。
※直接ちくりん舎へ来られる方は14時までにご来場ください。
■オープンラボの内容
①ちくりん舎の紹介と見学
②ちくりん舎の活動状況報告
③ACROの活動状況報告—David Boilley理事長
④質疑、意見交換
※David理事長のお話は通訳が付きます。
■参加費:無料
※参加される方は必ず下記までご連絡下さい。
メール lab.chikurin@gmail.com TEL&FAX  042-519-9378
HPから直接申し込みも可能です http://chikurin.org/wp/?page_id=3711 
 
 【懇親会】
■日時:2018年7月21日(土) 18時~20時頃
ちくりん舎近くの自然食レストラン「星宿(せいしゅく)」(予定)で食事をとりながら懇談します。
■参加費;3000円程度
※参加される方は必ず下記までご連絡下さい。
メール lab.chikurin@gmail.com TEL&FAX  042-519-9378
HPから直接申し込みも可能です http://chikurin.org/wp/?page_id=3711 
※懇親会のみの参加も可能です。
  
【お問い合わせ】
042-519-9378ちくりん舎 または lab.chikurin@gmail.com  

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一関市長が狐禅寺地区の新焼却場建設を断念

ちくりん舎としてフクロウの会、たまあじさいの会と連携して支援してきた、岩手県一関市狐禅寺地区のごみ焼却炉増設問題で、市長が断念したという嬉しい知らせがありました。

既設のごみ焼却施設受け入れ時に「今後の狐禅寺地区にごみ焼却施設は建設しない」との覚書があったにも関わらず市長が強引に増設を進めようとしていたものです。放射能汚染廃棄物の焼却、放射能汚染ごみ最終処分も大きな懸念となっていました。

狐禅寺の自然環境を守る会の高橋佐悦さんをはじめとして地域の方々の粘り強い活動の成果です。ご本人の了解を得て、皆さまにこの勝利をお知らせいたします。

一方で、放射能ごみ焼却、最終処分場の問題はまだなくなったわけではありません。お隣の一関市大東清掃センターへの増設の可能性もあります。大東清掃センターでの放射の汚染ごみ焼却に反対している菊地弘道氏からのメッセージも併せてご紹介します。

私たちも引き続き支援を続けていく考えです。

ーー 「狐禅寺の自然環境を守る会」高橋佐悦氏からのメッセージ --

皆様、狐禅寺の自然環境を守る会の高橋佐悦です。4年前の3月に市長が、狐禅寺に、新ごみ焼却場、最終埋め立て処分場、8,000Bqを超える放射能汚染廃棄物を焼却する仮説焼却炉を、セットで狐禅寺に建設したいと発表があってから3ヶ月後の6月1日に、4人の共同代表で、狐禅寺の自然環境を守る会を立ち上げ、皆様のご支援をいただきながら、これまで反対運動を行ってきました。

盛岡の舘澤さん、宮城の佐藤茂雄さんから学習会の案内をいただき、参加させていただいて、そして、岡山先生、岩見先生、坂本弁護士さん、ジャーナリストの青木さん、ちくりん舎の青木さん、たまあじさいの会の中西さん、仙台の青木弁護士さん市民活動家の山本さんと出会い、特にも、同じ一関市大東清掃センターのごみ焼却施設のある地域で、住民とともに環境問題活動に取り組まれている菊地弘道さんご夫妻の、親密なご指導と物心両面のご支援、市議会議員の那須さん岡田さんの議会情報提供や議会での質問など、感謝の言葉を語り尽くせないほど多くの方々のおかげで、去る6月21日に市長が「狐禅寺断念」の表明に至ることが出来ました。皆様方に心から感謝を申し上げます。

この市長の断念の表明を傍聴した、狐禅寺の候補地周辺の女性は、議会から帰るときに、腰が抜けたように廊下に座りんでしまい、みんなから手を差し伸べられて支えられていました。精根尽きたのでしょう。

私たちも、今でも信じられない、気が抜けたような、目標を失ったような感じです。それだけ、これまで4年間、市長の発言や進め方が、疑問だらけで全く信用できなくなっていたということに尽きます。

なぜ、これまで半世紀にわたり、我慢をしながら有害な迷惑施設を受け入れてきた狐禅寺住民を、こんなに苦しめなければならなかったのでしょうか。全くひどい市長です。

市長と、市議会の責任重大です。

ーー 「寺崎前地区の自然を守る会」菊地弘道氏からのメッセージ --

昨日、一関市の新焼却場の建設計画地である弧禅寺地区を市長は断念したことを表明しました。市長は賛成住民が「これ以上の協議が難しくなった」ことを申し出たことを受けてのものです。又、今朝の新聞で報道されましたが、当然のことながら、約束を反故にして進めた市長の責任は重大です。

地域の為、行政のいい加減な計画に断固反対をして住民の方々を取りまとめてこられた高橋さんはじめ共同代表の方は大変ご苦労様でした。弧禅寺地区の協議会代表を相手取り進めた裁判が功を奏したしたことと思います。

又も同じところにごみ処理施設を整備することは大きな問題なので、今回のように約束を守らない行政に対して断固反対していこうと思います。

住民と行政ではなく住民意識の問題だということも、今回も、考えさせられました。住民同士が話し合う場を造ることが非常に重要であることを、住民意見を無視し、これを推進した議員の皆さんに考えていただきたい。

今後次のことが考えらます。
・一関のもう一つの大東清掃センターの増設。
・いったん取り下げ、協議会の裁判も終わらせ、協議会の役員を決めさせて、再度弧禅寺にお願いする。
・最終処分場の候補地に弧禅寺が対象となる。

ー以上ー

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台湾訪問記(最終回)

(4日目)
密度の高かった台湾ツアーもいよいよ最終局面。4日目午前中に
高雄市議会で、環境、食品安全関係の官僚の皆さんにレクチャー
を行いました。マスコミにも公開して記者会見を兼ねる形です。

仲介してくれたのは、高雄市会議員の張豐藤氏と呉益政氏。
台北の立法院のときと同じく、議員が市民側に立って官僚に
対して市民側の意見を伝えて官僚に対応を促す形です。

今回も比較的時間がとれたので、3人がそれぞれの分担で
プレゼンテーションを行いました。

プレゼンテーションの後に、同席した台湾生態学会会長や
彰化県(台湾中西部の県)の医療界連盟の前理事長
などが 発言しました。その後、仲介議員も含めて、高雄市側と
意見交換をしました。

意見交換の内容は良くわかりませんでしたが、後で通訳から
聞いた話では、官僚側は「法律に則ってやっている」の繰り返しで
日本と同じようなものだったとのことでした。

高雄市での行動についての報道の様子のリンクを貼り付けます。

https://tw.news.yahoo.com/核食管制六點建議-吳益政呼籲日本產品雙證檢測-113856645.…
http://www.epochtimes.com/b5/18/6/7/n10461440.htm

午前中のプレゼンと記者会見の後、再び台北に移動し、
今回の活動を支えたNGOの皆さんと夕食会を行いました。
夕食会は人気の鼎泰豊(ディンタイホォン)という小籠包
のお店でした。ヘチマ入りの小籠包がおいしかったです。
そのあと一行は街に繰り出してマンゴーかき氷をいただきました。

密度の濃かった4泊5日の台湾ツアーで、台湾でも原発と
環境汚染に反対して闘っている人々とのネットワークができた
だけでなく、より深くお互いを知ることができ、信頼関係も
生まれたのは大きな収穫です。

一過性のものではなく、今後も連携して国際的な連帯が発展できるよう
にするにはどうしたらよいか。ちくりん舎の皆さんとも話し合いながら
課題を明らかにしてゆきたいと思います。

8回にわたり長々と報告しました。お付き合いありがとうございます。(終わり)

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台湾訪問記(その7)

(3日目午後)
午前中の台北市内での記者会見の後、新幹線(台湾では「高鐵」
というらしい)で高雄まで移動。約1時間30分の移動でした。

高雄で訪問したのが「放射線モニタリングセンター」。台湾原子
能委員会(日本で言えば原子力規制庁か)の下部組織で台湾全土
の放射線モニタリングや環境、食品中の放射能分析を行っている。
日本から輸入される食品もここで測定している。

にこやかな顔で迎えてくれたのが、モニタリングセンター主任の
徐明徳氏と組長の黄禎財氏。福島県環境放射線センターも訪問した
ことがあるが、それと比べるととてもリラックスした関係。福島の
今という特別な状況がそうさせているのか、国民性の違いなのか。

台湾全土の放射線モニタリング施設の見学、ゲルマニウム半導体
測定器による検査、液体シンチレータによるストロンチウム検査
の設備などを見学した。

その後がここを訪れた本題。ちくりん舎で測定したコメ、お茶、
粉ミルクなど10検体を持ち込んで、こちらでクロスチェックを
してくれないかとのお願いをしたのだ。(クロスチェックとは同じ
検体を別々の機関で測定してその結果を突き合わせ確認すること)。

事前に今回のツアーをアレンジしたジェイさんから申し込んで
あったようで、なんなくOKが出た。というより、「どうぞどうぞ
私たちも大変興味あります」的な対応であった。
実際にオペレーションしている若い研究者が早速内容チェックを
するなど、技術者、研究者として興味津々でことに当たるよう
動きを見せてくれた。
福島県放射線センターでクロスチェックを申し込んだことはないが
このような対応をしてくれるとは想像できない。台北の核能研究所
や議会でも感じたことだが、全般に官僚や政府サイドの研究者が
市民の動きにとても理解がある(ように見える)。この違いはなん
なのだろうか。

クロスチェックはしばらく時間がかかる。結果が出てくるのが
楽しみだ。 (続く)

 

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台湾訪問記(その6)

(3日目午前)
台湾ツアー3日目午前中は台北市内の台湾大学同窓生協会で
記者会見を行いました。

会場には、今回の取り組みを進めた台湾と日本の市民団体…
の名称を付けたバナーが会場に貼り付けられて紹介されました。
また、台湾市内で市販されている日本製の米、お茶、粉ミルク
などの測定結果が展示紹介され、ジェイさんが説明をしました。

その後、「ちくりん舎の設立経緯と活動」について(浜田)、
「ごまかしと隠ぺいだらけの福島の除染と復興」(和田)、
「深刻な状況が続く福島原発事故による放射能汚染」(青木)
の報告を行いました。

今回は昨日の議員会館とは違って比較的時間は長くとれたので
準備したプレゼンは一通り話すことができました。

ただ残念なのは、プレスの参加が少なかったことです。
やはり放射能問題は台湾でももうすでに過去のことで関心が
薄れているのでしょうか。

それでもいくつかの報道がされましたのでそれのリンクを
下記に付けます。当然かもしれませんが、プレスの報道は
日本の食品からセシウムが検出されたことが中心で、
福島や周辺の汚染の現実や 日本政府の対応についての
報道は少ないです。
台湾では日本の食材は高級食材として人気があるようです。
そうしたことから、 それらの食材からセシウムが検出されることは
大きなニュースなのでしょう。

数ベクレル程度はあたりまえとならされてしまっている私たちの
感覚がおか しいと改めて考えせられました。

https://www.youtube.com/watch?v=f-aklzkiFA8
http://www.foodnext.net/news/newsnow/paper/5234123503
https://udn.com/news/story/7314/3179088
https://taronews.tw/2018/06/04/45608/ 
http://newtalk.tw/news/view/2018-06-04/126690
http://news.sina.com.tw/article/20180604/27074994.html


                   (続く)

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台湾訪問記(その5)

2日目午後)2日目午後は台湾核能研究所(INSR)を訪問した。
ネットで調べるとINSRは台湾の原子力開発の唯一の国立機関らしい。
日本で言えばJAEAにあたるところか。

ここの食品中の放射能検査をしている部門と放射性廃棄物の焼却炉
を見学した。

食品の放射能検査は3日目に訪問する放射線モニタリングセンター(RMC)
が主に検査を行っているが、その一部を抜き打ち検査している。
ゲルマニウム半導体測定器が4台ならんでいた。検出限界は飲料水が
5Bq/kg、その他が10Bq/kgでった。ちくりん舎や生協などが行っている
食品検査のレベル(0.5~1bq/kg程度)から比べると、まったく不十分。

焼却炉施設も見学した。低レベル放射性廃棄物の焼却炉でバグフィルター
とHEPAフィルターを設置していた。放射性物質として扱わないリサイクル
基準を質問したところ100Bq/kgということで日本と同等であった。

案内や質疑に答えてくれた職員はオープンで親切で好印象ではあった。
日本のJAEAへ行ったらこんな対応をするかどうかはなはだ疑問。
‥それ以前に、日本では一般市民に見学をさせないのではないか。

好印象だったので、調子に乗って意地悪く「日本では避難指定が
20ミリSv/年間で、20ミリSv/年間を下回ったら賠償が打ち切られ、
住民は帰還しなければならない。この実情に対してどう思うか」
と質問してみた。

すると、それまで和気あいあいとしていた先方が、突然答えが
なくなり、内輪でざわさわと話をしだして、明確な回答が無く
なった。後でどんな話をしていたのか通訳に聞くと「私たちの職場
での避難基準は年間50ミリSvだけど・・うんぬん」という
ようなことを話していたらしい。

しかし一般住民に対してどうかということは・・素直な反応は
やはり立場上できなかったということかもしれない。
そりゃそうだろうな。でもホンネで言ってほしかった。(続く)

 

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台湾訪問記(その4)

(2日目続き)立法院でのレクチャーが終わった後、
監察院の張博雅氏(女性)を訪問した。

台湾の憲法では行政、立法、司法の他に、「考試」、「監察」を加えた
5権があるそうだ。「考試」は公務員の採用、資格、人事など、「監察」
は公務員の弾劾、糾明、国政調査などを行っているようだ。

30分という短い時間ではあったがこの監察院の院長、つまり台湾の5権
分立の一角のトップと直接面談ができるというのも驚き。

張氏は秘書官長と書記をともなって現れ、書記は私たちの話をしっかり
メモをとっていた。事前の情報では張氏は日本語が分かるそうだ。通訳
をはさんでいたが、実際私たちの日本語の発言に結構そのまま、うなずき
ながら聞いていた。

口頭ではあったが、日本の放射能市民測定の意義、原発事故の福島
避難者の実情、現在の汚染状況と放射能ごみのばらまきという実態を訴えた。

福島や日本の現状は台湾の監察院にとってはもちろん対象外だが、台湾の
環境保護団体が食品検査の重要性を訴える参考の情報としての扱いになる
だろう。

監察院が台湾の政治にどれほどの影響を持っているかは良くわからないが、
監察院長に日本から来た証言者を引き合わせて面談させるというのは、
ツアーをアレンジしたジェイさんのアイデアによるものか・・。

監察院長が台湾の環境団体や日本からの証言者と面談したということが、
台湾行政や立法に影響や牽制が効けばよいのだが。(続く)

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台湾訪問記(その3)

 
2日目の午前中は台湾立法院(議員会館みたいなところ)で
環境、厚生、原子力規制関係のお役人15~20人くらいに福島
の現状と市民の放射能測定活動の実態をレクチャー。

マスコミも取材に来ていました。

会を取り仕切ったのは陳曼麗さんという立法委員
(民進党国会議員)さん。前日の夕食会でも
ご一緒しましたが、グリーン派の議員さんで、
小柄な女性ですがバイタリティーあふれるおっかさん的な人です。
(1枚目写真の真ん中)。

日本と違って、お役人は市民活動や要請に対してしっかりうなずき
ながら自分でメモを取ってしっかり聞いていた(ふりをしている・・
かもしれませんが)雰囲気でした。
日本のような官僚的な無機的対応とは違う雰囲気を感じました。

ここでも、ちくりん舎の設立経緯と現在の活動(浜田)、福島を中心
とした放射能ごみばらまき(和田)、福島の汚染状況と南相馬の人の
尿検査結果など(青木)の話をしっかりしました。 (続く)

  

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台湾訪問記(その2)

台湾は昨年「脱原発法」ができて2025年までに全ての原発を停止
することになっている。
しかし最近、大規模な停電(原因は原発とは関係ない)が起きたり
して原発推進派がやはり原発が必要と巻き返しを狙っているようだ。

第1原発を見た後、地元で原発反対運動を続けている皆さんと、昼食
をとりながら交流した。
昼食会場はなんと、日本の統治時代に掘られたという温泉。
いまも立ち寄り湯として入浴可能。残念ながら温泉には入らず2階の
食堂でおいしい台湾の魚料理などをいただきながら自己紹介。

驚いたのは、皆さん私と同じように65歳以上の人たち。言うことも
子供や孫たちのためにやっていると同じような感じ。
退職した英語の先生、やはり退職したバスの運転手など。
すっかり意気投合!(続く)

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台湾訪問記(その1)

6月3日から7日まで、台湾環境団体の招きで台湾を訪問しました。
これから数回にわたって訪問記を書きます。(青木)

台湾では福島周辺の5県からの食品輸入を全面禁止しているが
日本政府から圧力がかかっているようで、台湾の環境保護団体、
自然保護団体、反原発団体などがそれに対する反対の声を挙げ
ている。また台湾への輸入食品の検査基準の厳格化と全ての
測定データ公開などの透明性を求めている。

そうした団体の招きで6月3日から台湾を訪れている。目的は
①福島周辺の汚染実態や日本政府の対応の実態を台湾に伝える、
②台湾政府に輸入食品の測定の厳格化とデータ公開など透明性を
  求めること、
③市民の放射能測定機関が存在しない台湾で、市民レベルで放射能
 測定についての連携の体制を模索することなどです。

台湾訪問初日は台北の北20数km(!!)のところにある第1、第2
原発見学と地元で反対運動をしているグループとの交流です。

驚いたのは台北からの距離の近さもそうですが、なんと幹線道路わき
に突然、普通の工場か何かのように入口があってその向うが原発という
立地です。入口そばには有名なお寺があって観光地になっていてお土産
や海産物を売っている屋台などが並んでいるのです。

1枚目の写真に大きく顔が映っているのが、今回のツアーを企画した
緑色消費者基金会のファン・ジェイさんです。 (続く)

 
 

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長野県飯山市バイオマス発電勉強会でお話しました

5月24日に長野県飯山市で「飯山の未来を考える バイオマス発電勉強会」が開かれ、講師としてお話してきました。

飯山市では戸狩工業団地にグリーン・サーマル㈱が木質バイオマス発電所を建設する計画があり、既に各地域で市と業者であるグリーン・サーマルによる説明会が開かれています。

3月には現地を訪問して地元の方々と学習会と交流を行いました。

今回、放射能汚染木材焼却など環境汚染を懸念する地元の人たちの主催で学習会の開催につながったものです。

学習会は夜7時から飯山市常盤地区活性化センターで開かれました。
平日の夜にも関わらず、開会時には会場がびっしり埋まりました。73名の参加で飯山市の市会議員全16名のうち8名の参加があったようです。地元紙記者も2名取材で参加。仕事帰りの現役男性、おじいちゃんおばあちゃん世代、子育て世代のお母さんがちらほらというところでしょうか。大盛況でした。
市会議員全員に案内チラシを送るなど地道な取り組みの成果だと思います。

学習会には73名が参加した

私の方からは1時間15分程度話をしました。後半の質疑も活発で、市やグリーン・サーマル㈱からの良い話しか聞いていなかった人も多いようで、あらためて「こんな問題があるのか・・!」というような反応もかなりありました。

熱心な質問も続いた

特に、アメダスの年間風配図から、グーグルマップ上にばいじんの広がり予測を視覚的に表したスライドがインパクトあったようです。

当日のプレゼン資料はこちらのページからダウンロードできます。

飯山市は今、春真っ盛りで素晴らしい自然にふれあいました。

 

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5.13公開セミナー「バイオマス発電の問題点を考える 輸入木材・放射能汚染木材燃やしていいの?」

公開セミナー
  バイオマス発電の問題点を考える
  輸入木材・放射能汚染木材燃やしていいの?

※チラシはこちらからダウンロードできます。20180513seminor
 
再生可能エネルギーが目覚ましく成長している中、原料を海外から輸入し、あるいは放射能汚染の恐れ
のある木材を原料としたバイオマス発電も計画されています。
輸入木材やパーム椰子殻(PKS)、パーム油などを利用したバイオマス発電も多く計画されています。
生産地においては、森林伐採や泥炭地の破壊、人権問題が報告されている事例もあります。
また、放射性セシウムに汚染されたチップやペレット、薪などの木質燃料を燃やすと、放射性物質の濃
縮が起こり、焼却灰の線量が驚くほど高くなることがあり、周辺への拡散が心配されます。
これらの問題について、バイオマス産業社会ネットワークの泊みゆき理事長を迎え、公開セミナーを開
催します。
 
2018 年 5 月 13 日(日)14:00~16:30
 
ホテル  メトロポリタンエドモントとなり    
 
お話:バイオマス発電の現状と課題  泊みゆきさん
バイオマス産業社会ネットワーク理事長
再生可能エネルギーの持続可能性とは?  満田夏花/FoE Japan
田村市のバイオマス発電事業  和田央子/放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会
放射能汚染木材焼却の危険性  青木一政/ちくりん舎・福島老朽原発を考える会
 
主催:国際環境 NGO FoE Japan/ちくりん舎/福島老朽原発を考える会
/放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会
問合せ:FoE  Japan  TEL 03-6909-5986  当日 090-6142-1807
申し込み:不要(当日会場へお越しください)
資料代:500 円(主催団体の会員は無料です)
東京しごとセンター5 階(飯田橋駅東口徒歩 7 分)

 

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南相馬市原町区の方々の尿検査結果-膀胱がんが懸念されるレベル

※拡散歓迎※

フクロウの会とちくりん舎は、2017年12月より2018年3月にかけて南相馬・避難20ミリシーベルト基準撤回裁判の原告団の皆さんの尿検査を行いました。

その結果、南相馬原町区在住の原告の皆さんの尿中セシウム濃度は、チェルノブイリ原発事故の後にウクライナの強制避難地域ではなかった地域で見られた「チェルノブイリ膀胱炎」が生じた人たちと同程度のものであることが分かりました。

ウクライナの同地域では事故後15年が経過したころ、膀胱がんが事故前の1.65倍に増加したことが報告されています。今回の調査からは、南相馬在住の方々も同様に膀胱炎から膀胱がんに移行することが危惧されます。

また今回の尿検査の結果から、50日間の長期保養の前後では、体内のセシウムの排泄が効率的に行われていることも同時に明らかになりました。

この結果について、2018年4月26日の南相馬・避難20ミリシーベルト基準撤回訴訟第10回口頭弁論期日の後の報告集会で、皆様に紹介させていただきました。

当日のプレゼン資料を紹介します。

裁判原告の方の尿検査結果

フクロウの会/ちくりん舎 青木一政

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高専生の洗脳教育?廃炉ロボコン今年もやるようです

みなさま
 
こんなものを入手しました(入手先は秘密です)。
 
 
 
 
先日の「ばらまき体感ツアー」で見た子供だましの工専生洗脳教育ではないかと
思われる廃炉ロボコン、今年もやるようで、全国の工業高専に通知が回っています。
 
※廃炉ロボコン実施施設の環境創造センターについてはこちら
 
呼びかけ元が福島工業高専校長で、廃炉措置人材育成 工専等連携協議会なるわけの分からない
協議会の会長をしています。事務局も福島工業高専です。
 
実施要項 jissiyoukou を見てください。
 
放射線の「ほ」の字も出てきません。
廃炉処理の難しさ深刻さは何をおいても強烈な放射線です。
そのために通常の電子機器など使えません。何よりも強烈な放射線との闘いでまず
学ばなければならないのは放射線の危険性、低線量被ばくの危険性です。
 
こういったことに一切触れずに、「わくわくドキドキ」(福島県イノベーション構想
の言葉でしたっけ??)で高校生を巻き込むのは大変大きな問題があると
考えます。
 
みなさん・・どう思われますでしょうか??
 
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福島「ばらまき体感ツアー」報告(その2)

 

その1に続き、「ばらまき体感ツアー」2日目の報告です。2日目はいわき湯本の宿を早めに出て、三春町にある環境創造センターへ向かいました。環境創造センターは福島県が2016年に開設したものです。HPでの説明では、「県民の皆さまが将来にわたり安心して生活できる環境の回復・創造に向け、モニタリング、調査研究、情報収集・発信、教育・研修・交流を行うための総合的な拠点」となっています。ここは4つの機能を備えた大きな施設で、ツアー2日目の午前中は全てこちらでの見学や会議を行いました。

放射線は怖くない!?
福島県環境創造センター交流棟(コミュタン福島)で「心の除染」ができるかも?

環境創造センター交流棟(コミュタン福島)

 磐越自動車道の船引三春ICの近くの工業団地の一角に巨大なスペースに環境創造センターがあります。ここの交流棟は無料で誰でも入れる見学施設となっています。おそらく小中学生、高校生など若い人を意識した体験型の教育施設のようなものでしょうか。

 事故直後の福島第一原発のジオラマ模型や「放射線ラボ」という体験型の放射線を学ぶ展示エリアなどがありますが、このコミュタンの目打はなんといっても環境創造シアターでしょう。

 直径12メートルの巨大な球形の建物の真ん中に入って、球形全体に映し出される映像を見ることができるシアターです。そしてこの目玉シアターで写される映像は、放射線が、地球ができたときからずっと存在していること、人間はどこにいてもずっとそれと共存していることなどがイメージで映し出されます。放射線被ばくや内部被ばくの危険性、健康影響のこと、甲状腺がんや原発事故での悲惨な状況などは一切出てきません。これはまるで巨大な放射線安全洗脳シアターです。これがなぜ「環境創造シアター」なのか全く理解できません。原発事故で、現在の地球上で自然には存在しない人工放射性物質を環境中にばらまいてしまっても、放射線は大したことはなく、新しい環境が「創造」されたとでもいうのでしょうか。

研究棟を特別見学
研究者と「高温減容化処理」や浪江町山火事の影響などについて突っ込んだやり取り

 コミュタンで1時間程度見学した後に、研究棟での見学と研究者との対話の機会がありました。今回事前に見学を申し込んでいて、通常は非公開の本館と研究棟も見学しました。本館入口のすぐそばにはなんと、国際原子力機関(IAEA)の事務所がありました。入り口ドアに看板はありましたがここだけは中が見通せないドアでセキュリティ対策もしてありました。何か異様な感じです。研究棟には、3つの組織が入っており研究や環境モニタリングを行っています。日本原子力開発機構(JAEA)福島環境安全センター、福島県環境放射線センター、国立環境研究所福島支部の3つの組織です。それぞれの研究、監視、実験場所を見学しました。

 特記的なことは、見学の後に30分でしたがそれぞれの組織の管理者、研究者と直接対話の機会を持つことができました。忙しいなか、丁寧に対応していただいた3組織の皆さんにも正直感謝いたします。

会議室で質疑応答-突っ込んだやりとりが行われた

 直接かかわっている研究者や管理者の方々がいたこともあって、予想以上に突っ込んだやり取りになりました。やり取りの詳細の全てをここで紹介はできませんが、話題の中で特記的なことを列挙すれば以下のようなものです。

①除染土の高温減容化処理の研究内容について:高温処理後のセシウム回収はHEPAフィルターで実施している。蕨平での環境省が進めている高温減容化処理とは独立した研究として進めている。除去率99.9%をめざしているが、この意味はセシウムを気化させて飛ばした後の溶融焼成物に残るセシウムが0.1%という意味で、気化したセシウムの回収時の漏れのことではない。

②浪江町山火事での放射能拡散についての報告書について:森林が燃えるとレボグルコ酸が出る。山火事後のエアダストフィルターの分析ではセシウム濃度とレボグルコ酸濃度との間に相関関係は見られなかったので山火事の影響ではないと考えた。これは放射性物質が無かったという意味ではない。こちらからはリネン吸着法で測定した結果を説明しました。この結果について興味があるということでしたので後日お送りすることを約束しました。

③高温減容化処理で出てくる副産物の濃度など:副産物(セシウムを気化させて回収した飛灰)の濃度は数十万ベクレル/kgになる。非汚染物の定義はクリアランスレベルと同じ100ベクレル/kg以下。8000ベクレル以下が非汚染物というかどうかについては、我々が言うべきことではないが、8000ベクレル以下が非汚染物とすると何の管理もなくどこでも使って良いということになってしまう。今回の8000ベクレル以下というのは管理された場所。公共の維持管理がなされる場所で埋められるというか使われるということなので非汚染物ということにはならないのではないか。

研究者なので意外とまともな対応でした。官僚答弁でなく技術的に正直に説明してくれたり、リネン吸着法など、こちらのやっていることにも興味を示すなどで、突っ込んだ議論ができましたし、今後のやり取りもできるベースが出来たので良かったと思います。

放射能汚染木材を燃やすバイオマス発電建設に反対
「大越町の環境を守る会」の皆さんの大歓迎を受けて交流

 このツアーの最後でしたが最も大きな成果があったのが、大越町のバイオマス発電所建設予定地を訪ね、「大越町の環境を守る会」の皆さんと深い連携ができたことです。

町内は「守る会」の立て看板とノボリが目立つ

「守る会」の皆さんの案内ですでに造成工事が始まっている建設予定地周辺を案内していただきました。造成予定地は大越町の高台にありますが、すぐ近くに集落が周りを取り囲んだ形になっています。数百メートルの範囲にこども園や小学校があります。

建設予定地のすぐ近くには集落やこども園などがある

 バイオマス発電誘致の話は、現市長が県会議員時代に決めて、計画予定地の周辺250mの住民に説明しただけで、他の住民に対しては一切説明がなかったそうです。後になっていきさつを知った皆さんが最も憤っているのが昨年9月に事業者が事業計画変更を申し出たことです。それはバイオマス発電所に原料木材を加工するチップ工場を併設すること、当初は線量の高い樹皮は燃やさないとしていたものを部位ではなく100Bq/kg以下という基準で全て使う、という変更でした。こうした放射能汚染木材の加工や焼却により周辺への放射能汚染の再拡散に繋がってしまうからです。

「守る会」の皆さんは四捨五入で平均年齢80歳ということですが、この市長のやり方に大変憤っていて意気盛んです。昨年末から木質バイオマス発電に反対する署名集めをはじめ、わずか数か月で総数5000筆以上の署名を集めました。大越町民署名者は2431名で大越町人口の半数以上とのこと。軽トラにマイクを付けた宣伝カーで町中を走り、一軒一軒ローラー作戦で集めたそうです。

「守る会」の代表幹事さんのお宅で交流

 現地を見て回った後、「守る会」の代表幹事である久住氏のお宅によばれてお茶をいただきながら交流と情報交換をしました。バイオマス発電の問題点、汚染木材を燃やすことの危険性などについて勉強したいことも一杯あるようで話題は尽きませんでした。今後も堅い連携を取りながらバイオマス発電を止めてゆこうとエールを交わしながら帰路につきました。

 

 

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福島「ばらまき体感ツアー」報告(その1)

4月2日、3日の行程で福島「ばらまき体感ツアー」を行いました。

「ばらまき体感」とは不思議な名前ですが、福島原発事故後に福島で進められている「放射能ごみ焼却と復興予算のばら撒きの実態を体感する」というツアーです。この2月から「ばらまき追及団」を結成して活動を始めた、放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会、ちくりん舎、フクロウの会、たまあじさいの会の共催です。参加者は総勢15名。大変充実し、また成果の大きかったツアーでした。以下その状況を2回にわたって報告したいと思います。

10万Bq/kgまでの焼却灰を受け入れる 
環境省の特定廃棄物処分場(旧エコテッククリーンセンター)

処分場の入り口にあるお墓と看板

いわき湯本駅近くで集合した参加者は、最初の富岡町の特定廃棄物埋立最終処分場(旧エコテッククリーンセンター)を目指しました。ここは除染ごみを焼却した後の焼却灰(8千Bq/kg~10万Bq/kg)を受け入れる管理型処分場です。福島原発事故前からあった民間の産廃処分場(旧エコテッククリーンセンター)を焼却灰受け入れのために、環境省が民間業者から68億円で買い取ったものです。この見返りとして富岡、楢葉町へ計100億円の交付金が支払われています。

処分場の入り口近くにはお寺があり、地元の人たちによる看板が立てられていました。

処分場の入り口

管理型処分場とは地面にシートを張って、その上に廃棄物を埋め立てるものです。東京日の出町のごみ処分場の経験で搬入時に周辺への粉じんの飛散や地下水への溶出が問題になりました。ちょうど環境省の緑のプレートを付けたダンプが入って行きました。

処分場に入るダンプ

 

600億円以上もかけた超巨大な仮設焼却炉—富岡町仮設焼却炉

巨大な富岡仮設焼却炉

JR常磐線富岡駅近くには三菱重工の巨大な仮設焼却炉があります。623億円が投じられた巨大な仮設焼却炉です。あまりにも巨大でかつ目立ちすぎるので、来年には解体して撤去するようです。私たちは2016年にもここに訪れて、周辺の汚染を確認するためにガンマ線ガメラでの撮影を試みました。その時には周辺にフレコンバッグの山がありましたが今は無くなっています。多量の除染ごみがここでも焼却され、セシウムを含む微小な粒子は周辺に再拡散したはずです。それにしても623億円とは巨額です。本当にこのような巨額になるのでしょうか。感覚的には1桁くらい高く請求されているのではないでしょうか。検証が必要です。

巨大な宣伝施設??JAEA楢葉遠隔技術開発センター

JAEA遠隔技術開発センター研究管理棟

楢葉町にはJAEA(日本原子力研究開発機構)楢葉遠隔技術開発センターがあります。ここで驚いたのはその施設の巨大さの一方で閑散とした寂しい実態です。研究管理棟と試験棟がありますが、どちらも巨大でピカピカでしたが人の気配も少なく活気は全く感ぜられずシーンとしています。 JAEAの説明では、ここは福島原発の「廃炉」のためのロボットなどの遠隔技術研究開発の促進支援をする場所だそうです。

 研究管理棟では2号機の内部データをもとにしたバーチャルリアリティシステムを体験しました。「2号機」というところがミソです。爆発した1号機や3号機では中は放射線量が高くデータも採れないし、もし正確に再現出来たら、それこそグチャグチャで呆然としてしまうのではないでしょうか。

 試験棟には原子炉のサプレッションチャンバーの実物大のモックアップがあり、水漏れを塞ぐための流動セメント投入試験の超巨大モックアップ(模型)がありました。実際に流動セメントを流し込んだそうですが周辺はとてもきれいで、何度も実験を繰り返した形跡はありませんでした。

試験棟のサプレッションチャンバーの実物大モックアップ

 そのほか、水中ロボットやドローンのデモ、廃炉ロボコンの展示がありました。

 説明員の方は熱心に丁寧に説明してくれましたが、どうみても巨額の費用の使い道に困って一般向けの(こどもだましの)説明施設としか感じられませんでした。こんなところに巨額を投ずるより、フクイチの現場で働く労働者の賃金や待遇改善、健康管理に使って欲しい、というのが素直な印象です。

 会議室の説明で思い切って質問してみました。「この施設の運営には年間どのくらいの費用が掛かっているのですか?」。答えは「ちょっと秘密で申し上げられません」。「建設にどのくらいかかったかは言えるでしょう」。「約100億円です。」との応答がありました。

焼却灰を再処理して人工骨材に DOWAエコシステム「メルテックいわき」

いわき市の四倉中核工業団地の一角の「メルテックいわき」を外側から見ました。福島県内各地の自治体から焼却灰を受け入れ(当然放射能を含みます)、溶融処理をして建築材料である人工骨材を作る工場だそうです。新聞報道では「メルテックが製造する人工骨材の「メルエース」は全量が栃木県内の公共工事などの資材に利用され、品質が評価されている」そうです。知らないうちに既に放射能を含む灰の再利用が始まっています。工場での溶融処理による周辺への放射能の再飛散、再拡散の懸念があります。そして知らないうちに放射線を発する材料で作られた家に住んでいた、などということにならないとも限りません。

メルテックいわきの入り口

 「日の出町の焼却灰の処理工場のエコセメント化施設と言います。エコという名前は要注意だね」という笑えない冗談が出ました。

夜はしっかり学習会

食事をして宿に入り、ちょっと休憩した後は学習会です。ふくしま連絡会の和田央子さんから、今回の視察場所についての説明と意見交換、ちくりん舎の青木から、環境省がこの3月にはこうした「除染事業誌」の内容紹介と意見交換を行いました。2時間の学習会の後は、お待ちかねの懇親会がありました。

(2日目報告に続く)

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原子力規制庁のモニタリングポスト撤去方針に対する要請書

みなさま(拡散歓迎)

 

原子力規制委員会が福島県設置のモニタリングポストの撤去方針を決めたとの報道が

なされています。

http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2018/03/post_15936.html 

 

本日、私たち6団体は原子力規制委員長に対して要請文を提出しました。

要請文はこちら

報道によれば撤去の理由は「線量に大きな変動がなく安定しているため、継続的な測定

の必要性は低いと判断した」という、全く理解不能な理由です。

 

福島県内の自治体や反対や批判の声がでており、個人的に原子力規制庁へ電話で

抗議や反対の申し入れをしたとの情報も入っています。

 

電話をした方によれば、「無理矢理撤去するつもりではなく住民の意向

に沿いたい。声は市町村に届けてほしい」と回答があったということ

です。

 

みなさまにお願いです。

福島県内の各自治体に撤去反対の旨の要請を電話、メール、Faxなどで集中していただく

ようお願いします。

福島県内自治体は抗議先ではありませので、味方につけるよう要請をお願いします。

 

原子力規制庁への抗議、要請の連絡先はこちらとなります。

https://www.nsr.go.jp/cgi-bin/contact/ 

電話:03-3581-3352(代表)

FAX番号:03-5114-2275

 

【よびかけ団体】(あいうえお順)

NPO市民放射能監視センター(ちくりん舎)

風下の会 福島

国際環境NGO FoE Japan

福島老朽原発を考える会(フクロウの会)

放射能ゴミ焼却を考える福島連絡会

ふくいち周辺環境放射線モニタリングプロジェクト

(代表連絡先)青木一政 090-7245-7761 fukurounokai@gmail.com 

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長野県飯山市の木質バイオマス発電計画-学習会と現地調査に行きました

3月6、7日に長野県飯山市へ木質バイオマス発電問題で学習会と現地調査に行ってきました。

長野県飯山市は長野県の北の端、新潟県の県境にも近いところです。この飯山市常盤地区の戸狩工業団地に木質バイオマス発電所の建設計画が持ち上がりました。放射能汚染木材を燃やすことなどによる周辺への環境汚染を懸念する地元のYさんから、ちくりん舎へ相談の電話がありました。近々、発電所の事業主であるグリーン・サーマル㈱による住民への説明会が行われるということで、急きょ、その説明会の前に学習したいとのことで、学習会と現地調査に行きました。

急きょ開かれた学習会には
地元の方が20名参加

グリーン・サーマル㈱は、新潟県三条市で昨年9月から木質バイオマス発電所の稼働を始めた、その会社と同じです。三条市の木質バイオマス発電をめぐっては、住民の反対運動もありましたが建設が行われ、昨年9月からちくりん舎と共同で、リネン吸着法などによる周辺環境汚染監視の活動に入ったところです。飯山市のYさんはちくりん舎のHPでこのことを知り、ちくりん舎へ相談をしてきたわけです。さっそく、三条市で監視活動を進める、「みどりの里の環境を守る会・三条」の鶴巻俊樹さんとともに、ちくりん舎の3名が現地の学習会と建設予定地の調査に行くことにしました。

学習会には新潟県三条市から鶴巻俊樹氏も駆けつけた

近くの公民館で開かれた学習会には、地域の方々約20名が集まりました。市会議員の方も3名が参加されました。学習会は近々、グリーン・サーマル㈱による会社説明会が開かれるということもあって、会社側の説明でごまかされてはいけない、事前にしっかり勉強しておかなければ、という緊迫して熱気あるものでした。

 学習会では、ちくりん舎の青木から、「放射能微粒子の危険性と木質バイオマス発電の問題点」について話をしました。また、たまあじさいの会の中西四七生氏からは、「日の出町ごみ処分場とエコセメント化施設による環境汚染と健康影響」についての話をしました。みどりの里の環境を守る会・三条の鶴巻俊樹氏からは、三条市で、地元の反対運動の中、木質バイオマス発電所が建設されるに至った経緯と、稼働以降は監視活動に入った経緯などを詳しく説明されました。

 三人の講演内容は、地域の人々が懸念し不安に感じていたことを明らかにして、あらためて、この飯山市常盤地域に木質バイオマス発電所を造らせてはいけないと確信できるようになりました。講演内容や、計画をどうやって止めるかも含めて、質問や発言があいつぎ、学習会は、予定の時間を大幅に超えて夜遅くまで続きました。

 

学習会の翌日、Yさんの案内で建設予定地を見に行きました。建設予定地は、飯山市の戸狩工業団地の一角です。なんとこの戸狩工業団地はバブルの時代に整備されたのですが30年間、誘致に応じて工業団地に入った会社は1社もなく、広々とした場所が30年間「塩漬け」状態で遊んでいるところでした。鶴巻氏いわく、「こんな状態であれば工業団地を開発した市の行政責任が問われるべきもの」、「業者からみれば買いたたく絶好の場所」

とのこと。確かにその通りだと思います。地元のYさんは、「飯山市は四方を山に囲まれ千曲川もあり自然豊かなところ。工業団地のこの場所は自然を生かして人々の癒しになるような使い方をすべきだ」と話しました。

30年前に開発された工業団地は1社も入っていない

 そして驚いたことには、予定の場所の西約800mの高台には中学校があり、南約2kmのところには小学校があります。予定地域は中学校や小学校の通学路にもあたります。

 またこの地域は千曲川の河川敷で東西方向は山で囲まれていて、野焼きの時期にはその煙が滞留してたなびくことを地域の人は経験で良く知っています。前日の学習会で、バグフィルターでは微小粒子は捕捉できず、細かい粒子は浮遊することや、逆転層という状態でそのような粒子が周辺に滞留するという話には、みなさんの経験からも納得のいくものだったようです。

約800メートルの高台には中学校がある(画面中央)

 

学習会と現地調査という短い時間ではありましたが、地域の人々と今後の連携、協力関係をしっかり作っていこうとの確認ができました。2月10日のちくりん舎シンポジウムの後に、各地で放射能ごみのばら撒きに反対する運動をつなげる「ばら撒き追及団」というネットワークができました。今回はさっそく、その「ばら撒き追及団」の活動の成果の第一歩になるものだと考えます。飯山市常盤の皆さんもさっそくこの「ばら撒き追及団」に参加し、今後より広い人々に呼び掛けての学習・講演会の開催や、地域の気流シミュレーションなどの活動をして行こうとの話をして帰路につきました。

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